私情協ニュース1

社団法人 私立大学情報教育協会
第8回短期大学部門検討会議開催される



 第8回短期大学部門検討会議は、平成13年1月13日(土)に江戸川大学において開催された。


1.情報機器活用教育の事例紹介

 5短期大学から「短期大学教育の情報化に関連した情報機器を活用した教育の展開例」について紹介があった。


「総合的な英語力育成のための『英語情報処理』」
実践女子短期大学 三田 薫氏

 1クラス10台のノートパソコンを使って、プレゼンテーション編、リスニング編、パソコンソフトを活用したライティング編に分けて総合力をつけることを考えている。
 プレゼンテーション編では、2年英作文のクラスでビジネス英語を学習した後、後期に電子メールを使ったビジネスアレンジメント、パワーポイントを使った新企画プレゼンテーション、会社紹介のホームページを4−5人のグループで協同作成、一般教室でノートパソコンを使用した授業で展開した。
 リスニング編では、パソコンを用いてリスニングでどこに自分の聞き取りに問題があるかを、三つのソフトを使って調べた。使ったソフトは、「TEXT TO SPEECH」「TALK TO ME」「リスニング科学的上達法」である。テストした結果の分析から、その学生に合ったソフトを用いて重点学習するといった、新しいソフトの使い方がある。
 ライティング編では、翻訳ソフトやバイリンガルIMEを使って英文作成の実験を行った。学生は翻訳ソフトを使ったほうがうまくできると思っているが、必ずしも正確に訳せるわけではないことを理解させる必要がある。
 英語教育にコンピュータを導入することで、英語観の変革という間接的な効果は期待できる。


「ネットワークを利用した授業『情報科学入門』」
玉川学園女子短期大学 照屋さゆり氏

 ネットワークを活用した教育の目的を、「いつでも、どこでも学習ができる環境を」という点においている。また、自ら学んでいく学生を育てる目的もある。
 ネットワーク授業では、ロータス社のラーニングスペースを使って展開している。カリキュラム、メディアセンター、コースルーム、プロフィールというデータベースを連係させて授業を組み立てている。
 カリキュラムは授業のシラバスと講義内容、メディアセンターは講義の中で使われる抜粋資料・ビデオ資料・画像を蓄えておく場所、コースルームは課題の提出・授業内容の話し合い・先生への質問などをする場所、プロフィールには学生の個人情報が入れてある。
 ネットワーク授業の仕組みを使って、自分で勉強する、文字情報で先生に質問する、友達とやりとりするといった経験をする基本コースと捉えて授業を作成している。学生からは、自分のペースで授業ができる、授業方法が新鮮、積極的に学習できた、授業に参加しているという実感があるといった反応がある。


「ハイパーテキストを利用した授業『経営史』」
徳山女子短期大学 稲葉 和也氏

 アメリカの経営史の説明を、「口頭説明、板書、要約・補助プリント」を中心に講義していた。しかし、学生が言葉からイメージするという訓練を受けておらず、言葉の説明だけでは授業中に明らかに関心がない態度が感じられた。このための対策として、ビジュアルにしてみようということになった。
 写真というコンテンツを中心に、貼り付けてスライド的に使い、経営上の同時代にさまざまな出来事がどう重なっていたかという話を順番にする。その後、経営史の理論的な内容に踏み込んでいく。さらに、映像も混ぜながら行っている。こうした教材はHTMLで制作してあり、学内のWeb上で公開していて学生は自習用に見ることができる。
 コンピュータには個人のプレゼンテーション能力を補う力があり、従来の講義方式を助けてくれる。アンケートからは、プリント、コンピュータ、ネットワークといったものを組み合わせた授業が一番良いという結果が出た。


「CAD・CGを利用した服飾設計実習」
十文字学園女子短期大学 山口 典子氏

 服飾設計実習の授業の目標は、「衣服の設計・制作を通して衣服のもつ機能性と個性を活かす形・色・柄・について理解を深め、構成の技術を身につけること」と「東レアパレルCADによる型紙制作の技法も習得できるようにする」点にある。
 CADは4台しかないので5−6人のグループに分け、CAD・CGの基礎科目を履修していない学生をすべてのグループに入れ、初心者もカバーできるようにしてワンピースの製作をした。授業は型紙を作ること、縫製をすることの二部構成である。型紙を作る二番目の工程の形・色・柄を決めるところで、CGによってシミュレーションをして自分の好みで決める。縫製では、たくさんの機能をもったCADを使い自分の型紙を作っていくという形になる。手書きが苦手な学生も楽しく授業をやっていた。
 学生の評価では、「実際に型紙を作ってみて楽しかった」、「手書きの方法よりも短時間に簡単に正確にできた」、「やりがいがあった」と肯定的な意見があった。
 今後の課題としては、コンピュータの導入により、情報教育の専門家ではない専門科目の教員の負担が大きくなる、教材作成やコンピュータ技術向上のための支援スタッフを確保する必要がある点がある。


「インターネットを利用した授業『海外ネットワークイングリッシュ』」
大谷女子短期大学 出水 純子氏

 授業の目標を、インターネットを使いこなす、英語を速く正確に読む、として特にまず速く読むことに重点を置き、それから異文化理解としている。
 テキストとしてインターネットで世界旅行ということで「Web−Watching the world」、補助教材としてCD-ROMの英和・和英辞典を授業中貸し出す。授業計画は、ガイダンスから始まり、ホームページから情報を取り込んでレポート作成の指導、関連サイトを利用して世界をぐるりと周る、レポートの作成と発表で終わる。
 教育効果は、授業に参加しているという実感、個別指導ができる、達成感をもたせることができる、主体的に英語を読む力がつくなどである。
 問題点として、コンピュータリテラシーに個人差がある、ネットサーフィンをするのに時間がかかるなどの点がある。インターネットを使う場合は従来型の教師像ではなく、知的資源へのアクセスガイド役、学習コーディネーターといった考え方をする必要がある。このほか、技術革新に遅れないためのファカルティディベロップメントが大切である。


2.全体討議

 各事例紹介を受けて、質疑応答という形式で以下のような意見交換が活発に行われた。

−教員側の研修について−


−著作権について−


−教員の評価、立場について−


 最後に、会場校をお引き受け下さった江戸川大学の関係教職員の皆様に敬意を表します。


文責:短期大学会議運営委員会委員長
東海大学短期大学部 加藤 昭


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