賛助会員だより

ソニービジネスソリューション株式会社

ソニーのAI技術を活用した
「Edge Analytics Appliance」で
講義映像の「見える化」を実現
〜早稲田大学日本語教育研究センターへの導入〜

 今回事例としてご紹介する「Edge Analytics Appliance」は、これまでにない映像表現を、驚くほど簡単に、かつリアルタイムに作り出すことができる、ソニーのAI技術を用いた新しいコンセプトの商品です。
 板書の文字を認識し先生の前に常に表示する映像表現や、先生の動きに合わせてカメラを自動的に追尾させる機能などにより、これまで人手やコストをかけていた収録作業を省力化し、映像の表現力を高めることで、これまで以上に学生に伝わる講義コンテンツの作成を支援します。

Edge Analytics Appliance REA-C1000
アプリケーションの「板書抽出オーバーレイ REA-LO100」を使用した板書「見える化」のイメージ

 また、欠席した学生への授業補完や、補講向けの授業コンテンツ制作に二の足を踏んでいた先生方の強力なサポートツールとなることを期待しています。

■早稲田大学様への導入

 早稲田大学様は、日本で最も早く外国人学生に門戸を開いた大学の一つで、現在にいたるまで、国内最大規模の留学生を受け入れており、現在その数は約5,000人を超えています。そのうち約半数が、日本語教育研究センター(Center for Japanese Language;以下、CJL)で日本語科目を履修しており、CJLは学内における全ての日本語教育を一元的に担っておられます。

 このCJLの科目の一つである「ビジネスコミュニケーションのためのケース学習6−8(留学生対象日本語科目)」という授業を行っている金孝卿先生は、「ことばを使うことで、人とつながり、自分と人への理解を深める。」をモットーとして、グループディスカッションを中心とした授業をされています。
 留学生の積極的な発言を支援するために、金先生はアクティブなファシリテーションをされており、留学生が発言するキーワードを積極的に板書し、聴覚的にも視覚的にも理解を促すことができるような講義進行をされています。
 今回、「Edge Analytics Appliance」の「板書抽出機能」を導入していただき、グループディスカッションのキーワードを板書していく過程を映像として収録し、振り返り学習を行う学生に対して効果的であったかを検証していただきました。

■講義映像の授業利用における所感

 早稲田大学日本語教育研究センター准教授 金孝卿先生にお話をうかがいました。

 「Edge Analytics Appliance」の「板書抽出機能」を使用した講義映像を活用する機会がありました。対象授業の内容のうち、「クラス全体での討論とその際の教員の板書」の部分を録画し、学生の振り返り用の映像資料としてLMSから共有するためのものでした。
 授業での討論は事前学習を前提に行われるもので、授業後にはその討論を踏まえて振り返る課題を課しています。討論の内容は、職場で起きる仕事上のコンフリクト(衝突・葛藤)を題材にしたものです。CJLの留学生、学部英語コースの日本人学生、大学院生が一緒に学んでおり、学生が現在持っている日本語の習熟の段階に関わらず、「仕事の実際の状況を理解する」「討論によって多角的な解釈と解決策を考える」「根拠に基づいて自分の考えを整理する」といった一連の問題発見解決学習のプロセスを支援する必要があります。

問題発見解決学習のプロセスを促すための授業の進め方
「Edge Analytics Appliance」の「板書抽出機能」を使用した講義風景(右下の板書の向こう側に板書中の金先生)

 授業後の振り返り学習時に、収録されていた「クラス全体での討論とその際の教員の板書」の映像を視聴することによって、討論内容への理解の深化を図るとともに、授業外での学習の継続を支援することができると考えました。授業後に実施した学生アンケートの結果では「板書がはっきり見えて、授業中には考えられなかった角度で講義内容を考えることができた」「授業中にメモを取る時間がない時や、聞き取れなかった時に、講義映像でもう一度確認することができた」などの声があげられました。

■今後の取組みと期待

 「Edge Analytics Appliance」を使用した講義映像の活用によって、学生の理解がより深まる効果が期待でき、授業内での課題を、学生がさまざまな角度で考えられるのではないかと考えています。
 また、効率的に、映像を活用した学習効果の分析や、フィードバックができるようになると良いと考えています。
 映像配信の多機能化も期待の一つです。アンケートやミニテスト機能、LMSとのシームレスなデータ連携により事前準備や配信時において、余計な手間を増やさず、より学生の学習状況を支援できる環境づくりに期待します。

問い合わせ先
ソニービジネスソリューション株式会社
プロフェッショナルビジネス営業部
文教営業課
TEL:050-3809-1890
https://www.sony.jp/edge-analytics-appliance/

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