新しい学びの扉

無料オンライン授業の衝撃と学びの革命

金成 隆一(朝日新聞社 大阪本社編集局社会部記者教育担当)

1.はじめに

 2012年、米国で大規模公開オンライン講座(MOOC: Massive Open Online Courses、通称ムーク)を提供するプラットフォームが三つ相次いで誕生した。世界のどこにいても、ネットにさえつながれば誰でも無料で良質な教育を受けられる仕組みだ。教育資源を公開するオープン・エデュケーションの動きが加速している。教育記者として、あまりに大きな教育環境の格差を目の当たりにする中で、この動きは一筋の希望の光のように思えた。
 最前線を見に行こうと企画案を作成し、米国出張が実現したのが昨年11月〜12月の2週間だった。前半を東海岸ケンブリッジで、後半を西海岸シリコンバレーで過ごし、大学キャンパスで声をかけた学生らを含めて総勢40〜50人ほどにインタビューした。
 最大の狙いは、無料オンライン講座を提供する大学や企業の責任者に直接インタビューし、彼らの目的やビジネスモデル、将来構想を聞き出すことだった。誰もが思うような、

1)付加価値が高く、商品であるはずの教材や講義をなぜ無料公開できるのか?

2)喜んでいるのは誰なのか?

3)無料オンライン講座が広がると、既存の高等教育機関はどうなるのか?

の3点を最大の課題としてノートに書きとめ、常にこの問いに立ち戻るようにして取材を始めた。取材の成果は朝日新聞に掲載された[1]。本稿では、新聞記事には書ききれなかったことを含め、取材を通してわかったこと、感じたことをご報告したい。

2.利用者の熱狂

<米国>

 ムークを提供する大学や企業への取材は、想像を超えたアイデアや失敗を恐れないチャレンジ精神に触れることができ、刺激的だった。だが、私が心の底から「オープン・エデュケーションは社会を良い方向に変えるだろう」と実感できたのは、普通の利用者に出会ったときだった。まずはこの利用者の話から始めたい。
 平日の夜7時、サンフランシスコのダウンタウンのバーに、初対面の男女7人が集まった。ベンチャー企業コーセラ(Coursera)[2]が提供するムークで学ぶ受講生の集まりだ。
 参加者に分厚いバインダーを持参している女性がいた。米フロリダ出身のリンジーさん(24歳)。バインダーには、ペンでびっしり書き込んだルーズリーフが100枚ほど挟まっていた。
 リンジーさんが自己紹介を始めた。「私はいま、スタンフォードやバークリー、デュークなど名門大の授業を受けているけど、私はこれを当然のこととは思っていないわ」。

写真1 コーセラ受講者の学習会
ダウンタウンのバーに7人が集まった。
(米カリフォルニア州サンフランシスコ)

 この言葉に全員がうなずいた。コーセラ創設者でスタンフォード大学のダフニー・コラー(Daphne Koller)教授の著名な演説を意識した発言だったからだ。この演説はこう始まる。
 「私は家族の誰もが高等教育を受ける家庭に生まれました。3世代続きの博士(Ph.D.)で、両親とも学者。幼少期は父の研究室が遊び場で、自分が最高峰の大学に進むのも当然のことのように思っていて、これが私に大きな可能性を与えてくれました。」[3]
 こう語った上で、コラー教授は、世の中には高等教育の機会に恵まれないものの、高い意欲を持っている人々が多いことを説明し、コーセラ設立の目的は「最高水準の授業を世界のすべての人に無償提供すること」と宣言。会場はスタンディングオベーションの拍手に包まれた。
 この演説は、私だけでなく、多くの人の共感を呼んだようだ。リンジーさんもその一人だった。
 リンジーさんはフロリダ州の人口1万人の村で、酪農一家の7人きょうだいの長女として育った。馬や鶏の世話をしながら育ち、高等教育を自分が受けるなど考えたこともなかったという。高校卒業後はマッサージ専門学校に通ったが、「自分には合わない」と途中で退学。視野を広げたいと、半年前にサンフランシスコに出てきたばかりだった。美容院の受け付け、ベビーシッター、高齢世帯の家事手伝いなど三つの仕事を掛け持ちしながら、毎晩パソコンに向かっているという。
 リンジーさんは分厚いバインダーを掲げ、こう言った。「私でも名門大が求める水準をクリアできるんだって証明したくて、がんばってこれにノートを取り続けたら、1週間前にスタンフォード大の講座で95%も取れたのよ。将来の雇用主にも堂々と成績(修了証)を見せられるわ。」
 この発言にひときわ大きな拍手を送っていたのは、リンジーさんの隣に座っていた女性だった。メキシコ出身のガブリエラさん(26歳)だ。母国の大学を卒業後に渡米し、米国の開発系NPOへの就職を目指している。コーセラで受講しているのは、デューク大学が提供する講座「論理的な議論方法」。英語を母語としない自分が、米国で仕事を得るには不可欠な授業と思ったのだという。
 ガブリエラさん以外にも外国人が2人いた。中国の大学を卒業後に渡米し、シリコンバレーでコンピューターエンジニアとして働く中国人男性ジェン・ヤンさん(26歳)と、イタリアから移り住んだばかりの男性スパイクさん(31歳)。スパイクさんは大学を卒業したことはないと言い、ムークでプログラミングなどを学んでいる。2人の夢は、いずれも起業という。
 7人の「学習会」は深夜まで続いた。前半ではオンライン講座の使い方やオススメ講座を教え合い、後半では夢や将来設計を語り合っていた。
 翌日にはシリコンバレーで、別のホスト主催の学習会があった。やはり初対面の10人が集まったが、このうち中国人が4人、インド人が3人で、米国人は3人だった。うち9人がハイテク企業で働くエンジニアで、夜や休日を使ってムークで学んでいた。「最先端技術の発達はあまりに早いが、学校に通って勉強するヒマなんかない。自分で勉強しないとすぐに遅れてしまう我々にとって、無料のオンライン教育は最高の武器だ」と口をそろえた。

<日本>

 日本では、ムークはどのぐらい広がっているのだろうか。私が確認できた受講生の学習会は、大阪と東京で1回ずつだ。
 今春、大阪の学習会には女性2人、男性1人の計3人が集まった。残念ながら取材は認められなかったが、3人とも学習会には初参加だった。
 東京・渋谷での学習会は取材することができた。5月下旬、日曜の夕方に喫茶店に集まったのは、コーセラで独学する20〜50代の8人だった。
 大手韓国企業幹部の男性(韓国)、東京大学への留学生の男性(北欧)、会社員の女性(台湾)の3人が海外出身者。残り5人は日本語が母国語で、弁護士の男性、起業を目指す会社員の男性、既に起業した女性、ベンチャー企業経営の男性、そして私だった。
 学習会を呼びかけたのは、「学校は嫌いだが、学ぶことは好き」と話す、ベンチャー企業経営の新井俊一さん(35歳)。学習会は今回が2回目で、前回の参加者は4人だったという。
 新井さんは不登校の経験者で、中学2年を最後に学校に行ったことがない。18歳でIT企業にアルバイトで入り、自分で本を読んだり、先輩に聞いたりしてプログラム技術を磨いてきた。そんな新井さんにとって、ムーク誕生は大ニュースだった。
 一度は教科書で読んだはずの内容でも、大学教授の解説を聞くと理解が深まった。その体験に感激しながら、この1年ほどで、スタンフォード大学とプリンストン大学のプログラミング系講座を既に三つ修了。企業経営にも役立てようと、豪メルボルン大学のマクロ経済学も終えた。スタンフォードなど大学名の入った修了証を受け取ったことについて、「『あなたはきちんとできました』と認めてもらえたということ。やはりうれしかったし、モチベーションにもなった」。
 どの講座でも、教授の講義動画を見たり、宿題を解いたりするのに毎週6〜10時間は割いた。興味のある講座はあふれているが、消化不良を防ぐため、同時期に受けるのは1講座と決めている。
 新井さんは強調した。「経済的にも時間的にも留学する余裕のない私に、独学ではとても到達できそうにないことを、名門大の教授がムークで丁寧に解説してくれる。私にとってムークは体系だった知識を学ぶのに不可欠。世界で一握りの人だけが受けてきた良質な高等教育が、もはや特権ではなくなったんです」
 台湾出身の林可凡さん(28歳)も興味深い話をしてくれた。
 小学生の頃から文学少女で、理系の学問に興味を持てなかった。大人になってやっと科学的に人間を理解したいと思うようになったが、いったん学校を卒業し、社会人になってしまうと、そんな機会はなかったという。
 そこでムークに出会った。今の仕事に役立つわけでもないが、週末は北米の大学の心理学講座などに没頭する日々だ。まずは基礎を英語で学ぶため、米国の中学校で使う生物の教科書を通勤電車の中で読んだ。休日は喫茶店でノートパソコンを開き、講義動画を繰り返し見る。林さんは「わたしはムークで、自分が無知のままでいることに抵抗しているんです」と話した。

 いずれの学習会も、私には貴重な取材になった。「ネットにさえつながれば、学ぶ意欲のあるすべての人が高等教育を受けることができる」。この何度も見聞きしてきた言葉が、目の前の学習者によってそのまま体現されていたからだ。
 学習会は、コーセラの受講者によるものだけでも、世界2,300カ所以上の都市で開催されている[4]。毎日のように世界の各地であのような学習会が開催されていることを想像すると、オープン・エデュケーションのインパクトの大きさがわかる。

3.提供するベンチャー企業 コーセラとユダシティー

<企業が講義を無料提供できる仕組み>

 米国にムークを提供するベンチャー企業が2社ある。いずれもスタンフォード大学の人工知能研究所の研究者がシリコンバレーを拠点に設立し、2012年になってムークの一般提供を始めた。
 なぜ、企業が価値ある講義を無料提供できるのか。これが私の最大の疑問だった。価値ある講義はいわば高等教育機関の商品であり、「売る」はずのものだとの思い込みが私にあったからだ。
 彼らのビジネスモデルの一つが人材派遣業だ。著名研究者による講義の無料提供なので、放っておいても世界中から学習意欲の高い受講生が集まる。実際に2社で少なくとも460万人以上を集くとも460万人以上を集めている(1)。通常の学校では考えられない、この大量の受講生の学習履歴から、世界のどこに、どんな関心と才能をもった人材がいるのかがわかる。この人材情報を、提携企業に紹介するのだ。
 このビジネスモデルを始めたのは、ベンチャー企業ユダシティー(Udacity)だ[5]。私は昨年12月にシリコンバレーのオフィスを訪ねた。
 創業者セバスチャン・スラン氏(Sebastian Thrun)が迎えてくれた。自動操縦車の開発で知られる著名な研究者だ。彼は2011年の「人生を変えた経験」について力説した。スタンフォード大学の自身の講座「人工知能入門」をネットでも無料公開したところ、世界190カ国・地域から16万人以上が殺到したのだという。
 「これまで教育機会を得ることができなかった人、子育てしながら働く母親、そんな人々が僕に感謝をつづったメールをくれて僕は本当に感動した。人々の情熱と能力に心を動かされたんだ。」
 そして、こう続けた。「もうたった200人に教える小さな教室には戻れない。スタンフォードが世界のベストであることは疑いないけど、もうあそこには戻れない。なぜなら、スタンフォードが必要としている以上に、世界の人々が私を必要としているからだ。」
 手ごたえを得たスラン氏は昨年1月、スタンフォードの終身教授の地位を捨て、ユダシティーを設立した。1年間ほどで「プログラム言語」や「統計学入門」、著名起業家による「起業方法」など約20講義を無料公開すると、受講生は100万人に達した。
 この大量の受講生の存在が、新しいビジネスモデルに結びついた。それが人材紹介業だ。職探し中の受講生には履歴書と、受講履歴を企業に公開することへの承諾書を提出してもらう。ユダシティーは受講生の情報を提携企業に公開し、企業は気に入った受講生に声をかける。採用に至れば企業がユダシティーに仲介料を払う仕組みだ。
 私が取材した時点で、仲介を希望する受講生は数千人、提携企業は米国を中心に5カ国の計350社まで増えていた。提携企業にはグーグルやアマゾン、フェイスブック、バンクオブアメリカなどが名を連ねていたが、その他の大半は米国のテクノロジー企業だという。日本企業の有無を尋ねたが、スラン氏は「さてあったかなあ、海外企業ではドイツの車のメーカーがあったけど」としか答えなかった。
 斡旋料については、「提携企業が非公開を求めるので言えないが、ヘッドハンティング会社が請求する一人当たり2万ドルよりは低いよ」。この仕組みで就職が本当に実現したのは「現時点で20人」という。
 この一人は、インドの大手ネット企業に就職したインド人の若者だ。彼は「仕事を見つけた、ありがとうユダシティー!」と採用に至る経緯をブログに記している。ユダシティーで習得したプログラミング言語でプログラムを書いて見せたところ、採用担当者が気に入ってくれたのだという。
 もう一つのベンチャー企業コーセラも、このビジネスモデルを始めると昨年12月に公表した。創業者コラー教授は「企業と受講生のマッチメイキング、キャリアサービス。職を探している受講生の情報に限って企業に公開する」と話した。
 ムークを提供する世界最大のプラットフォームに成長したコーセラのサイトでは、世界の70大学が374講座を提供しており、360万人(5月20日現在)の受講生が殺到している。この数はコーセラの資産といえる。
 コラー教授はこう強調した。「求職中の受講生の学習履歴を企業は見ることができる。『この講義で成績上位10人の情報を知りたい』との企業依頼にもコーセラは応じる。もちろんオススメ人材ですよ。難しい問題をこなす実力、そして自ら学ぶ意欲、自ら学び続ける意欲などを兼ね備えているのですから」と自信満々だった。
 その上で「日本企業とも、ぜひ提携したい。コーセラは米国からの受講生は全体の三分の一だけ、つまり国際的な学生がたくさん集まっている。日本にも多くの多国籍企業があるでしょうから、日本人の学生だけに関心があるわけじゃないと思う。中国やインド、ブラジルの優秀な学生にも興味があるでしょう」と呼びかけた。

<誰が教えるか>

 ムークとはどんなものだろう。私が最初に試したのは、ユダシティーの講座「物理学入門」だ。「グーグル検索を使えない古代ギリシャ人が、どうして地球の大きさを知っていたのだろう?」との講師の問いかけに興味を持った。
 初日のレッスン1だけで授業動画が約30本。1本の長さは数十秒〜数分程度。動画は途中で何度も止まり、理解度を測るクイズが表示される。受講生は、四択や、空欄に自分で計算した回答を入力する形式のクイズに一つずつ答えながら進む。
 画面に映し出されているのは、若い男性アンディ氏だ。私はきっとどこかの大学の優秀な若手教授なのだろうと思ったが、プロフィルには「2009年にマサチューセッツ工科大学を卒業」とあった。
 ユダシティーを訪問した際、アンディ氏にも会った。すると、本当に3年前に大学を卒業したばかりの25歳だった。授業は評判を呼び、世界から受講生4万人を集めているという。講座「物理学入門」のために動画500本を作り、クイズ245問を盛り込んだという。
 なぜアンディ氏を採用したのかと聞くと、スラン氏は「彼は質問を繰り出して受講生の脳に入り込み、考えさせることが実にうまい。人が学ぶのは、教授の講義を(受け身に)聴いているときではなく、自分の力で考えている瞬間なんだ」と話した。
 ユダシティーの講師陣は、スラン氏が「教えるうまさ」で選んだ約20人だ。企業のエンジニアや起業家たちが並び、いわゆる大学教授は半数くらい。各地の大学の教授数百人が参加を打診してきたが、「98%は断った」という。スラン氏は「私は講師をアカデミックなキャリアでは選んでいない。教室での従来型の講義をオンラインでやるつもりはないからだ」と話した。

<『21世紀型の教科書』という発想>

 一人の教授が数万人に教える時代が始まると、既存の大学にはどんなインパクトがあるのだろうか。この問いに挑発的な発言をしてきたのも、ユダシティーのスラン氏だ。彼が「50年後に高等教育を提供する大学は世界で10だろう」と発言したと知り、その真意を聞いた。
 彼は「それは深く考える前の発言なんだ。伝えたかったのは、教授一人が大勢の受講生に教えることが可能になったことで、高等教育がより安く、より整理される(better organized)ということだ」と語った。
 「ベター・オーガナイズド?」と私が問い直すと、スラン氏は「教科書」の例を使って説明を続けた。
 「どの産業でもうまく整理されていくと似たような現象が起きるが、講義の世界でも、例えば講座『英語ライティング』は5万種類もなくていい。きっと20ぐらいが効果的だ。同じことは既に教科書の分野で起きている。教科書は教授の数ほどもない。教科書の種類が少ないから、よい教科書を探すことが難しくない。教育的な商品には同じことが起きるだろう」と話した。
 この考えはスラン氏だけのものではなかった。コーセラ創業者のコラー教授は「21世紀型の教科書」という表現を使った。ただの教科書ではなく、講義や試験、採点、評価などもパッケージになった教科書という意味だ。彼女は自身の専門である機械学習(マシン・ラーニング)の講義を例に説明した。
 「いま米国では機械学習は(就職)市場で求められている商品です(Marketable commodity)。これを学ぶと多くの生徒がよい仕事に就けますが、この講義を提供できない中小の大学は多くあります。理由は、単に教えられる教員がいないからです。でもコーセラのオンライン講座を使えば、必ずしも機械学習の専門教授ではなくても、例えば数学の教授がサポートにつくことができます。専門家でなくても、学生の学習を促進することはできるのです」と話した。
 私が「海外大学だって視野には入りますね」と水を向けると、彼女は「もちろん。日本の大学も、より国際的な教育を提供し、学生はグローバルな視点を学ぶことができるでしょう」と話した。

4.提供する大学 MITの描く「ブレンド・モデル」

 ムークの提供機関として注目されているのが、マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)とハーバード大学が昨年5月に設立した教育機関エデックス(edX)だ[6]。前章で紹介したシリコンバレーのベンチャー2社とは異なり、非営利団体であることが強調されている。
 エデックスの学長に就任したのは、MITのアナント・アガルワル教授。設立会見でこうメッセージを発した。「いま革命が進行中です。でも鉄砲や剣は必要ない。使うのはマウスとペンです。オンライン教育が世界を変えるのです。世界中の学生が一緒に学べるのです。これは教育界における印刷機の発明以来の衝撃です。私たちは世界の10億人に教育を届けます。」
 エデックスで無料提供されているのは、日本でもおなじみハーバード大学のサンデル教授の「正義」など、一流の教授陣の講義ばかり。世界中から90万人の受講生を集めている[7]
 アガルワル学長が最初に強調したのは、この90万人の受講生から集めた「学習ビッグデータ(learning big data)」を使った「学びについての研究(research on learning)」だ。最近日本でも、コンビニが集める顧客情報などのビッグデータの活用方法が話題になっているが、発想はそっくりだ。
 「エデックスはあらゆる種類のデータを集めている。一人ひとりの受講生がいつ授業動画を見始めたのか、いつ見終えたのか、彼らの回答の正誤、動画を見た時間など、すべてがわかる。これらを分析し、どのように学んだ生徒がどのような成果を生んだのか、何が学習には重要なのか、よりよい教材にするにはどんな改変が必要なのかを知ることができる」と話した。多くの受講生が何度も巻き戻している動画については、もっとわかりやすく再収録したり、もっと丁寧に説明するため数本に分割したりして、教材の改善に役立てるのだという。
 このような学習履歴を集めていれば、もちろん世界中のどこに天才がいるのかもわかる。「彼はジーニアスだ。まだ15歳なのに私の講義で満点を取ったのだから」。アガルワル学長がモンゴルの少年バトゥーシグさん(当時15歳、現在16歳)について話し始めた。
 エデックスは昨春、アガルワル学長の講座「電子回路」を公開した。通常はMITの学部2年生が対象の講座だ。世界中から集まった14〜74歳の受講生約15万人のうち、最終スコアで満点を取ったのは全受講生の0.2%、わずか340人だった。ここにバトゥーシグさんが含まれていたのだ。
 バトゥーシグさんのような成績上位者なら、オンラインの勉強だけでなく、本物のMITに進学したいと思うだろう。そう思った私が「受講生に奨学金を提供する計画はあるか」と質問すると、アガルワル学長は「優秀な受講生には我々の大学に願書を出すように働きかける。彼らを発見し、受験しないかと誘うことができるのだから、大学にとって大きな利益だ」と語り、奨学金制度については「今はないが、将来は創設する可能性もある」と述べた。
 前章で紹介したように、ベンチャー2社はムークの提供を通じて発見した人材を提携企業に紹介しているが、非営利団体のエデックスも人材獲得に役立てるということだ。
 後にわかったことだが、私がアガルワル学長にインタビューした昨年11月、モンゴルでは16歳になったバトゥーシグさんがMITの願書作成に追われていた。本人によると、エデックスから修了証を得た後、MIT卒業生からMIT受験を勧められたという。満点を取り自信を深めていたため「17歳になる来年にはMITを受験してみよう」と思っていたが、昨年12月に願書を出した。すると、今年3月中旬にMITから合格通知が届いたという。
 バトゥーシグさんは「エデックスがなければ今の僕はなかった。エデックスを生み出した関係者に心から感謝している」と話している。

<新しい教育法ブレンド・モデルについて>

 ムークの発展を目の当たりにすると、多くの人が既存の大学への影響を考える。中には「授業料が高いばかりの大学はもう不要だ」という人もいる。
 この点について、エデックスのアガルワル学長は「共存」を強調する。ムークを活用することで、既存の大学も教育内容を大幅に改善できるという主張だ。学長は具体例として、サンノゼ州立大学と一緒に取り組むパイロット事業ブレンド・モデル(Blended Model)を挙げた。効果が出たというので、私はサンノゼに向かった。

5.利用する大学 サンノゼ州立大学とモンゴル国立大学

 ドアを開けると教室は騒がしかった。学生86人が3人一組で話し合いながら練習問題を解いている。解き方を巡っての議論も起きていた。
 カリフォルニア州のサンノゼ州立大学(以下、サンノゼ大学)。講義「電子回路解析入門」を担当するオスロー・ガディリ(Khosrow Ghadiri)氏は、従来の授業のように、黒板の前に立って講義していなかった。その代り、アシスタント2人と手分けして教室内を巡回し、学生の質問に答えている。
 問題を解けず頭を抱える学生にガディリ氏は言った。「講義動画を見てきましたか?ヒントは動画の中にありますよ。」
 あちこちで学生がパソコンを開き、動画を再生させた。そこから流れてきたのは、ガディリ氏でなく、MITの教授の声だった。
 サンノゼ大学の学生は、授業の前にMIT教授の講義動画を見てくるように指示されていた。そして実際の教室では、動画の内容に沿った練習問題を解いていたのだ。
 オンライン動画を使い、従来は教室で受けていた「講義」を自宅で学び、自宅でしていた「練習問題」を教室でする。こうした手法は「反転授業(Flipped Classroom)」と呼ばれ、米国では大学だけでなく、中学校や高校の理数系の科目で急速に広がっている[8]

写真2 「反転授業」の風景
学生は授業に来る前に講義動画を見ておき、教室では練習問題に取り組む。講師は教室を巡回して質問に答える。
(米カリフォルニア州のサンノゼ州立大学)

 反転授業の利点は、理解度の異なる学生がそれぞれのペースで課題に取り組めることだ。ガディリ氏は「私の役割は学生一人ひとりの理解度をきちんと把握して助言し、学費分の学習効果を得てもらうこと。遠くにいるMIT教授にはできないことです」と話す。
 電子回路解析入門はサンノゼ大学の悩みの種だった。電子工学部の必修科目なのに半数近い生徒が毎年落第するからだ。少しでも落第率を減らすため、ガディリ氏らが昨夏MITを訪問。改革の柱として、MITの講義動画をサンノゼ大学の授業で使う「ブレンド・モデル」を昨秋から導入したという。
 私が「これは講義のアウトソーシングですか」と聞くと、ガディリ氏は否定した。MITの学生用の教材は難しすぎるので、サンノゼ大学が補助用の解説動画や練習問題を用意する必要があるのだという。確かにサンノゼ大学のウェブサイトには、ガディリ氏らが作成した教材もたくさん並んでいた。
 この方式を導入した初の中間テストは例年より高かったといい、ガディリ氏は「結果に手ごたえを感じている。従来の大教室での一斉講義に比べ、学生との直接の対話時間も増え、教えるのが楽しくなった」と笑顔で話した。
 エデックス側も手ごたえを得ており、今春コミュニティーカレッジ(公立の2年制大学)2校でも、MITのコンピューターサイエンスの講座を使ったブレンド・モデルを実施するという。
 アガルワル学長は「数百年もの大学の歴史を振り返ると、教員はずっと教壇から(一方通行の)講義を続けてきた。だいたい7割ぐらいの学生が教室にやってきて、半分ぐらいは寝ているか、メールを打っているか、ツイートしているか、おしゃべりしているでしょう。でもオンライン講座を使った反転授業を導入すれば、大学教育をより効果的なものにできる。教授は一斉講義をやめ、限られた対面時間を、学生との直接対話に割くことができるのだ」と話した。
 ところが、今年4月になり、同じ大学でブレンド・モデルへの反発が起きた。ハーバード大学のサンデル教授によるムークの実験的な導入を求められたサンノゼ州立大学の哲学科が要請を拒絶し、教授陣が「サンデル教授への公開書簡」を出したのだ。
 書簡の中で、教授陣は拒絶の理由に「哲学科にムークで解決できる教育上の問題は存在していない」「同等の授業を教えるのに教授陣の力量に不足もない」の2点を挙げた。その上で、公立大学でのムーク導入論は、長期的な財政事情に動機づけられており、大学の危機であると訴えた。また拒絶理由を公開するのは、「遅かれ早かれ他学部や他大学も同じ難局に直面すると信じているからだ」と述べた。
 他大学の配信するムークをどう使うのか。活用方法をめぐる議論に発展するとみられている。

<海外でもブレンド・モデル>

 驚いたことに、エデックスを使ったブレンド・モデルは既に海外にも広がっていた。それがモンゴルだ。私は5月、首都ウランバートルの最難関モンゴル国立大学を訪ねた。
 ここではサンノゼ大学よりも大胆なパイロット事業が進行中だった。学生はエデックスが提供するMIT講座を受講。好きな時間に、好きな場所からネット経由でMIT教授の動画講義を受け、宿題や課題の提出も各自のペースでやる。質問があれば、モンゴル大学の教室にやってきて、講師や大学院生に助けてもらう。
 ただし、中間試験と期末試験のときだけは教室に集まり、モンゴル大学の教員の監視下で試験を受ける。こうすることでモンゴル大学は、学生本人がきちんと試験を受けていることを確認できるため、モンゴル大学の求める結果を出した学生には、モンゴル大学の単位を出しているのだという。
 昨秋は初回だったので、小規模の学生10人(希望者)に対し、MITの講座「電子回路」で実施し、うち7人がモンゴル大学から単位を取得した。今春は学生30人に規模を拡大し、MITの講座「コンピューターサイエンスとプログラミング入門」で実施している。
 受講生の一人、モンゴル国立大学4年生のバサンジャルさん(20歳)(2)は深夜まで、この講義のために毎日3時間も勉強しているという。MIT教授の説明はすべて英語のため、動画を一時停止したり、巻き戻したりしないと理解できない。英語での専門用語もネット検索しないとわからない。週20時間ほど費やさないと、授業に追いつけないのだという。
 モンゴル大学にもプログラミングの講座がモンゴル語で提供されているが、使っているプログラミング言語が異なる。バサンジャルさんは「モンゴル大にはないプログラミング言語(パイソン)を英語で学びたい」と話した。
 エデックスを使ったブレンド・モデルの導入を決めた情報技術学部のロドイラブサル学部長(34歳)は「学生の選択肢を増やしている。教室での勉強が得意な学生もいれば、自宅での勉強が好きな子もいる。自分に合った授業スタイルで選べばよい」と話す。プログラミングの授業については、現時点ではモンゴル大学の講座は必修で、MIT講座は自由選択制だが、来年にはどちらか一つの単位を取れば卒業できるようにするという。

写真3 MITのムーク講座「コンピューターサイエンスとプログラミング入門」を受講しているモンゴル国立大学の学生30人が中間試験のため教室に集まった。普段は自宅などで勉強しており、集まる機会は試験の時だけだ。(ウランバートル)

 この試みはモンゴルの文部科学省も注目している。ガントゥムル大臣(40歳)は「モンゴルの高等教育の一番の課題は、教育のオープン化。教授や博士の知識をどうオープンにさせるか。自分の知識や研究を隠していれば、大学は成長できない。MITのようにオープンにさせる。教育資源の電子化を進め、学生は講義の7割ぐらいは、実験室や自宅で学べる環境をつくりたい」と流暢な日本語で話した。
 日本の4倍の国土を持ち、人口密度が世界一低いモンゴル。教材を電子化してネット上に無償公開できれば、誰もがどこからでも勉強できるようになる。そのためモンゴル政府は2年以内に国家運営サイト「エルデルネット(知識ネットの意)」を作り、教育関連の教材を集積させる。同時に全国の約740校を光ファイバーで結び、すべての子どもが、学校にさえ行けば、エルデルネットの教材に自由に無料でアクセスできるようにするという。

<高校でもブレンド・モデル>

4章で紹介したモンゴルの少年バトゥーシグさんも、在籍する私立高校「サント・スクール」でブレンド・モデルを受けていた。
 この学習環境を用意したのは、MIT卒業生のエンクムンク校長(26歳)だ。モンゴルの発展を支える技術者の育成を目標に掲げる校長は、まず高校に小さな実験室を用意し、そこに親友の大学院生を「助っ人」として米国から3か月間ほど招いた。その上で、理科好きな生徒20人にエデックスを紹介し、昨春、MITの2年生向けの講座「電子回路」を受けさせた。
 ここにバトゥーシグさんもいた。毎週自宅で講義動画を見て、宿題などの課題に取り組んだ。当然、高校生だし、講義は英語なので途中でいくつもの壁にぶつかった。20人は毎日のように放課後になると実験室に集まり、大学院生に質問をぶつけ、オンライン上で学んだ電子回路を実際に作った。日本での部活動のような光景だったようだ。
 最終的に修了証を得られたのは約10人。中でも熱心に取り組んだバトゥーシグさんはA判定。D判定だった1年後輩のバンズラクチさん(16歳)は「次は僕も猛勉強して、バトゥーシグさんみたいにMITを目指したい」と意気込みを語ってくれた。
 名門大学の講義に夢中になる生徒の姿に手応えを得たエンクムンク校長は「ムークのおかげで、地球上のどこからでも最良の講義を受けられるだけでなく、宿題や試験に挑戦して自分の実力を大学側に示すこともできるようになった。校舎を増築して本格的な実験室を用意し、高校版のブレンド・モデルを発展させたい」と話した。
 また、サント・スクールでは、米国に並んで日本の大学に憧れる生徒が多く、エンクムンク校長は「日本の大学がムークを配信すれば、うちの生徒は大喜びで使いたがりますよ」と話した。

写真4 「モンゴルではエデックスなしで電子工学への関心をここまで膨らませることは難しかった」と話すバトゥーシグさん(右) と、校長のエンクムンクさん。
(ウランバートル))
写真5 駐車場の出入り口前で遊ぶ子どもに車の出庫を知らせるため、バトゥーシグさんが講座「電子回路」で学んだ知識で作ったサイレン。センサーで車を関知し、外のサイレンを鳴らす仕組み。この「発明」を解説した動画をYoutubeに投稿し、MITへの願書にリンクを貼り付けてPRした。
(ウランバートル)

6.日本の動向とこれから

 2013年、日本勢のムーク参入が続いた。東京大学は2月、コーセラ参入を発表。東京大学の教育をより多くの人に届けることで、海外の学生を一層惹きつけたいという。副学長の吉見俊哉教授はムーク誕生の意義をこう表現した。
 「無料で誰もがアクセスできるムークは、世界中の名門大学が教育力を披露し合うフラットな舞台となる。世界中から、東大を志望するかもしれない大勢の若者が見にくるだろう。力を示せば、世界の優秀な若手の関心は集まる」[9](詳細は本誌 12〜16ページを参照)。
 5月には京都大学がエデックスに参入した。中国の清華大学、北京大学、韓国のソウル大学など15大学との同時参入で、エデックスは27大学で構成するコンソーシアムに拡大した[10]
 米国発で昨年から本格化したムークの配信に、アジアを代表する、日中韓のトップ大学が2013年、相次いで参入を決めた。主な意義は二つあると思う。
 まずは、国境を越えた人材獲得競争の本格化だ。学習意欲の高い受講生が世界中から百万人規模で登録しているサイトで、アジア勢も世界の名門大学と並んで教育力をPRすることになる。研究分野での国境を越えた競争は常識になっているが、教育力そのものをフラットに競う大ステージの誕生は初めてだろう。世界中の若者がエデックスやコーセラのサイトにアクセスし、「どの大学の講義が面白そうか」「こっちよりもあっちの方がわかりやすいな」と簡単に比較できるようになる。
 二つ目の意義は、「学びについての研究」だ。一人ひとりの学びのプロセスを記録したビッグデータを活用し、より効果的な教育方法を確立しようという試みだが、エデックスでは、これに27大学が協力して取り組む。試行錯誤の果実を共有するためだ。
 MIT教授はこんな話をしてくれた。「今後、大学教育はより柔軟になるだろう。講義の半分はオンラインになってもよい。半分は大学の教室に来てもらうけれど、残りはどこからでもOK。例えば、水資源の授業なら、半分はアフリカの農村に住み込んで水の浄化などの課題に格闘し、週1回だけオンラインで講義に参加する。世界中の現場に散っている学生が取り組みを報告し合う。そんな授業ができたら、学生は夢中になって勉強するだろう。」
 ムークを活用した教育実験は始まったばかりだ。ユダシティー創業者のスラン氏の言葉が印象的だ。インタビューの最後に「これは教育界における本当の革命なのだろうか」と問うと、肩をすくめて言った。「そうだといいね。どれかが生き残り、どれかは死ぬだろうけど、人間が学ぶということを再定義する時期は熟していると思うよ。やり方はいくらでもあるんだ。」
 ムークを提供するベンチャー企業や世界中の大学が、より効果的な教育方法についての試行錯誤を始めている。受講生たちも教育機会をフル活用して学び続けている。ムークが、これからの教育の形にどのように影響を及ぼしていくのか、取材を続けていきたいと思う。
 一方で、日本での利用者の姿から考えるべき点もあると思う。2章で紹介したように、私が出会えたムークの受講生は、大阪の学習会で3人、東京で8人(うち海外出身者3人)。やはり言葉の壁があるため、まだまだ少ないのが現実のようだ。
渋谷での学習会が2回目だった新井さんは「前回の参加者も大手ネット企業や外資系金融会社の社員らだった。つまり既に高等教育を受けた人々が、ムークでさらに学んでいるのが日本での実態だ」と指摘している。その通りだと思う。オープン・エデュケーションには意欲ある人々に教育機会を少しでも広く提供する役割が期待されているが、ムークの現状は英語を中心に外国語での講義が大半のため、日本国内では教育機会のギャップを縮める効果には結びついていないと言えそうだ。
 日本勢として既に参入を決めた東京大学も京都大学も、まずは英語での講義を世界に向けて配信する方針だ。海外の大学の講義に日本語の字幕を付ける動きも始まっているが、労力を考えると限度があるだろう。いずれは日本の大学による、日本語でのムーク配信が始まるのだろうか。日本におけるムークの影響力はこれに大きく左右されると思う。こちらの動向にも注目していきたい。

(1) コーセラは360万人(2013年5月20日時点)で、ユダシティーは100万人超(同年3月時点)。
(2) モンゴルでは小学校から高校卒業までが全10年制で構成されていたため、大学生は日本に比べて若い。モンゴルでは今、12年制への過渡期にある。
参考文献および関連URL
[1] 朝日新聞:2013年3月6日付朝刊2面総合面「名門の授業 無料配信」, 3月6〜8日付朝刊教育面連載「教育をタダにする オンライン授業の衝撃」.
[2] コーセラのサイト
https://www.coursera.org/
[3] コラー教授の講演「オンライン教育が教えてくれること」TED
(http://www.ted.com/translate/languages/ja?page=5) で聞くことができる. 日本語を含む26カ国語の字幕付き.
[4] Meetup (http://www.meetup.com/Coursera/)で世界中の都市での学習会の開催状況を調べることができる(2013年5月20日現在)
[5] ユダシティーのサイト
https://www.udacity.com/
[6] エデックスのサイト
https://www.edx.org/
[7] EdX Expands xConsortium to Asia and Doubles in Size with Addition of 15 New Global Institutions. エデックス報道発表資料, 2013.5.21.
[8] 反転授業を推進する民間団体「フリップト・ラーニング・ネットワーク」のhttp://flippedlearning.org/site/default.aspx?PageID=1
団体に登録して反転授業を採用する先生は2012年1月の2,500人から, 2013年1月の1万1千人に急増したという. 多くは中高校の理数系の教諭だ.
[9] 朝日新聞: 2013年3月8日付朝刊教育面「『国境超えた人材獲得競争、激化』東大・吉見俊哉副学長」.
[10] 朝日新聞: 2013年5月22日付朝刊社会面「京大白熱教室、世界へ/ハーバード系ネット配信参加」(大阪本社版).

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