私情協ニュース1

第36回通常総会開催される



 第36回総会は、平成16年5月31(月)午後1時半より、アルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)会議室にて開催された。当日は、15年度事業報告、収支決算の決定の他、17年度情報関係補助金の基本方針、情報倫理教育のe-ラーニング教材、電子ジャーナル等の大学共同購入機構の発足などについて協議。以下に主な内容を報告する。
 議事に入るに先立ち、文部科学省私学助成課の塩原課長補佐から16年度情報関係補助金の申請について、次のような説明があった。

1)平成16年度の経常経費の申請は、5月14日付で計画書の募集通知を発送。情報通信設備の借入、教育学術コンテンツは、6月18日が申請締め切り。教育学術情報ネットワーク、研究情報利用経費は、7月16日締切となっている。また、大学教育高度化推進特別経費の教育・学習方法等改善支援経費は6月18日が締め切り。教育研究情報利用経費は、コンソーシアムによる購入欄を申請書の中に追加し、コンソーシアムを通じた共同購入等を行う場合に記入いただく。

2)サイバーキャンパス整備事業は、情報通信施設、情報通信装置、情報処理関係設備及び高度情報化推進特別経費を組み合わせて、一体的な支援を行う事業で、インターネット等を活用した国内外の大学との交流・連携による教育研究の推進を目的としている。同一キャンパス内のみのネットワークの構築、他大学等への配信を行わないコンテンツ開発などは事業の対象とはならないので、留意願いたい。締め切りは、6月18日。選定された事業は、サイバー事業関連として優先的に採択されている。事業開始3年目には計画の進捗状況や事業の実施成果に関する評価を行う。なお、昨年度以前の選定事業で今年度計画がある場合は、計画調書にその旨記載することにより、優先的に採択を行っていく。

3)募集の変更点として、有線LANと無線LANの事業費は、15年度までそれぞれ1,000万円以上としてきたが、16年度より有線LAN、無線LAN合わせて1,000万円以上であれば、補助対象とすることにした。計画調書の締切りは7月23日。

4)マルチメディア化の情報通信施設、学内LANの情報通信装置は、全件で15年度採択したのに対して、1,000万円以上の情報処理関係設備は、採択率にして3分の1程度となったことから、本年度の申請についても事情を留意いただきたい。

5)申請の留意事項として、マルチメディア装置の制御に必要なパソコンは、情報通信施設の一部として補助対象となるが、学生が使用するパソコンは情報通信施設の対象とはならない。情報処理設備などで申請いただく必要がある。OS、オペレーティングシステムなどの装置・設備を作動するためのソフトは、装置設備ではなく、経常費補助金の「ソフトウェア」で、申請いただきたい。
 大学と短大を一体的に整備する場合は、事業経費を按分して、大学・短大ごとに対象事業経費を満たすように留意いただいた。

6)計画調書掲出後に事業経費が変わる場合、補助事業が年度内に完了しないおそれが出てきた場合は、必ず早めに連絡をいただきたい。

7)補助金を受けて整備した施設設備等の財産処分は、廃棄、目的外使用の場合には、文部科学大臣の承認を事前に得ることが必要。承認を受けるには、処分の対象とする部分を全額自己負担で自ら整備し、9年に向けての整備期間を引き継ぐ方法、処分整備期間(9年)の残り期間に相当する補助金を按分算出し、その金額を国に納付することにより制限処分を解除する方法がある。


1.平成17年度情報処理関係設備等予算に対する当協会の基本方針

 17年度は、特に、コンテンツ、電子ジャーナル等の教育研究情報利用経費に重点要求することにした。なお、コンピュータやマルチメディア機器及び学内LAN工事、学内LANの維持費についても、国庫助成希望調査を踏まえて積極的に要求することにした。また、教育の質的向上を図るためITを活用して企業等社会から教育の支援を受けることに伴う補助についても検討することにした。なお、補助金情報が教員の方々に十分伝わっていないことから、本協会の「補助金留意点」のWebサイトを各大学に接続いただき、全教員に情報が伝わるよう協力を依頼するとともに、その上で大学として組織的に要望をとりまとめ、17年度の補助金申請を準備いただくよう要請した。


2.情報倫理教育のe-ラーニング教材の開発

 協会では、情報社会を秩序ある社会とするためには、技術や法制度を超えた人間の心に根差す問題があると考え、人間一人ひとりが自己責任の中で、加害、被害防止のための情報の取り扱いを適切に行うことが不可欠として、日本で最初に情報倫理と称した教育を発足し、普及に努めてきた。最初は、平成6年に情報倫理の重要性をPRするため「情報倫理教育のすすめ」をとりまとめ、翌7年には、教育として体系付を行うことになり、教材としての「情報倫理概論」を刊行した。さらに11年には、教育を実践するためのモデルを提示するため、「インターネットと情報倫理」をとりまとめ、その後5年を経た現在、被害防止、加害防止を内容とした情報倫理教育の普及に本協会での授業モデルの開発が期待されたことから、2年の歳月をかけてe-ラーニング教材を開発した。
 教材の内容・構成は、最初に「インターネット社会の特質」として、居ながらにして大量の情報を集め、利用できる便利な社会であるが、顔が見えない社会でうっかり加害者になるなど、光りの部分と影の部分があるとし、2の「情報の共有とい秩序の維持」では、自己責任による被害防止、加害防止が必要であることを強調した。3の「コミュニケーションの形成」では、匿名であるがゆえの発言の慎重性の確保、4の「パスワードの秘匿性の確保」、5の「個人情報の管理の重要性」、6の「悪意への加担防止」、7の「禁止行為の自制」、8の「著作権侵害の自己点検の必要性」、9の「異文化理解」、10の「セキュリティ対策の徹底」、11の「暗号処理の活用」、12の「著作権理解」としており、授業で部分的に活用できるよう、また自学自習に使用できるよう、それぞれコンテンツを部品のように、映像・音声を用いて作成した。7月に加盟大学に無料配信することにしている。
 教材のイメージは次の通り。
情報倫理教育e-ラーニング教材のイメージ
http://www.juce.jp/LINK/e-rinri/e-rinri.html

3.教員のための授業情報技術のe-教材

 授業情報技術講習会では、ネットワークによる自学自習のe-講習を6月21日からオープンし、その後でスクーリングを8月23日に東京と大阪で行う。e-講習は、所属大学または自宅からインターネットで本協会のサーバに接続いただき、利用認証を受けた上で、オンラインで日本電子計算株式会社のコンテンツサーバから講習を受けていただく。大学から接続する場合は、講習参加のための環境設定やトラブルへの対応、ソフトウェアの操作方法など支援の協力を利用者の大学から受けることを前提としている。教材は、三つのパターンから開発した。例えば、心理学の事例から、授業の効果、教材作成のための情報技術、情報環境などの解説を受けた上で、事例と同様のコンテンツ作りを学習する方法と、表やグラフ、画像を用いるなど教材のイメージを確定した上で情報技術を学習する方法と、画面に動きを付けるなど部分的に情報技術を学習する方法である。
授業情報技術講習会e-講習の教材イメージ
詳細は以下のページを参照
http://www.juce.jp/tech2004/gaiyou.html

4.教育研究情報の大学共同購入機構の発足

 経常費補助金の教育研究情報利用経費補助の中で、電子ジャーナル、データベース等の利用の普及を促進するため、大学連携による共同購入を組織化し、利用料金の低減化と利用条件の改善を図ることになった。そこで、私立大学によるコンソーシアムとして、「教育研究情報大学共同購入機構」を設立することになり、4月24日に30校程度幹事校会議を開催し、機構の性格、目的、運営などについて協議した。機構は、協会加盟・非加盟の区別なく参加を募集し、参加大学全体による全体会議をもって正式に発足することになり、7月に向け準備を始めている。既に活動している関係団体と可能な範囲で連携し、大学に有利な条件で共同購入できるよう、出版元と交渉することにしている。将来は、教育の基盤情報を安価に入手できることと、大学のスケールメリットを活用した教材開発が可能になると考えている。



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