特集 教育情報の公表

和洋女子大学の情報公開

飯渕 貞明(和洋女子大学 副学長)

1.誰に向かってどのような情報を公開するのか

 大学の情報公開は、大学ごとに少しずつ様子が違うでしょう。和洋女子大学は小規模の(在学生総数約2,500名)学士課程主体の女子大学で、歴史は長く(創立114年)、立地は東京に隣接した千葉県市川市です。このような背景を持った和洋の情報公開の対象は、在学生とその家族、卒業生とその周辺、4年生を受け入れてくれる組織(企業など)とその構成メンバー、これから入学してくる高校生とその家族や高校の先生方、それに税金(補助金)を負担してくれている社会一般の人々ということになるでしょう。
 ではどんな情報を公開すべきであるか。高校生や在学生とその周りの人々には、和洋はどんな人を受け入れたいと思っているか(いわゆるアドミッションポリシー)と、入った人をどのような人間に育てようとしているか(カリキュラムポリシー、教育目標)が重要な情報になるでしょう。その他に学費、学内施設、卒業生の就職状況も必要な情報です。
 卒業生には学群や学類の状況(学群・学類は学部・学科に相当)、教員の名前や業績の一覧、現在の就職状況などを知らせなければなりません。
 4年生を受け入れてくれる企業などには、和洋は4年間でどのような人間を育てるのかを分かりやすく示すことが重要です。納税で補助金を負担して下さった一般の方々には、そのお金の使い道と使った成果、つまり財務情報と、大学の社会貢献(就職状況、在学生の育つ姿、教員や施設による人的・物的貢献など)を示すことが必要です。

2.和洋女子大学の情報公開媒体

 和洋女子大学が外に向かって情報を発信する主な手段は、ホームページ(HP。広く社会全体を対象とする。英語ページあり)、学報WAYO ON(3回/年。在学生の家族・高校生・一般対象)、学生が編集する学内向け情報誌WM[わむ](2回/年。在学生対象)、アドミッションセンターが編集する大学案内(大学・大学院のことを広く社会に知らせる)・入試ガイド(受験生対象)・入学の手引き(合格者対象)・リーフレット(オープンキャンパス参加者対象)、学類が編集発行する英語・英文ニューズレター(英語・英文学類のニュース) 、雁鴻会書道展図録(日本文学・文化学類 書道コース学生の作品展図録)、「国際」ニュース(国際社会システム専修のニュース)、卒業制作作品集(服飾造形学類の図録)、生活環境NOW(生活環境学類のニュース)等があります。印刷物の発行総数は上の各種を合計して7万部強/年というところでしょう。

3.媒体は健全か

 では、現在の和洋女子大学の情報公開は、公開対象と情報内容の二つとも必要条件を満たしているでしょうか。少し自画自賛しますと、和洋のHPの情報公開ページはなかなか良くできています。トップページの左端の見つけやすい位置に[情報公表]ボタンがあって、そこをクリックすれば「建学の精神」から「財務情報」まで、本稿の最初に必要であると考えたすべての項目が一覧表として並んでいます。構造も項目から項目へ容易に行き来できるようになっています。情報内容も、伝えるべきすべての対象に必要十分な情報を公開していると考えていますがいかがでしょうか。
 学報は発行するたびに、在学生の家族に郵送していますし、時にはアンケートはがきも付けていますから、大学と在学生家族のコミュニケーションは、互いに煩わしくない程度にとれています。高校生に対してはHPや上述の印刷物(多くは高校へ郵送)、オープンキャンパスの展示で質量とも十分な情報が公開されています。
 こう考えてくると、現在やや手薄だと思われるのは、卒業生と企業を対象とした情報公開です。卒業生にも在学生と同じくらいの質と量の情報を発信する、企業にはこんな能力を持った学生が育っていますという情報を積極的に発信する、などを考えるのが今後の和洋の情報公開の課題でしょう。


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