文部科学省ニュース2

平成17年度情報関係補助金
文部科学省の概算要求決まる


 文部科学省は、去る8月下旬に平成17年度概算要求を財務省に提出した。
 17年度の要求にあたっては、政府は公共投資の3%削減、省庁の判断で増減できる裁量的経費は2%の削減、科学技術振興費の前年同額、人件費等義務的経費の制度改革を含めた増加額の抑制など16年度と同様の概算要求基準をとりまとめ、公共投資、裁量的経費とも、削減目標に対して2割増まで要求を受け付け、財務省による査定の後、12月の政府予算編成で政府予算案が決定される。
 これを受けて文部科学省では、私立大学等経常費補助金について、一般補助、特別補助、私立大学教育研究高度化推進特別補助含めて、全体で3.8%増、125億円増の3,387億5,000万円を要求することになった。
 増額125億円の内訳は、生涯学習、個性化推進特別経費で30億円、法科大学院支援経費を含む「大学院高度化推進特別経費」で38億1,100万円、「学術研究推進特別経費」で17億6,700万円、多元的評価支援経費を含む「大学教育高度化推進特別経費」で19億2,300万円、「高度情報化推進特別経費」で19億9,900万円とした。
 その中で、高度情報化推進特別経費は、16年度の211億100万円から9.4%増の231億円が要求されることになった。内訳は、コンピュータ、マルチメディア機器、通信機器などの「情報通信設備の借入」が前年度同額の110億円、ネットワークの通信費やセキュリティ関係費、データベース更新費などの「教育学術情報ネットワーク」が57億100万円から70億円と22%増の12億9,900万円の増、電子教材の開発などの「教育学術コンテンツ」は前年度同額の29億円、ネットワークで大学連携する「サイバー・キャンパス整備経費」も前年度同額の7億円、e-ジャーナルなどの「教育学術情報利用経費」は、大学の要望に沿って8億円から15億円と2倍に近い7億円の増として要求された。また、大学教育高度化推進特別経費としての「教育・学習方法等改善支援経費」は、4億9,000万円増の55億が要求された。買い取り補助としての学内LANの「情報通信装置」は、14億7,300万円とほぼ前年並、マルチメディアの「情報通信施設」は、教室等学習環境のマルチメディア化の進展を配慮して、8億4,900万円増の23億1,400万円が要求された。1千万円以上の買い取り補助の「情報処理関係設備」は、大学の動向を踏まえてほぼ前年度並の15億7,200万円が要求された。
 本協会としては、文部科学省の概算要求に先立ち、6月に全国の私立大学、短期大学等を対象に情報関係の国庫補助希望調査を実施。その結果を踏まえ私立大学側の要求をとりまとめ、7月28日に文部科学省に要望した。要望に際しては、特に学内LANのセキュリティや維持費を中心とする教育学術情報ネットワークの増額をはじめ、教育研究基盤として市販されているジャーナルやデータベースの基盤整備、e-ラーニング学習など教室等のマルチメディア化を重点に情報化の予算が反映されるよう増額を働きかけた。

 以上は、私立大学を中心とした補助であるが、17年度では国公私立大学を通じた大学教育改革の支援として、「特色ある大学教育等支援プログラム」、「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の他に17年度からさらに個性ある大学を後ろ押しするため、優れた学校教員養成のプログラムへの支援(10億円)、若手研究者を育てる取り組みへの支援(121億円)、人格面も含めた優れた医師養成を目指す取り組みへの支援(21億円)、海外の大学と連携した国際的な教育活動への支援(10億円)を追加し、公募補助金による予算も16年度の450億円から770億円と要求している。


平成17年度 情報関係文部科学省概算要求
単位:百万円

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