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Microsoft Teams
〜大阪工業大学への導入〜

 「教育工学」が専門の大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部システムデザイン工学科学科長教授の井上明氏は、大学に教員として勤め始めた20年前から、様々なICTツールを駆使した学生参加型の授業を開発してきました。

 そんな井上氏が「最高の文房具」として、大学での授業や研究に活用しているのが「Microsoft Teams(以下Teams)」です。Teamsによってコミュニケーションの質を向上させ、コラボレーションを進化させることにより、次々と新たな学修が創発されているのです。

井上氏の授業。学生はBYODによりMicrosoft Teams を活用

■EdTech時代に最適なICTツールを模索して

 井上氏は、学びをデザインする教育工学を長年研究してきました。2000年代から、大教室授業でのICT活用にも取組んでおり、2017年からは、大阪工業大学に新設されたロボティクス&デザイン工学部システムデザイン工学科の教員として、学びの手法をさらに模索していくことになります。
 新たなLMSとして井上氏が見出したのは、Microsoftが提供するコラボレーションツールTeamsでした。

■スマートフォンからでも万全に使えるLMS

 従来のLMSは「今一つしっくりしなかった」と、井上氏は言います。
 「一番の問題は、スマートフォンにうまく対応していなかったことでした。今の学生にとって、連絡事項はスマートフォンにプッシュ通知がくることが『当たり前』なんです。ところが、既存のLMSはスマートフォン上で画面が見にくかったり、学外からはVPN接続が必要だったりと、利便性に欠けていました」(井上氏)。

PCと同様にスマートフォンも活用

 大阪工業大学は学生・教職員向けの「Office 365 ProPlus」を包括契約しています。学修管理に悩む井上氏は、ある時、Office 365のメニューにTeamsという新たなツールを発見しました。
 「説明を見た限り、Teamsは単なるチャットツールではなく、グループワークができるツールという印象を受けました。インターネットで調べると、オーストラリアの大学の教員が授業で活用しているという事例が出てきました。そこで自分も使ってみようと思い、Microsoftの担当者にお越しいただき操作法をレクチャーしてもらったのです」(井上氏)。

 Teams上の「ファイル」に授業に必要な資料をアップロードすると、学生たちは自分のスマートフォンやPCから閲覧できます。「会話」タブでは予習・復習の連絡や授業の補足を行ったり、質問を受け付けることができます。また、教育版のTeamsには「課題」機能があり、課題の作成、回収、採点管理と返却から、締め切りの自動通知まで、すべてをTeams上で行うことが可能です。井上氏は自身が担当するすべての授業と研究室運営でTeamsを利用しています。
 「『課題』機能が実装されたことによって、LMSとしての使い勝手が格段に上がりました。Teamsの良さを知って、自分の授業に使い始める教員も増えてきています」(井上氏)。

■Teamsで教育への工夫を取り戻す

 「基礎情報処理」は、300人の学生がBYOD端末を利用し大教室(ホール)で受講します。紙で資料を配ろうとすれば、かなりの時間を浪費しますが、Teamsの利用によって、「『紙では大変』だったことを容易に実現し、講義により多くの時間を割くことができた点が、Teamsの最大の教育効果です。」と、井上氏は語ります。「例えば、理解度向上のために小テストをやろうと思っても、紙を配付し、回収して、採点したら、学生に返すという手間を考えると、教員が諦めて今まで通りのやり方をなぞることしかできなくなるのです。しかし、Teamsによって余力が生まれれば、より良くするための工夫ができるようになります。私は最近、Teamsのテレビ会議機能を使って、シリコンバレーと繋いだ遠隔授業を行いましたが、以前は遠隔授業を実施するには準備が大変でしたが、Teamsでこんなに簡単に遠隔授業ができるなんて想像もしていませんでした」(井上氏)。

 Teamsの機能概要と資料のダウンロード先、課題の提出方法などを10分ほど伝えるだけで、学生たちはすぐに使いこなしています。井上氏のゼミでは、週次の研究報告書をTeamsのWikiに記入するルールがあります。研究への気づきや調べていること、参考になったWebサイトのURLなどを共有することで、ある学生の研究が、他の学生にとっての学びへのきっかけになっているのです。
 「従来のLMSは、教員と学生とでやり取りができても、学生同士のやり取りはほとんどできませんでした。しかし、Teamsは学びを横にも拡げてくれます」(井上氏)。

■未来の教室を創造していく

 井上氏は、Teamsを「最高の文房具」だと総括します。
 「やってはならないことは、学びの活動すべてをデジタルツールで代替してしまうことです。使い分けしてこその文房具であり、Teamsもまた学生達の学びの活動を支援する文房具の一つだと考えています。対面コミュニケーションとチャットには、それぞれ違う役割があるというわけです。こうした視点においてTeamsは、教師・学生の両方にとって今までやりたくてもできなかったことを簡単に実現してくれる、最高の文房具です」
 「小学校から大学まで、教室と呼ばれる場所のデジタル化はまだ多くありません。もっと様々なデバイスを用いた、未来の教室を作っていきたいと考えています。」(井上氏)。

大阪工業大学
ロボティクス&デザイン工学部
システムデザイン工学科学科長教授
井上 明 氏
問い合わせ先
日本マイクロソフト株式会社
文教営業統括本部
TEL: 0120-41-6755
(マイクロソフト カスタマーインフォメーションセンター)
URL: https://www.microsoft.com/ja-jp/education/educators/higher-education/default.aspx

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