大学教職員の職能開発No.4

平成23年度 教育改革ICT戦略大会 開催報告

 本大会は、教育の社会的責任を共通認識する中で、教育改革の基本問題、情報通信技術を活用した教育の政策、教育改善の工夫、情報教育の進め方、最新の情報技術及び情報環境など知識・理解を啓蒙・普及するため、講演、事例紹介、研究討議を通じて、大学教育が本来果たすべき機能や、人材育成に効果的な教育手法等の戦略について理解を深めることにしている。
 今年度は9月6日から8日までの3日間、アルカディア市ヶ谷で、「日本の大学教育機能を再考する」という開催テーマのもと、社会の信頼に応えられる人材育成を目指し、未来に向かって対応できる人材を育成していくための大学教育機能の本質について意識合わせを行うことをねらいとして、講演や討議テーマを設定した。3日間の参加者総数は、316名(136大学、14短期大学、賛助会員9社)で、昨年度より25名程少ない結果となった。
 初日の全体会は、向殿政男会長(明治大学)の開会挨拶の後、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の国の答申説明、大学に求められる人材育成や意識改革、教育改革に求められる大学運営のマネジメントに関する講演、日本学術会議における学士課程教育の分野別質保証の検討状況報告、本協会による産学連携による情報系人材の教育支援の取り組み紹介などを行い、大学の教育機能の全体像について情報の共有化を図った。2日目は分科会形式でのテーマ別自由討議を実施し、初日のテーマをもとにした教育現場の個別の課題として「A:未来に立ち向かう人材育成を目指した教育改善モデルの考察」、「B:学生による『教え合い』の学習支援」、「C:eポートフォリオによる振り返り学習の支援」、「D:『知のインフラ』多機能携帯端末の教育利用」の4テーマを設定して参加者を交えた討議を行い、問題の共有とその解決策の模索を行った。分科会終了後には、参加者のコミュニケーションの場として情報交流会も行った。3日目はA〜Eの五つの会場で、教育や支援環境へのICT活用について70件の公募による発表を同時進行で進めた。また、2日目の午後から3日目まで、大学・企業共同のICT導入・活用の紹介として、賛助会員の企業と導入大学が連携してポスターセッションを実施した。

第1日目(9月6日)

全体会

「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)説明」

文部科学省高等教育局私学助成課課長補佐(前大学振興課専門官) 喜久里 要 氏

 はじめに、近年の大学改革の流れとして「私立大学法改正(ガバナンス改革など)」から「学部・学科ごとの教育研究目的の明示」「シラバス・成績評価基準の明示」「FD(大学の教育力強化)」など大学のガバナンスの強化・確立に向けた取り組みや、「『学士力』の提示」「就業力」「教育情報の公表」など大学教育の出口保証に向けた取り組みについて紹介した後、中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方」(平成23年1月31日)について解説された。

 キャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性としては、自立した職業人の育成と学生の多様な職業教育ニーズへの対応を目指して実践的な職業教育の充実が必要であること、基盤となる能力・態度を育成する、幼児期の教育から高等教育までの発達段階に応じた体系的なキャリア教育が必要であることが提示され、後期中等教育におけるキャリア教育・職業教育推進のポイントも紹介された。
 大学・短期大学の設置基準が改定され、社会的・職業的自立を図るための教育プログラムが授業を通して開始されている中で、とりわけ、高等教育のキャリア教育・職業教育における「職業実践的な教育に特化した枠組みの構想」については、「新たな学校種の制度を創設するという方策」と、既存の高等教育機関において「新たな枠組みの趣旨をいかしていく方策」の検討が望まれることを指摘された。
 最後に、諸外国の取り組み事例として、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカを例に、各国では質保証システムの充実が進む中、近年、大学における職業に関連する規定等の整備が進んでいることが紹介された。
 新たな学校種の制度創設にあたっての検討課題については、「入学資格・修業年限」「教育課程、授業方法」「終了認定方法・卒業要件」「称号等、他の高等教育機関等との接続」「教員資格、教員組織等」「自己点検・評価、第三者評価」「名称、設置者」などの概要が紹介された。企業や職能団体との連携を前提とした、最新の実務知識・経験を教育の特徴としていることから、既設の大学・短期大学の教育目的との棲み分けが課題で、改めて新たな学校種との違いを明確にできるよう、文部科学省の高等教育政策の今後の展開を注意深く見つめつつ、新たな学校種の影響力も推し量り、組織改革として大学ガバナンスの見直しをはじめ、大学としての具体的な対応策の検討が急務となってきたことを認識した。

「未知の時代を生き抜く力を身につける高等教育のあり方」

学校法人慶應義塾学事顧問 安西 祐一郎 氏

 若い世代に未来を切り開いていく意欲と能力を獲得させるための教員の責務について提言された。大学教員が培ってきた知識と経験を次の世代に引き継ぎながら、「教員一人ひとりが教える時代」から「学生が自立して学べる高等教育への転換」をしていくこと、21世紀を生き抜く人材に必要な資質(「知・情・意の総合力」)の育み、プラットフォームである「デジタルやネットワークを活用した仕組み」などについて提言された。
 はじめに、「何故、今、日本の高等教育が心配なのか」、果たして今「日本では質の高い高等教育が進められているのか」との問題意識のもとで、1989年のベルリンの壁崩壊から2011年の日米欧経済危機・就職のグローバル化・中東・アフリカ政変に至る「世界潮流の変化と日本」、さらに「世界潮流の変化と人材育成」について解説された。日本が突き進んできた「追いつき追い越せ・大量生産・終身雇用・年功賃金国家の終焉」という観点から、今後日本が目指すべきものとして「アジア最初のイノベーション国家の実現」と、そのための個人の「知識・知恵」「就業力」「学習継続力」について語られた。
 予見不可能な時代の高等教育と日本の大学教育の責任として、「教養と社会正義」について考えることを支援し、横並び教育、楽勝科目教育、勉強しないマスプロ教育から「自分で伸びたい学生が伸びられる教育」への支援、「いつでもどこでも誰とでも教育」、さらに個人へのデジタル・ネット教育の導入推進への転換の必要性について解説された。

 これから21世紀を生き抜く若者達、高度成長期を知らない世代、90年代初期のバブル崩壊後の世代の行動パターンを把握し、未知の時代を生き抜く力「知・情・意の総合力」(知:教養力・思考力・知識力、情:他者との自分の心を感じる力、意:一貫性と柔軟)の育成と、人材育成に向けた教員の責任の意識、大学としての社会的責任に対する使命観について語られた。

「これからの大学マネジメント」

国際基督教大学理事長、中央教育審議会委員、日本アイ・ビー・エム株式会社最高顧問 北城 恪太郎 氏

 日本の人材育成の在り方をイノベーション(変革)するために、大学ガバナンスの観点から教育改革に求められる大学運営のマネジメント改革について、企業人の立場から省察された。
 はじめに、「持続可能な成長に向けた日本の課題(人口減少社会、危機的な財政、グローバル化、IT産業の課題など)」を踏まえ、新しいことへの挑戦、すなわち「イノベーション」への思いと人材育成について述べられた。
 イノベーション(「業界の常識を変える」「社会の仕組みを変える」)による新機軸を打ち出し、新たな価値を創造し、日本の強みをさらに強化すべきであると主張され、「自ら考え、課題を発見・抽出」「知識の活用、組合せ」「新しい価値の創出と実行力」を担う人材の育成、グローバル化の推進、人材の育成・確保の必要性が喫緊の課題であると解説された。
 グローバル化への課題(新・日本流経営の創造)については、民間企業における「目標による業績評価制度」と比較しながら、日本の大学の教員評価の難しさや欠点を改めて浮き彫りにされた。
 最後に、企業経営者から見た大学マネジメントについて、大学は多様なステークホルダーのニーズに応えつつ持続的な発展に努めていかなければならないが、既存の大学ガバナンスは内側の人のみで運用されていること、評価の公平さを欠いた大学マネジメントに危うさがあり、リスクの高い大学ガバナンスの現況を指摘された。そして、大学改革に向けた課題として、学長・総長の権限と選任、学部長の権限、教授会の在り方、教育に対する評価・処遇への反映等について言及された。
 今の大学にあっては、「個」としての学生だけではなく、人類や国家にどう貢献するかのミッションのもとで、建学当時の人々と同様の志や情熱を持って大学改革に取り組んでいく必要がある。そのためには、大学改革には産業界・経済界など社会とのつながりが不可欠であり、教授会自治による満場一致型の意思決定システムからの脱皮など、教員人事や大学経営の意思決定方法などの大学ガバナンスが大きく変わらなければ、真の大学改革とはならないことが確認できた。

「学士課程教育の分野別質保証―分野別の教育課程編成上の参照基―」

日本学術会議分野別質保証検討委員会委員長 北原 和夫 氏

 はじめに、大学教育の分野別質保証の在り方の審議の経緯として、平成20年5月に日本学術会議は文部科学省の依頼を受けて、大学教育の分野別質保証の在り方について審議をするため「大学教育の分野別質保証の在り方検討委員会」を設置し、その下で平成21年1月に「質保証枠組み検討分科会」「教養教育・共通教育検討分科会」「大学と職業との接続検討分科会」の三つの分科会を設置したことを説明された。
 学士課程教育の分野別質保証については、大学教育の目的が学術の継承から将来の職業人や市民として生きるための基礎・基本育成に変貌し、「協働する知性」を有して社会参画できる市民の形成にあることを強調された。一方で、世界の事象に関与のできるグローバルな視野を持つ人材育成も急務であり、多様化した世界の中で生きる21世紀型市民を形成するには、断片化した知の世界を再構築し、教育の質保証実現が不可欠であることを示された。教育の分野別質保証の本質は、教養と専門が有機的に一貫性を保持し、日々の教育がその人材育成目的に適合しているか否かの有用性を見定めることにあることが、改めて強調された。分野別の参照モデルの検討は、一部、言語・文学、法学や理工農分野で進められているが、なお時間がかかるとのことであった。
 最後に、北原氏の見解として、大学の使命には「学問の継承」、「学問の発展」、「学問の社会性」があり、教育の質保証を考査する上では、学問の内在性(intrinsic)から学問の連携や複合の社会性(socialization of learning)が必要であることが力説された。

「産学連携による情報系人材の教育支援」

公益社団法人 私立大学情報教育協会
情報教育研究委員会担当理事 向殿 政男 氏(明治大学理工学部教授)
情報専門教育分科会主査 大原 茂之 氏(東海大学専門職大学院 組込み技術研究科教授)

 産学連携の前提として大学と産業界の「立ち位置」を確かめる必要があることを強調された。その典型例は、大学と産業界に流れる時間の速度の違いであること、大学は最低7年間カリキュラムを変更できないが、企業は即戦力の人材育成が必要で、両者には時間感覚の相違があることを指摘された。また、グローバル化の時代のうねりは大学の経営基盤や戦略に影響を及ぼし、大学はその対応に迫られているが、短絡的に産業界の要請を受けて大学教育を職業教育に変えても、大学改革は進まない。

 本協会の「情報通信系教育における学習成果の到達目標」(下記)にあるように、国家を支える情報系の人材育成を効果的に行うためには、産学連携の相互のメリットを確認し、「大学と企業との人材育成に対知る役割分担」を理解して、具体的施策を話し合う必要性を認識した。また、教員は、情報系の人材育成が産業界・国の浮沈に係わる危機的な問題であり、かつ、産学の人材育成のミスマッチの被害者は学生であるという認識を持つことが大切で、企業との連携作業に積極的に関与すべきであることについても認識を深めた。
 向殿氏からは、本協会が産学連携の持続可能な仲介モデルの形成を構築し、実践するという社会的使命を有していることを示され、過去2回に亘る「産学連携人材ニーズ交流会」の活動とその経緯を説明し、今後の役割分担の具体的な内容について、本協会の提案をもとに討論し、進めていくことが確認された。

情報通信系教育における学習成果の到達目標
【到達目標1】 情報通信技術の基本原理およびその社会的価値について理解している。
【到達度】
一般レベル
1情報通信システムに関する歴史、役割、構造、構成要素などの変遷を理解している。
1情報通信システムが社会に提供しているシステム、情報通信システムを応用した製品やサービスなどについて、情報通信システムが提供する価値と共に理解している。
【到達度】
専門レベル
1情報通信システムの一般的な構成と機能について説明でき、基本的な業務との関係に対応させて説明できる。
1情報理論、通信理論、計算理論、制御理論、回路理論の概要について、すべて説明できることが望ましいが、少なくとも3項目以上は説明できる。
1情報処理技術、ネットワーク技術、コンピュータ、オペレーティングシステムについてその機能を具体的に説明できる。
1通信技術、マルチメディア、ユーザーインタフェース、計測、制御について、少なくとも2項目以上の機能を具体的に説明できる。
1特定の情報通信技術を応用したシステムに使用されている代表的な技術的要素の役割と機能について説明できる。
1複数の異なる基本的な技術的要素を組み合わせて、要求されたシステムの基本構造を検討することができる。
【到達目標2】 問題発見・解決のための基本的な論理思考を修得し、さらにその論理思考推進のために、情報通信技術を応用した情報ツール(基本的な可視化ツール、思考支援ツールなど)を利用することができる。
【到達度】
一般レベル
1対象の問題の発見、問題分析に応用できる論理的思考法を身につけ、その思考過程の表現と記録に情報ツールを活用できる。
1コンテンツ作成、プレゼンテーション、コミュニケーション、グループシスカッションなどに情報ツールを活用できる。
1表計算ソフト、統計データなど情報ツールで得られた結果の意味について説明できる。
【到達度】
専門レベル
1適切なシミュレーションツールを使って与えられたモデルの特性を解析することができる。
1適切なモデリングツールを用いて、簡単なモデルを作成しモデルを制御することができる。
1計測の原理を理解し、計測装置および情報ツールを使って必要なデータを計測および分析できる。
1多変量解析や特性要因図などの情報ツールについて、使用目的を説明できる、簡単な課題に応用できる。
1開発環境を用いて、簡単なシステム開発(ソフトウェアやプログラミングを含む)ができる。
【到達目標3】 情報通信技術を応用したシステムのライフサイクル(要件定義、設計、開発、構築、運用、保守)の概要を理解している。
【到達度】
一般レベル
1システム開発工程の必要性と簡単な構造について理解している。
1企業や社会の組織的活動の活動サイクルの概要と、その活動に価値を提供する情報通信システムのライフサイクルとの関係について、その概要を理解している。
【到達度】
専門レベル
1開発工程と開発環境の関係を理解し、開発環境を用いて簡単なシステムを構築することができる。
1安心で安全なシステムという品質保証を与える検証・テスト技術の重要性について理解し、開発環境を用いて簡単な検証・テスト作業を行うことができる。
1プロジェクト管理、品質管理、運用保守の重要性と業務の概要について理解している。
【到達目標4】 情報通信技術の利用を通じて、豊かな社会の実現を考えることができる。
【到達度】
一般レベル
1高度情報社会を構成する情報通信システムについてその利害得失を理解し、情報通信システムを扱う上での責任の重さを理解している。
1高度情報社会を構成する情報通信システムが、社会の安全・安心にどのような影響を与えるかその課題とあり方について説明できる。
1情報セキュリティを勘案して情報を取り扱う上での心得を身につけ、著作権法、個人情報保護法などの概要を理解し、情報倫理の意味について説明できる。
【到達度】
専門レベル
1高度情報社会に求められる安全・安心を実現するために情報通信システムに要求される事項を示すことができる。
1情報通信システムを設計開発する技術者に求められる職業倫理とは何かを理解している。
1情報セキュリティ技術の種類・形態について説明でき、簡単なシステム構成を示すことができる。
1高度情報社会を構成する情報通信システムが備えるべき機能安全について、国際標準を前提に説明できる。

第2日目(9月7日)

テーマ別自由討議

分科会A 未来に立ち向かう人材育成を目指した教育改善モデルの考察

<課題提起>

公益社団法人 私立大学情報教育協会

英語学教育FD/ICT活用研究委員会副委員長
田中 宏明 氏(京都学園大学経営学部長)
物理学教育FD/ICT活用研究委員会委員長
藤原 雅美 氏(日本大学工学部教授)
公益社団法人 私立大学情報教育協会
井端 正臣 事務局長

 本分科会は、初日の講演「未知の時代を生き抜く力を身に付けさせる高等教育の在り方」で挙げられた課題を実現するための提案として、本協会が現在まとめている分野別の教育改善モデルの一部を紹介し、本質的な学びを実現する授業を考察するとともに、参加者との意見交換を今後のモデルとりまとめの参考にすることを趣旨として企画した。
 まず、井端事務局長より、分野別教育における「学士力考察」について経緯や方針を説明された。現状では多くの分野で単位取得の試験対策に終始し、知識詰め込み型の暗記学習を誘発し、大学教育での学びが未来に立ち向っていくための能力を強く育むものとなっていない。「考える力」「知識・技能を活用する力」、「社会への関与の力」が備わらないで卒業する例が多くなっていることを憂い、若者が主体的に未来を切り開いていく「意欲」と「能力」を獲得できるよう、平成21年度より教育改善モデルを30の学問分野で研究を始めた。改善モデルの検討にあたっては、大学教育を進める上で障害となっている中学・高校教育での基礎学力の低下問題、就職活動の早期化による学習期間の短縮化問題などへの対応に改善が期待できる5年先を想定し、ICTの活用も含めた理想的な教育デザインを探求してきた。
 改善モデルの研究に際しては、1)ICTを活用した社会や世界の学識者と協力して学べるようにする工夫、2)教養と専門の統合を促進するとともに教員同士の連携によるチームティーチングの工夫、3)グループでの学び合いによる討論型学習と学習成果の社会への発信を通じた振り返り学習の工夫、4)基礎・基本の理解の定着化を図るための、授業終了後における教員連携によるWeb上での学習支援の導入、5)上級学年生によるネット上での学生目線での学びの相談・助言の支援、6)卒業時点での到達度評価システムとして学外教員、社会の専門家を交えた面接試験の導入などの仕組みを考えた。その上で、2年前に本協会で考察した「学士力」のモデルを実現するための授業モデルを探求し、教育問題の研究に関心のある教員(サイバーFD研究員)にネット上で分野別に意見を問い、再度見直しを行い、とりまとめを進めていると報告された。
 次に、英語教育と物理学教育の改善モデルついて、中間的な研究内容が委員会より紹介された。
 英語の改善モデルは、英語検定試験対策の学習ではなく、英語を手段としてコミュニケーションを行い、英語を用いて世界に関与できることを目指す授業デザインを探求した。短期間でなく4年間の学習期間を通じて、実践的な英語運用能力を実現するため、ICTを活用して他の授業科目との関係性の中で授業を組み立てることにするとともに、学びの成果を公表し、社会の意見を取り入れて振り返りを行う学習を提供することにした。
 物理学の改善モデルは、基礎基本の学びが専門分野を学ぶ上での基礎力として身に付いていないことから、4年間を通じて身につけられるように、初年次教育終了後もWeb上に学びの場を設け、学習ポートフォリオによる自己点検・評価を用いて、基礎担当教員と専門分野担当教員およびファシリテータが連携して、ネット上で学生の理解度に応じた学習支援を行うことで、物理学の推論や思考法が社会の至るところで活用されていることを目指すことにした。
 以上の紹介の後、全体討議を行ったところ、本協会での新しい教育方法への研究に多くの賛同を得られたことが確認された。また、平成24年には大学ガバナンスの関係者に向け、研究の成果を刊行物として出版すると報告され、教育改善に大学執行部が組織的に理解することが極めて重要であることが共通認識された。

分科会B 学生による「教え合い」の学習支援

<課題提起>

関西大学教育推進部助教
 千晶 氏
金沢工業大学環境・建築学部教授
鹿田 正昭 氏

 教える授業から学ぶ授業に転換するため、学生目線で教え合い、学び合う学習環境が不可欠となる。その一つの対策として学生同士による教え合いを大学として組織的に導入している大学の課題提起をもとに、ICTを利用した運営体制、研修など、大学としての関与の仕方を討議した。
 はじめに、関西大学より「初年時教育における学生と共同したアクティブ・ラーニングの展開」、金沢工業大学より「専門基礎の充実と学生による「教え合い」の学習支援」〜教育版CMR KIT BRAIN BANK〜が紹介された。
 関西大学からは、1)スタディスキルゼミの概要、2)LA(Learning Assistant)による活動、3)活動の評価、4)LAの育成、LAと共同した授業実践の仕組み、5)今後の展望などについて紹介された。「アクティブ・ラーニング」実現のため、平成20年度、初年次学生向けのPBL型科目を開設した。成果として、1)大規模私立大学におけるきめ細かい教育・学習環境の創出、2)学生と共同した学習環境の構築、3)教育の質を高める汎用性の高い実践モデルの構築などが挙げられた。
 金沢工業大学からは、学生が自主的・自発的に学べる環境の充実と教育を支援する組織の確立を目指し、平成19年度の現代GPに申請し、SNS機能を有している学生参加型学習支援システムである「専門基礎CRMシステム」を構築した。平成20年度は、試行運用を実施し、 21年度全学展開を実施した。その結果、表彰に値する学生が7名となり、22年度には40名となった。また、一部の教科において、本システムを利用した学生の平均得点が高くなるなど、効果が見られたことが報告された。
 課題提起後の討議の主な内容は以下の通りであった。
 運営体制について、関西大学は、LAは前年度の授業中に選択するか、授業支援SAが推薦する。ASは教育心理や教育工学専攻の大学院生が研究室から推薦される。1クラスは15〜20名で、LAは2名程度である。授業時間以外でのLAへの質問は、教育推進の部屋を利用するか、個別に対応している。金沢工業大学では、システムの運用はセンターが行っており、開発は専門教育部が外部委託で行った。運用の費用はセンター運営費で賄っている。データは基本的に残っているが、教員の希望、および学生の卒業により削除される。学生の回答はチューターが補足することはあるが、全く違っていることは今のところない。また、誹謗・中傷などは、事務的に管理しており、それほど酷いものはない。システムが全学的なので、専門の違う学生が教え合う具体例も紹介された。
 研修について、関西大学は、LAに対し教員によるOJT、「ラーニング・スキル研修会」の実施 、学期開始前に研修が行われる。大学の近くに合宿できる施設がありLAの合宿も行っており、旅費のみ支給している。金沢工業大学では、立ち上げ時に、委員の教員に3回実習を伴った研修を行ったことなどが説明された。
 課題提起や討議を通じて、教え合い教育の在り方がより明確になり、コミュニケーション活性化には奨励の仕組みが有効であること、LA導入には、ラーニング・スキル研修、ファシリテータ研修、教員のOJTが必要で、LAの発掘・雇用・育成や研修デザイン、教員OJTの支援を行うスタッフ、必要な情報・事例を学習環境に反映させる専任教員など、組織的な支援が必要であることが確認できた。

分科会C eポートフォリオによる振り返り学習の支援

<課題提起>

国際基督教大学副学長、総合学習センター長
日比谷 潤子 氏
慶應義塾大学教職課程センター准教授
竹村 英樹 氏
昭和大学歯学部准教授
片岡 竜太 氏

 学びの目標を学生に自己点検・確認させる一つの手段として、学びの成果を可視化するためのeポートフォリオの活用が進みつつある。しかしながら、現時点では学生が自主的に管理・点検することを期待する範囲に留まっている例が少なくない。そこで、本分科会では、教員が学生一人ひとりの課題と向き合い、組織的に学習指導、キャリア形成指導を行い、不足している能力を卒業までに身に付させるための振り返り学習の場を提供する仕組みとしてのeポートフォリオの活用可能性を考察した。
 本分科会のディスカッションを進めるために、国際基督教大学から「ICU-folio:導入の背景・現状と今後の展望」、慶應義塾大学から「eポートフォリオによる振り返り学習支援から慶應義塾大学教職課程の場合〜」、昭和大学から「医系総合大学における電子ポートフォリオシステムの構築とその活用」といった、実際にeポートフォリオを導入し、その活用を図られている3大学から課題提起があった。
 国際基督教大学では、2005年から2008年にかけて議論を重ねた教学改革において、学科制度を廃して教養学部一学部で受け入れることを決定した。これに伴い、学生は30余のメジャーから自分の学びを組み立てることが求められるようになり、eポートフォリオの導入が関連組織の支援との相乗効果の下で自発的学習者を育てることに役立てられていることなどが示された。
 慶應義塾大学では、7学部3キャンパスに分散する約1,000名の教職課程履修者を、7人の専任教員で担当している。分散するキャンパスに対し、学生のモチベーションを高く保った教育をどのように実現するかという議論の中で、「教職ログブック」と呼ばれるeポートフォリオが導入された。教職ログブックでは、教員による一方的な講義、評価に留まることのないネットワーク型教師教育を目指し、他者のレポートを評価することによる学生同士の学び合いを大切にしていることが報告された。
 昭和大学では、約600名の1年次学生が富士吉田で全寮生活を送った後、旗の台、洗足、長津田の3キャンパスに分散して学習を進めている。一方で、学部間連携を重視した実践的PBLを実施しており、教員による分散する拠点で学習する学生の学習、生活状況の履歴把握は欠かせない。また、2009年度には六つのドメインによる卒業生コンピテンシーを策定しており、この実現のために「学生に成長を気付かせながら」「到達方法を示す」ことにeポートフォリオが活用されていることが報告された。

 討議では、学生同士の学び合いの場の醸成がレポートの質の向上や振り返りの習慣化といった良い結果を見せていること、一方で、eポートフォリオの導入による教員の作業負荷の増大や、良いアドバイザーの養成に課題があることが示され、様々な工夫を伴ったeポートフォリオ導入が学習の場で確実に成果を上げつつあることが確認された。

分科会D 「知のインフラ」多機能携帯端末の教育利用

<課題提起>

青山学院大学社会情報学部准教授
宮治 裕 氏
横浜商科大学貿易・観光学科教授
小濱 哲 氏

 多機能な携帯端末の普及は、授業資料の配布・閲覧、授業映像の配信、授業時アンケートなど、様々な教育での利用の可能性が期待されている。本分科会では、多機能携帯端末の教育での新しい利用方法について考察した。まず、教育利用した試みとして2件の課題提起があった。
 青山学院大学社会情報学部からは、iPhoneを学生全員に配布して近未来のモバイルネットーワーク社会を疑似体験させる試みについて、報告された。学生時代に一般社会より少し進んだモバイル・ネットワークの世界を体験させ、その中でネットのビジネスモデルに対する疑問や意識を認識させようというのが、その狙いである。導入に先立ち、機器提供業者、通信業者と大学の3社で協定を締結した。大学が法人として契約し、学部生全員、専任教員、関連職員に配布し、iPhoneを所有することによって発生する費用は学部が負担し、学生が個人的に利用する分は学生が負担することとした。学生にとっては、授業での使用、学生同士の通話連絡が無料になり、またアプリケーションの購入、ケータイとしての利用、Web閲覧やメール端末としての利用などにも、料金は発生しない。むしろ、様々な利用・体験をさせることにより、ネット社会を疑似体験させることを目指した。このように日常的にiTuneストアやAppストアを実際に利用することにより、ネットのビジネスモデルに対する疑問や意識改革が起こるとともに、新しい機器への興味やネットサービスへの適応力を高めることができた。利用法としては、授業時における資料の配布閲覧や出席・アンケートの採取、およびE-Learningの活用がある。将来的にPC教室以外でのICT機器利用を定着させる方向で推進している。
 横浜商科大学観光学科では、学内のどこでもWiFiが使える環境を提供し、情報社会に馴染めるビジネスマンの育成を目指している。多機能携帯の構造や仕組みを理解させることよりも、与えられた機器に慣れ、それを使い込んでいくための能力をつけさせることを重視するという教育理念に基づいている。
 実際の講義やゼミでの活用としては、コミュニケーション能力の育成、クラウドサーバとの連携により学生自身の活動履歴の蓄積、e-Learning、フィールドワーク、就職活動などがある。e-Learningについては1年次の英語の講義、公務員試験対策講座、バリアフリーなまちづくり、という三つのコンテンツを提供し、単元テストなどにより達成度チェックを行っている。フィールドワークとしては、学科の特徴を生かして、「多機能端末による情報提供による観光者の誘導実験」を行った。多機能携帯端末の所有者に、高速道路のサービスエリアで地域の観光情報があることを伝え、その情報提供の効果を測定したものである。中央道の駒ケ岳SAと小黒川PAで紙ベースと多機能携帯端末の情報提供を行い、割引券やスタンプラリーを併用して、両方式の情報提供の効果を比較した。その結果、携帯端末によるものの方が、観光の滞在時間と消費金額の点で5割ほど効果があることがわかった。
 課題提起や討議を通じて、グループワークの演習授業だけではなく、授業外でコミュニケーションサービスを利用することにより、コミュニケーション能力を向上させるのに役立ったことが確認できた。

第3日目(9月8日)

大会発表

A−1 デジタルネイティブ世代を意識したICT教育カリキュラムの提案
嘉悦大学 遠山 緑生、白鳥 成彦、木幡 敬史、和泉 徹彦、田尻慎太郎

 デジタルネイティブ世代は機器利用という面からのICT利用には長けているが、コミュニケーションスキルという面では課題が多い。そこで、学生自身がノートPCを個人管理(学習成果の分析、グループ学習での利用など)し、その成果の測定という面からの個人分析を目指している。

A−2 eラーニング,PBL,ケースメソッドに よるクリエイティブ教育の取り組み
北海道情報大学 安田 光孝、向田 茂、斉藤 一

 プロデューサー指向のクリーエータ育成を目指しているが、入学生のレベルがバラバラで、その中で専門学校との差別化にも取り組む必要がある。ICTのCスキル改善のために対面授業での形式知を実践し、実習講義では地元企業の案件をリアル型PBL教材として実習に取り入れている。

A−3 ソーシャルメディアに関する授業の取り組み
北海道工業大学 藤田 勝康、獅子原学

 50名の学生に、授業でのiPad利用、また学外でのiPad利用のために必要なアプリ利用(G-mail, Googleカレンダー、Dropbox、Evernote、Moodle)を実施した。学生には利用を通して、ソーシャルメディアの理解や活用から得られた成果について報告させ、利用効果を分析する。

A−4 国際ビジネスゲームに参加する留学生サポートのあり方について
大阪国際大学 韓 尚秀、田窪 美葉、市川 直樹

 韓国、台湾、中国からの留学生と日本人学生による経営教育総まとめとしてのビジネスゲーム(オンライン上の仮想の会社の模擬株主総会)では、学生の日本語能力に格差がある。そのため、Moodle利用で、多言語字幕付き動画処理により語学力でのハンディ解消に取り組んでいる。

A−5 iPadによるプレゼンテーションスキルの養成
大谷大学 高橋 真、柴田みゆき、三宅伸一郎、釆 睾晃、池田 佳和

 iPad利用により、学生間でのプレゼンテーションスキルとキャリア就業能力の格差是正を目指す。そのために学生相互間での評価、学内でのプレゼンコンペなどによる双方向コミュニケーションの実践が効果的で、iPad経由で種々のツール利用(ツイッターなど)も有効な手段である。

A−6 実習型授業における学びを支援するための学生フィードバック分析手法とその検証
愛知教育大学
鎌田 敏之
法政大学
児玉 靖司

 Moodle利用でのプログラミング実習(13名)で、学習者からのフィードバック分析をテキストマイニング手法により実践した。この手法での結果視覚化は受講者の心的内容を十分に表現していると読み取れ、授業者には有効な方法であったが、大人数への適用には検討が必要である。

A−7 相続を例にしたRubyによる法学教育の可能性の考察
大阪国際大学 石川 高行

 法学教育で多く利用されてきたプログラミング言語Prologではなく、object指向言語であるRubyを用いて相続分野での授業実践を試みた。学習者は相続問題でのプログラム作成ではRSpec による実行結果表示により、program作成過程での数値などのより内包的な記述も確認できる。

A−8 イメージ化を取り入れた数学の授業に対する検証と発展
日本大学 山本 修一

 Mathematica活用で、高校の数学教員や大学高学年の数学の授業での「数学のイメージ化」を、数式表現や解の挙動のアニメーション利用により実践した。授業後のアンケートでは、大学生の数学への理解は深まったが、高校での実用化には大学受験対策が障壁であることが分かった。

A−9 Moodleを利用した外国語授業用ビデオ教材の開発
成蹊大学
里村 和秋
南山大学
オリファ・バイアライン

 Moodleを利用して、初習外国語授業(ドイツ語)を受講する学生向けの自習可能な語学講座を開発した。これを日本人学生と外国人学生に利用させるためにブレンディド・ラーニングの動画・音声教材を作成し、実際に名古屋、東京、沖縄、ドイツの学生に使わせて、それらの教材の評価を行った。

A−10 薬剤師国家試験対策ソフト「Mentor_II」の試作
帝京平成大学
齋藤 充生、平 郁子、藤乘 敬裕、山崎 健司、吉水 浩史、松田 愛美、柴崎恵里花、石井 竹夫、林 譲
環境未来株式会社
頭島 武

 Microsoft社のVisual Studio 2010を用い、Silverlight4により制作した薬剤師国家試験問題を効率的に学習するためのWeb上で作動するビデオゲーム「Mentor_II」α版を試作し、薬学生を対象に試用を行い、学習時間の記録、学習曲線の取得、ゲームに関する改善意見等の収集を行った。

A−11 看護技術における手技内容の比較および学生参加を意識した視覚化教材の作成
東京医療保健大学
島田多佳子、山根 美保、伊藤 綾子、横山 美樹、駿河絵里子、中村 雅子、富田 倫子

 看護技術の中でも「導尿」や「浣腸」は、清潔レベルは異なるものの、類似した種類の物品を用いて体内に挿入する手技である。この手技に対して学生の動機付けを促し、認識的な相違を意識して繰り返し手技を練習し習得できる静止画像と質問形式の内容を盛り込んだ教材の作成について報告した。

A−12 電子書籍形式のテキスト制作と配布〜技術検証とモデル化、実践
実践女子大学 犬塚潤一郎

 PC、ipad/iPhoneやandroid端末などが普及し、授業での教科書や参考文献などを電子書籍として提供することが現実的となってきたが、課題は電子化に伴うコストを小さくできるか、電子化の利点を引き出せるかであり、新しいメディアに合わせた教材作成方法の開発を試行した。

A−13 大学の地域貢献のためのICT活用事例の紹介
石巻専修大学 工藤すばる、佐々木慶文、川村 暁、原口 和也

 大学の地域社会への貢献として、教育連携分野でサテライトキャンパスや特別授業、支援授業など地域のICT活用能力の向上を目的として開発した1)現代の寺子屋、石巻専修大学の独創塾(小学生)、2)家族とつくろう思い出のデジタル写真集、3)高大連携特別授業の教材について紹介した。

A−14 大学連携によるIT腫瘍学教材の開発と利用
東京慈恵会医科大学
柵山 年和、塩原 憲治、小松 一祐
昭和大学
佐藤 温
東京医科大学
泉 美貴
東邦大学
菊池 由宣

 昭和大学・東京医科大学・東邦大学・東京慈恵会医科大学で新しい「腫瘍学」の電子教材を共同開発し、医学科学生教育に活用していくこととした。内容は腫瘍学に関係する放射線画像、病理画像、検査データ等を素材として、12の症例別に治療経過を観察する形式で教材開発した。

B−1 eポートフォリオと意味ネットワーク作成支援技術を併用した学生参加型問題解決授業
富山大学 竹村 哲

 組織マネージメント論で、ワークショップを通して意味ネットワーク図解システムとeポートフォリオを併用した。そこからアメニテイ協創の認識を深めさせ、段階的な意見交換に伴う問題意識の拡大と、価値判断意識への推移プロセスにより、組織として合意出来る領域の共有化を図った。

B−2 振り返りに着目したキャンパスキャリアeポートフォリオの運用
甲子園大学 梶木 克則、西川真理子、若槻 健、増田 将伸、石川 朝子

 振り返りをeポートフォリオに蓄積することで、情報を簡単に参照できるようになる。1週の振り返りの入力フォーマットを複数ページからなるPDFファイルとし、半期分の内容は、検索で簡単に見つけ出すことができるようにした。教員のコメントも見やすい位置に貼付けるようにした。

B−3 ポートフォリオを用いた3,4年生ゼミ指導
広島女学院大学 中田美喜子

 ポートフォリオを利用したゼミ指導で、自宅学習と大学での学習の連動もスムーズにできる可能性がある。個別のファイルによる指導によって、個別の学生の蓄積を学生も教員も共に見ることができ、体系的に整理しながら指導が可能になると思われる。メールによる指導での補完となっている。

B−4 学生情報システムの展開によるキャリア教育支援の深度化
中村学園大学短期大学部 梶田 鈴子、清水 誠、酒見 康廣

 キャリア教育支援で、様々な情報が教職員間で共有できることにより、充実した学生支援が行えるようになった。蓄積されたデータの分析結果を各学科のキャリア教育にフィードバックすることで、教育課程の編成や学生指導等の教育改善、就職情報の提示による支援機能が充実した。

B−5 就業力の育成を見据えた自己評価機能を持つCMSの開発
千歳科学技術大学 山川 広人、立野 仁、小松川 浩

 就業力育成のために、様々なICTシステムを導入し、千歳科学技術大学が定義した就業力の項目(コミュニケーション能力、情報リテラシー能力、論理的思考力、チームワークなど)について、5段階評価を行えるようにした。評価は学部1〜3年生の「就業力育成講座」で活用している。

B−6 新入生にLMS利用の経験機会を提供する入学前課題の実施について
大阪学院大学 中嶌 康二、宮原 秀明、金崎 暁子、松尾 修、白川 雄三

 入学前の学生への課題について、ICTツールを活用して「1週間の自学自習」環境を創出した昨年度からさらに推し進めたのが今回の「入学前課題」である。入学前の不安を払拭して入学後の学生生活への期待と学習意欲を目指した結果、実施率の向上と学習意欲の喚起を導けた。

B−7 ブレンディットラーニングによる入学前教育の取り組み
中村学園大学短期大学部 松尾 智則、橋本 弘治、小川 和子

 アンケート結果では、数学力が著しく低下している実態が明らかになった。入学予定高校生の学習習慣の維持については、高校生たちの努力を最後まで促すことができた。ICT導入により、学生との関係形成や実態把握など入学後の指導の為に入学前教育を充実させて行こうとしている。

B−8 マルチメディア・コンテンツを活用した入学準備教育における出題方法の改善効果 と情報教育科目の評価
拓殖大学北海道短期大学
庄内 慶一、杉本 雅彦、小林 秀高、藤田 守、小滝 聰
小山工業高等専門学校
石原 学

 入学前教育の受講生が入学後の「情報教育」科目において、学習習慣を維持していることを確認した。マルチメディア・コンテンツを活用して出題方法を改善したことにより、受講生は入学後の「情報教育」において昨年度の受講生と比べて学習習慣が高くなっていることが確認できた。

B−9 オンライン大学におけるリメディアル教育の取り組み
サイバー大学 松田 健、小泉 大城、中谷 祐介、船水 祐輔、川原 洋

 完全通信制におけるリメディアル教育の取組の事例である。英語、情報基礎、数学の3分野においてリメディアル教育を実施しているが、なかでも数学について社会人学生の関心とニーズに合わせて、独自のオンライン・コンテンツを用意し、効果を上げている。

B−10 eラーニングによるリメディアル学習と効果測定の取組み
桜美林大学 有賀 清一、本郷優紀子

 eラーニングによるリメディアル学習の事例である。効果的な自修システムの構築のために顔・音声認証システムを導入し、また数学教育において小・中学の学習内容を習得する独自のドリル式コンテンツを用意してリメディアル教育の効果を上げようと努めている。

B−11 個別指導機能を持ったリメデリアルサイトの構築
帝京平成大学 小林 郁夫、長尾 邦彦、松村 紀明、仲井、克己

 看護系のリメディアル教育として携帯アプリを利用した教材開発を行ってきたが、今年度はWebアプリケーションへと発展させた。あらゆる情報端末から教材を活用できるようになり、さらに学習履歴の記録により、またメール機能によって、学生の学習指導にも活用可能となった。

B−12 パラグラフ・ライティング評価の自動化の試み
玉川大学 和高 慶夫

 レポート教育の手法としてパラグラフ・ライティングは有効であるが、このパラグラフ・ライティングの自動評価システムの開発の試みである。評価の枠組みとして3段落形式、3段落の割合、文字数、文体等の共通基準により自動評価を行う。評価負担の軽減、学習意欲の向上の効果が期待される。

B−13 Mahalanobis-Taguchi法による新たな医学部成績評価法の検討
東京慈恵会医科大学
中島 尚登、木村 直史、長澤、薫子、安部 一之、横田 邦信、高木 一郎、上竹慎一郎、松平 浩、伊藤 周二
日本大学
矢野 耕也

 医学部の国家試験に対応した進級試験の成績評価方法に関する報告である。従来の各科目の加算方式に代わるものとして、総合的かつ科目間の関連性を考慮した評価を可能とするMahalanobis-Taguchi法を試みている。その成果を通して、より正確な評価方法の確立を目指している。

B−14 情報基礎教育のオンライン・プレースメントテストと受講生の自己評価回答について
関西国際大学 山下 泰生、陳 那森、窪田八洲洋

 初年次にレベル別に情報基礎教育を行うために、WBTオンラインでプレースメントテストを実施してきたが、授業の終了時に同じ問題と授業の進度とレベルに関して主観的評価を行った結果、クラス編成について妥当性が確認された。さらに今後標準的評価指標を開発する予定である。

C−1 コラボレーション・サイトとオンライン・ビデオ講義を活用した自学自習支援の実践と評価
東京工科大学 飯沼 瑞穂、中村太戯留、板宮 朋基、千代倉弘明

 コラボレーション・サイト(Microsoft Sharepoint)上に事前に録画をしたビデオ講義公開し、それをもとにオンライン上でディスカッションすることを受講生に求めた。アンケート調査のワークシートの活用がビデオ講義の閲覧に際に役だっていることがわかった。

C−2 iPadを活用した会計教育におけるモバイルラーニングの実践
関西大学 岩ア 千晶、川上 智子、乙政 正太、西岡 健一、岡本真由美、小野 善生、鈴木 政史、柴 健次、冬木 正彦

 スマートフォンで動作するサーバ連動型テスト提示アプリケーション(Handbook)を用い、学習者自身による問題作成(リーダシップ論、ビジネス英語、会計学の基礎)および教員による問題作成(会計学応用分野)を伴う授業(モバイルラーニング)を設計した。

C−3 eラーニングの教育効果に関する研究
東洋大学
児玉 俊介、東 晋司、佐藤 崇、澤口 隆
早稲田大学
巽 靖昭

 SATT社のオープンソースLMS「Attain3」を用いドリル型eラーニングシステムTEESを開発した。TEES利用者は定期試験の得点が高かった。一方、成績下位層ではTEESを利用するものが少なく、この層のTEESの利用を促すことが課題である。

C−4 英語e-learning教材で授業外自習を増やす試み
北海道医療大学 松本由起子

 市販されているTOEIC対策用e-Learning教材を自習教材として学生に提供した。当該教材を利用することにより試験の有意に成績は上昇した。一方で、アンケートの結果学生が客観的な得点の伸びより自分の払った努力に対する成果を重視していることがわかった。

C−5 LMS(moodle)を用いた問題演習 〜自習促進の試み
北海道薬科大学 大野 裕昭

 定員約50名の3年次の演習の一部でMoodleを試用した。基本的なMoodleの操作に関しては半数以上がすぐに理解できたが、Wiki機能に関してはハードルが高かった。必要に応じてメールあるいはフォーラムを介して指導できることは、優れたツールであると思われる。

C−6 LMSを利用した基礎演習実践報告
北海学園大学 上野 之江

 新入生を対象とした「基礎演習」で学内LMS掲示板を活用した。自己紹介により自然なコミュニケーションが自発的にクラス内に生まれた。グループ発表のテーマ決めの際も内容がより深まった。学生の反応は良好だが、キーボードスキルの低い学生の支援が今後の課題である。

C−7 LMS(μCam)による最新ニュースを駆使した双方向性授業の展開
武庫川女子大学 河内鏡太郎、岡田由紀子

 LMS(μCam)の課題機能を授業「ジャーナリズムとキャリア」、「アウシュビッツ 戦争と女性」で活用した。それぞれ毎週90通のレポートが提出され、そのレポートに毎回採点とフィードバック(1通あたり6分の作業量)を行うことにより双方向性を確立させることができた。

C−8 携帯電話・スマートフォンによる学生の安否確認が可能な学習・授業支援システムの導入
獨協医科大学 坂田 信裕、山下 真幸、古市 照人、水沼 久夫、蓼沼 隆、冨士山千晶、梅村 博子

 LMSに災害時等に携帯電話やスマートフォンを介して安否確認が可能な機能を追加した。LMS未使用の学生に対しても、試験運用において本機能によるアンケートの回答率は既に利用している学生と同等であった。携帯電話のメールアドレスの未登録者を少なくすることが課題である。

C−9 講義映像と関連情報の連携による復習支援システムに関する研究
東京工科大学 中村太戯留、板宮 朋基、飯沼 瑞穂、千代倉弘明

 インデックス、講義ノート、関連リンクを付加し、単なるビデオの閲覧にとどまらず、知の再編成を促す復習支援システムについて報告された。具体的な復習方法を示すことで、学生の復習意欲が増加する可能性が示された。

C−10 プロジェクトマネジメント学習に向けたクラウドの活用
九州情報大学 岸川 洋、合田 和正、平田 毅

 クラウド上にファイルを置き、このファイルに同時に複数がアクセスしプロジェクトマネジメント学習を行う試みについて報告された。書き込み時にアプリケーションの動作が遅くなる、学生からの書き込み制限の設定、変更履歴機能等に現在のところ若干問題があるが、学習システムとしての可能性が示された。

C−11 Twitterを用いた動機付けの維持・向上を目的とする授業支援システム
大阪電気通信大学 久松 潤之

 Twitterの機能を使った授業支援システムについて報告された。履修者は、発現により、他の履修者の状況が把握でき、集中力が維持できるようになった。また、演習者の発言を即すためにbotにより様々な発言を時刻ごとに発することで、履修者の発言に対する敷居を下げることが可能となった。

C−12 バーチャルスライドを中心とした総合的学習ツールの開発
岩手医科大学 澤井 高志、三浦 康宏、鎌滝 章央、松村 翼

 バーチャルスライドを使った病理学学習ツールについて報告された。医療の現場では、病理組織の顕微鏡観察結果から診断を下さなければならない場合が多々あるが、顕微鏡を使用しての教育には、限界がある。顕微鏡の代わりにバーチャルスライドを使用することで、効率の良い学習が可能となった。

C−13 地域医療コースにおける「実習ノートシステム」導入の取り組み
明治薬科大学 宮沢 伸介、石橋 芳雄

 薬学部学生の薬局での実習における、教員、薬剤師、学生三者間での情報共有の試みについて報告された。この「実習ノートシステム」は、概ね成果を上げたが、三者のICTスキルの違いによりシステムへのコミットメントが異なるとの問題も生じた。

C−14 OSSを活用したICTリテラシー教育と専門教育の質向上の試み
東海大学 田中 真

 現在使われている、種々のOpen source software(OSS)を比較検討した結果が報告された。使用目的によりOSSを使い分ける必要があり、今後のe-Learningシステムとしては、Sakaiが、ゼミナールの様な専門科目に対してはRedmineが有用との結論に至った。また、e-Porfolioの定義についても提案が有った。

D−1 複数Moodleの統合と全学導入環境の構築に向けての取り組み
広島修道大学 有田真理子、竹井 光子、岡田あずさ、大澤 真也、中西 大輔、土岸真由美

 学内で別々に導入された三つのMoodleが存在し、混乱が生じていたので、それを一つに統合した。また、それに伴い学生データなどの事前登録を行うようにしたところ、初回アクセスへのハードルが低くなり、利用促進に効果的であった。現在の運用は有志で行っているが、組織的運用への移行が課題である。

D−2 CEAS/Sakai導入から運用までの全学的な取り組みについて
畿央大学 大山 章博、福森 貢、石橋 弘之、関 大治郎

 平成23年4月にCEAS/Sakaiを全学的に導入した。前期授業では、約100人中82人の教員が利用した。学生のアクセスパターンからは、予習や復習に利用していることが読み取れる。なお、前期はCEASの機能の利用が主体であり、Sakaiの活用はこれからになる。

D−3 クラウド環境上の仮想化デスクトップによるeラーニングシステム
サイバー大学
小泉 大城、近藤 知子、梅澤 克之、平澤 茂一
会津大学短期大学部
中澤 真

 仮想化デスクトップを用いてeラーニングを行った場合の操作性と通信品質の関係を検討した。有線イーサネット接続のPCと、3G携帯回線接続のタブレットを用いて、文書作成や動画視聴などのユーザビリティ評価実験を行い、ユーザビリティが通信品質に依存することが確認できた。

D−4 震災後の特異な学習環境克服を指向した可搬型 IT機器による会計学基礎学習とその効果
石巻専修大学 川村 暁、岡野 知子

 東日本大震災により講義時間が不足するため、それを補うために通学時間などに学習できるよう、携帯電話などの可搬型IT機器でアクセスできる基本問題の反復学習教材を作成した。学生のアクセスパターンからは、通学時間中の予習や復習に活用されていることが読み取れる。

D−5 iPadの教育的な利活用
名古屋文理大学 長谷川 旭、佐原 理、山住 富也

 全学生にiPadを配布したことの効果について報告する。教材デジタル化、SNS利用、電子書籍利用、学生によるアプリ開発などの事例がある。アンケートでは満足度は非常に高く、コミュニケーションの機会が増えたという回答が多い。また、紙、携帯電話、ノートPCなどを置き換えるものではないことも示唆される。

D−6 Webカメラシステムを利用した遠隔キャンパスの授業フォロー〜実験導入〜
三重中京大学 岡田 良明

 遠隔キャンパスでPC実習を欠席した学生をフォローするため、Web会議で接続するシステムの構築を行った。Webカメラを利用することで、教員と学生のアイコンタクトが実現でき、理解度が深まると考えられる。また、もう一台のPCはリモートアシスタンス機能で教員側からコントロールできるようにした。

D−7 遠隔共同ゼミによるネットショップ開発の成果と課題
京都女子大学
水野 義之、鈴木 直子
東京電機大学
鶴田 節夫、坂井 貴彦、井戸 雄太

 香水のネットショップの開発を教育素材として、情報システム開発を東京電機大学、要件定義や評価を京都女子大学で行う遠隔合同ゼミを行った。両ゼミの打ち合わせにはSkype、ECサイト作成にはECCUBEを使用した。結果として、アンケート実施やサイト構築で成果が得られたが、改善の余地もある。

D−8 他キャンパスからの遠隔操作が可能な画面合成型講義録画システム
東京工科大学 板宮 朋基、飯沼 瑞穂、千代倉弘明

 講義録画において、教室に設置したカメラの操作を遠隔で行い、現場にスタッフを必要としないシステムを構築した。録画や遠隔コントロールにフリーソフトを用い、高画質低コストが特徴である。春学期に2科目の授業録画を別キャンパスのスタッフが行い、他の業務も並行して行えた。

D−9 Webデザイン特別プログラムにおけるバックアップ兼Webサーバシステムについて
静岡理工科大学 幸谷 智紀

 自学自習を基本としたPBL「Webデザイン特別プログラム」を実施している。2年生を対象とし、通年週2日6コマを費やして各人が独自のWebショッピングサイトを構築する。本PBLにより、Windows上のローカルな環境とは異なるOS上で同じWebサイトが運営できることや外部公開の手順等を学ぶことができる。

D−10 バーチャルスライドを利用したWEB会議システムの開発
岩手医科大学 松村 翼、三浦 康宏、鎌滝 章央、澤井 高志

 本研究では、WEBカメラマイクを利用して、ネットワーク上でバーチャルスライドを観察しながらカンファランスを行うことが可能な遠隔システムを開発し、その基本機能を検証した。本システムは、学生教育はもちろん研修医や生涯教育として医師の勉強にも役立つシステムであることが示された。

D−11 情報教育支援システムのWeb試作
戸板女子短期大学
佐久間貴士
立正大学
小堺 光芳、山下 倫範

 大学生のITリテラシーの二極化が進む一方で、より高度なITリテラシーの能力が学生・社会人に求められるようになりつつある。本システムは、Web環境を利用した学生による自習(復習中心)を可能にし、基礎情報教育科目における修得度の低い学生のボトムアップを目的として開発された。

D−12 インタラクティブメディア制作・評価による論理的思考能力育成の実践
稲置学園
二口 聡、井上 清一、森 俊也
金沢星稜大学
岡部 昌樹

 本研究では、メディア系科目においてインタラクティブメディアの評価を通した論理的思考能力の育成について検討を行った。静止画や動画といった従来のメディアに加え、ゲーム等のインタラクティブメディアの構造解析を行うことにより、学生の論理的な思考能力の育成が図られた。

D−13 動画共有サイトの利用により他者を意識した映像作品制作を目指した授業の実践
北星学園大学 金子 大輔

 本研究では、映像の作成を通じて、映像リテラシーを獲得できる授業を実践した。映像を制作する技能の獲得だけを考慮するのではなく、グループでの協調作業や受講者同士の相互評価等を導入することで、他者を意識した映像の制作環境を目指し、制作した作品はYouTubeで公開した。

D−14 「IT社会のための情報音楽Web博物館」プロジェクト
大阪芸術大学 石上 和也、泉川 秀文、志村 哲

 「IT社会のための情報音楽Web博物館」プロジェクトを推進している。受講生は、情報科学的手法による音楽分析の方法、獲得した知識の整理や体系化の能力を身につけられ、また各自が主体的に関わる音楽実践によって社会との関わり等を考えるきっかけとなっている。

E−1 資格取得を学習の動機づけとして利用した情報リテラシー教育のパッケージ化のメリット
神戸海星女子学院大学 樋口 勝一

 情報リテラシーの授業で試験的にパッケージ化を実施したところ、財政的効果(人件費削減、資格検定実施手数料収入)と担当教員が授業に専念できるという効果を得ることがき、学生にも内容・計画・評価が明確であるという効果が期待できるため、今年度、本格的にパッケージ化を実施することにした。

E−2 全学基礎教養教育科目「情報リテラシー」再構成の試み
江戸川大学 波多野和彦、中村 佐里、廣田 有里、宮崎 孝治

 全学の基礎教養教育科目「情報リテラシー」にかかわる内容とその実施方法等を再整理し、各目標に合わせて素材選び、課題選定を行い、カリキュラムの見直しを行った。また、全学生に貸与しているノートPCの操作方法にかかわる事前の講習会との連携も図った。

E−3 全学導入の初年次情報科目:検定対策から情報リテラシー指導への転換
広島修道大学 竹井 光子、記谷 康之、脇谷 直子

 全学共通の1年次必修科目「情報処理入門」について、他科目で活用できる知識や技能の習得をねらいとして、従来より行ってきた検定対策中心の内容から情報リテラシー指導を重視する内容へと転換を図り、学内で提供されているオンライン上のサービスやeラーニング利用の牽引的な指導をすることを目指した。

E−4 PDFとmoodleを融合したシラバスの電子化の試み
日本大学 仲村 洋之、藤田 之彦、橋本 修

 従来のシラバス(紙媒体)との親和性の向上、オンラインとオフラインの両立、費用対効果の向上を目的に、新しい電子シラバスシステムを構築しだ。管理システムはmoodleを利用し、各学年の学習要項など登録情報をPDF形式で保存した。

E−5 履修支援機能を持つウェブシラバスシステムをGUIで自動構築するソフトウェアの開発
活水女子大学 川場 隆

 高機能を持ちながらソフトウェアの改訂が必要ない、汎用型のウェブシラバスシステム構築のソフトウェアを開発した。シラバススキーマの概念を体系化し、シラバス記述用マークアップ言語SML(Syllabus object Markup Language)を開発し、SMLベースでのシラバス作成、蓄積、検索を可能にした。

E−6 情報教育におけるARおよび3D立体画像表示システムの利用
東海大学 坂田 圭司、高橋 隆男

 既存のPC用入出力装置に加え、3D立体画像表示システムを用いることで、受講者の対象物への臨場感を向上させ、AR(拡張現実感)を用いて、情報教育や理工系教育における立体物や空間把握能力の理解度向上を目指した。

E−7 ユーザーレベルに合致した自動的なインターフェース提供の検討
日本女子大学 加々見薫、吉井 彰

 自動的に、ユーザーのコンピュータ操作レベルを判断し、各々のユーザーレベルに合致したインターフェースを提供することを目的とした情報教育用学習システムの実験的検討と試験的使用を試みである。

E−8 一斉授業方式によるLAN管理実習教育の試み
千葉工業大学 中川 泰宏、須田 宇宙、浮貝 雅裕

 多人数を対象にしたLAN管理学習の取り組みで、個々の学習者が管理者としてサブドメイン全体を構築できることを目的に、学習者それぞれがサブドメインを携帯し、LANの学習へと発展させていくものである。

E−9 UMLによるモデリングおよびオブジェクト指向分析・設計試論
城西大学 加藤 武信

 文系の学生に対して下流プログラミング言語から出発して、オブジェクト指向技術を実装するプロセスを修得させることは容易ではない。そこで、UMLによる出席・課題提出管理システムのモデリングをケーススタディとして取り上げ、大学での情報教育レベルを高めることを行った。

E−10 自己表現力と問題解決力の向上を目指したプログラム作品の制作とその展開
兵庫大学 森下 博

 C言語とグラフィクスライブラリにより作成したユーザインターフェースを用いて、ゼミ形式によりソフトウェア作成や問題解決のための思考力の涵養を行った。課題としては白画面から情報提示ボードを築き上げることを選び、学生の自己表現意欲の向上を感じ取ることができた。

E−11 情報系学科における初年次プログラミング教育の新しい試み
法政大学 伊藤 克亘、佐々木 晃

 初年次におけるプログラミン導入科目において、分科教材に基づく豊富な課題の提供、予習課題と事後評価の強化による学生の理解度の把握、厳密なMinimum Requirementの3点を主要項目とし、低位層の底上げと上位層の満足度の向上の両方を目指して効果を得た。

E−12 Webを利用したCG重視のプログラミング教育支援システムの開発
いわき明星大学 高山 文雄

 全入時代においては教え込み型授業では最新のプログラミングを十分に習得させることは難しい。そこで、CGやアニメーションを容易に実現できる言語であるprocessingを用いた小クラスにより、CG重視のプログラミング科目を設定して学生の興味を高めることができた。

E−13 自宅PCの活用を想定したプログラミング初学時の自学自習支援に関する試み
千葉工業大学 浮貝 雅裕、山崎 治、中川 泰宏

 プログラミング初学時の理解度向上を目指して、自宅PCを活用させるための支援を行った。方法としては大学と同じ仮想計算機(OSはOpenSUSE)をPC上に構成することであり、十分なリソースを有するPCの場合には効果的であり、自宅学習の機会を増やすことができた。

E−14 二足歩行ロボットを活用したプログラミング学習教材の開発
大阪国際大学 岡本 容典、安達 康生、矢島 彰、石川 高行

 ものづくり合宿という行事を設定してロボットカーや二足歩行ロボットの組み立てとコンペティションを行い、通常の講義時間内では取り組めないような長時間の製作時間を要する課題を与えた。これにより、学生の興味を高め、ハードとソフトの密接な関連を理解させることができた。

文責:教育改革ICT戦略大会運営委員会


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