賛助会員だより

日本データパシフィック株式会社


麗澤大学
教育用イントラネットシステム
NET TUTOR導入事例



導入の背景

 大学におけるコンピュータ利用教育は、従来、語学教育やタイプ練習などの分野で、CD-ROMやクライアント・サーバシステム上で実施されてきた。この1〜2年、米国の企業や大学を中心に教育用イントラネットシステムを利用したWBT:Web Based Trainingの導入が急速に増えている。
 WBTシステムの導入により、学生は学習における一つの理想的形態である「いつでも、どこでも、自分のペースで」という条件で学習をすることができ、一方、教育する側にとっても、コンテンツの更新がタイムリーに実施でき、成績集計・分析が容易になるなど多くのメリットが享受できるようになる。
 WBTシステムがすべての教育分野で有効であるわけではないが、WBTシステムの利用により、従来のクラスルーム授業中心の大学教育が大きく変わる可能性が出てくる。同時に教員の役割も従来の「知の伝達者」中心から「知恵を授ける人」あるいは「教育プロデューサー」的なものに変化していく可能性が出てくる。


導入の目的

 麗澤大学では、従来から「情報基礎」教育に重点を置いたカリキュラムを組んでおり、従来より年間数コマを割いて「情報倫理」教育を行ってきた。これに加え、平成11年度より「情報倫理」という必修課目(一部選択)を設け、情報倫理教育についても1年生を対象に年間14コマの授業を実施してきた。
 ただ、1コマ90分の「情報倫理」授業は、学生にとって退屈に感じることもあるし、留学生の比率が3割に達する当校の場合、言葉の理解の問題で授業のスピードについていけない学生が出てきている可能性もある。
 上記の理由から、学生が興味をもって「情報倫理」の知識を習得でき、また、理解のスピードが遅い学生も自分のペースで学習できる環境を整える必要があると判断し、1999年10月にNET TUTORを導入し、同時にNET TUTOR用に用意されている「情報倫理」コンテンツを採用した。


システムの概要

 NET TUTORサーバはWindowsNT4.0+IIS4.0+SQL Server6.5で構成されたWWWサーバで、学内ネットワークの中に設置されている。学生は各クライアントでブラウザを起動し、ホームページを閲覧するのと同じ要領でNET TUTORサーバにアクセスする。各クライアントに特別なソフトウェアをインストールする必要はない。
 学生のアカウント登録・削除もすべてブラウザ上でできるため、管理コストが低く抑えられるのも大きな特徴である。NET TUTORサーバのデータベースには、各学習者の学習履歴や、テストの結果が保存されており、先生はリアルタイムに学習の進捗状況を把握することが可能である。必要に応じてデータをCSV形式でダウンロードできるので、研究データの収集にも大変便利である。


導入効果

  1. 90%以上の学生が約2時間のコースを最後まで学習しており、復習時間を入れると平均学習時間は3.57時間に達しており、学生達は「熱心に学習した」と判断できる。
     学生達はWBTによる学習に違和感を感じている様子はなく、逆に興味をもって学習していた。
  2. 「わからない部分を何度も読み返せる」「辞書があるのが便利」「各章で理解度をチェックするチェックテストがあるのが、ありがたい」など、学生の反応も概ね良好であった。
  3. 採点、成績集計が容易であり、不合格者はタイムリーに再履修することができた。


今後の課題

 成績集計が即時にできる点はありがたいが、特に「情報倫理」のような科目の場合、択一式の問題のみで成績を判断するのは、不十分であり、やはり記述式の問題も必要であると判断する。この点からもWBTシステムにすべてを任せるというのではなく、あくまで「知識学習の部分をWBTに任せる」という姿勢が必要であると考える。

問い合わせ先
  日本データパシフィック株式会社
  営業一部 担当:吉田、平(たいら)
  TEL :042-573-6721
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  E-mail: support@datapacific.co.jp
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