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平成16年度 私立大学高度情報化関係政府予算案決まる

 政府は、平成15年12月24日の臨時閣議において平成16年度政府予算案を決定した。
 私立大学関係の経常費補助金は、15年度に比べ45億円増の3,262億5,000万円、私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助は、17億5,000万円減の167億8,100万円、私立大学研究設備整備費補助金は、7億7,000万円増の57億8,857万4千円となった。
 三位一体改革による超緊縮財政を受けて予算がマイナス査定されるという極めて厳しい状況の中で、12月20日の財務省原案では、経常費補助金は対前年度予算1.7%減で内示された。これを受けて私立大学団体は20日から22日にかけて経常費補助金の増額復活を目指して、精力的に与党および関係の国会議員、文部科学省、財務省に陳情を展開した。その後、22日の河村文部科学大臣と谷垣財務大臣との大臣折衝において、経常費補助金は45億円増が復活した。内訳は、人件費と500万円未満の物件費を含む一般補助と特別補助から1千万円削減し、私立大学教育研究高度化推進特別補助で新規の法科大学院支援経費25億円を含む45億1千万円の増額を行うことにより、差し引き45億円の増額となった。法科大学院の新規計上を除くと、既設の教育研究高度化推進特別補助は20億円の増となった。その中で、高度情報化推進特別経費は、211億100万円となり、前年度より6億5,000万円増(3.2%増)となった。
 内訳は、電子ジャーナルやデータベースの利用料などの教育研究情報利用経費は、15年度の申請規模が予算を遥かに超えるという状況を反映して、本協会の要求に沿って15年度の4億5千万円から8億円へと3億5千万円増額計上された。情報通信設備(情報機器、通信機器、マルチメディア機器などの借入)は、前年度同額の110億円と概算要求通りとなった。教育学術情報ネットワーク(ネットワークの維持管理費、通信回線、データベースの更新に伴う経費)は、57億100万円と1億円の増となった。教育学術コンテンツ(ソフトウエア、コンテンツの開発経費)は、2億円増の29億円となった。世界水準の教育研究を目指す大学連携のサイバー・キャンパス整備経費は、前年度同額の7億円となった。その結果、高度情報化推進特別経費は、対前年度6億5千万円の増、211億100万円となり、他の特別補助の中で極めて高い結果を収めることができた。
 また、ノートパソコンの貸与などを含む高等教育研究改革推進経費は、同額の60億2,800万円、マルチメディア教室等の運営を含む教育・学習方法等改善支援経費は、10億6千万円増の50億1,000万円が計上された。
 他方、買い取り補助のうち、私立大学研究設備等整備費等補助金の情報処理関係設備(1,000万円以上の情報機器)は、前年同額の15億9,100万円(ただし、2億6,500万円はサイバー・キャンパス分)となった。学内LANなどの情報通信装置は、前年度より2億円減の14億6,500万円、マルチメディア施設などの情報通信施設は、前年同額の14億6,500万円となった。ただし、サイバー・キャンパス分は、それぞれ1億円が計上された。したがって、サイバー・キャンパス分全体の補助は、高度情報化推進特別経費も含め11億6,500万円となり、前年度に比べ1億円増額された。
 なお、国公私立大学を通じた大学教育改革支援としては、「特色ある大学教育等支援プログラム」の他に、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」として、知的財産教育、仕事で英語が使える教育、他大学との統合・連携、インターンシップ導入産学連携教育、IT活用の実践的遠隔教育(e-ラーニング)など応募された取り組みから、優れた教育プロジェクトを選定し財政支援する事業が、51億3,300万円の中で計画されている。


平成16年度 情報関係文部科学省政府予算案
単位:百万円


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