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アシストマイクロ株式会社

完全クラウドで快適な学習環境を実現
〜大規模大学におけるコロナ禍の
LMSリプレイス〜

 2020年9月より学習管理システム「Open LMS」のご導入に携われた東海大学情報システム部門様及び教員様より、新型コロナウイルス感染下のオンライン学習の取組みについて伺いました。

学校法人 東海大学湘南キャンパス
所在地:神奈川県平塚市北金目4丁目1−1
設立年:1946年
学生数:28,328名 ※2020年5月1日現在

■新型コロナウイルス感染症対策について
(Open LMS 導入前の状況と課題)

情報システム部門からの回答:

 Open LMS導入前は、本学でも授業支援システム(旧LMSと呼称)を導入し、一部の授業で利用していましたが、新型コロナウイルス感染症対策により、遠隔授業の実施を余儀なくされました。既存のシステムでは、全学で一斉に利用することを想定していなかったため、全学生が利用するには性能が大きく不足しており、やむを得ずに他のシステムへの分散や、利用時間の制限をおこないながら授業を実施していました。これにより学生は、授業毎に複数のシステムを使い分ける必要や、旧LMSを利用した授業では、正規の授業時間に利用できないこと、1日の利用時間の制限が発生し、学生や教員に対して大きな負担を強いておりました。

教員からの声:

 旧LMS、コラボレーション・プラットフォーム、遠隔会議システムの併用での遠隔授業を行い、講義資料の提示、課題の提出を旧LMS、コラボレーション・プラットフォームを利用して実施していました。
 遠隔授業開始時の旧LMSは、過度のアクセスに対応できず、システムの障害が頻繁に生じました。そのため、課題の提出などにおいてかなりの負担が受講生にかかりました。また、教員側においても授業資料の提示、課題の確認などにおいて困難が生じておりました。コラボレーション・プラットフォームは、課題の提出において、学生の個人情報の扱いにおいて難点がありました。急遽、他のLMSを併用でも導入しましたが、システム上の講義の形態が、一定の形式になっており、教員の考える講義手法の適用が難しく、利用が進まなかった事もありました。ほとんどの教員にとっては、初めての遠隔授業の実施となり、どのような形態の遠隔授業が良いのか手探りの状況下で、扱いやすく、連携のしやすいシステムが求められていました。

教員からの声:

 Open LMSにリプレイスした理由は更新時期ということもあったと聞いております。以前から教学部や教育支援センター、教育開発研究センターなどで、LMSの利便性を訴求する活動を行っていたものの、文系・理系を問わず、LMSを利用する教員は限定的でした。そのため、オンプレミスのサーバーの容量が少なめに設定されていましたが、それでもサーバーの稼働率は高くはありませんでした。しかし、コロナ禍により全学で旧LMSを利用し始めたため、すぐにサーバーの稼働率は限界を超え、これに対応するために旧LMSを学部ごとに利用時間制限を割り当てされましたが、十分な利用ができませんでした。また、コラボレーション・プラットフォームで旧LMSを補完しようとしましたが、授業の回ごとにトピックの設定を行うことができないなど、従来のLMSのような使い方ができず、戸惑いました。

■Open LMS 導入経緯(選定の基準について)

 秋学期の授業も遠隔授業と対面授業の併用を考えていたので、全学で利用できるLMSでの導入の検討を進めました。LMSを選定するにあたり、同時利用者数や利用時間帯などのアクセス制限が最大の問題点であったので、アクセス制限のない利用の提供が可能なシステムであることが第一条件としてあげられました。次に利用に関しては、操作がわかり易く、対面授業で行われていた講義手法が反映しやすい、柔軟で選択肢の多いシステムとの要望から、具体的に、マニュアルが作りやすく、導入例が豊富なシステムを検討しました。さらにその中でも、短期間での導入が可能・トラブルに対応しやすいという事で、クラウド型のシステムを検討することになりました。

■Open LMS 導入効果

教員からの声:

 システム導入後はアクセシビリティが保たれるようになり、十分なアクセス数が確保され、スムーズに遠隔授業を行うことができるようになりました。これにより、授業に支障をきたすことは無くなり、学生も安心して授業を受けることができるようになったと思います。授業のプラットフォームとしてOpen LMSが定着しました。
 また、従来のLMSではやりにくかった受講者への一斉連絡や、個別の学生と連絡もメッセージ機能でできるようになり、遠隔授業においても、きめ細やかに学生に対応できるようになりました。

(授業例)

教員からの声:

 何よりもアクセシビリティの向上により、使いたい時に使えるようになったことが一番です。クラウドによる安定性、十分な容量などが寄与していると考えられますが、これまでに大きなトラブルもなく、秋学期の遠隔授業を充実したものとして乗り越えることができたことは、このシステムの安定性によるところが大きいと思います。

■年度途中のLMS変更によって苦労された点

情報システム部門からの回答:

 構築から利用開始まで1カ月弱という中で、慣れないシステムの設定、マニュアルの整備、研究会の準備などを教職協働で行いながらなんとか秋学期をスタートさせました。一番苦労した点は、やはり導入期間が短いためマニュアルの整備を短期間で行うことで、秋学期の授業開始までに、基本操作のマニュアルを中心に整備し、よく利用するリファレンスの提供や便利機能などのマニュアルは完成し次第提供をしていくようにしました。

教員からの声:

 秋学期から新たにOpen LMSを導入しましたが、春学期に引き続きコラボレーション・プラットフォームの利用をする教員も少なくありませんでした。授業ごとに利用するシステムが異なると、学生が混乱することが予想された為、遠隔会議システムを利用する教員にも、必ずOpen LMSに初回授業のトピックを作成してもらい、学生には、すべての授業で、まず最初にOpen LMSにアクセスするように促し、混雑を回避することができました。

教員からの声:

 Open LMSへの変更により、利用方法を再度習得、あるいは旧LMSからの教材の移行などが教員の負担になったと思いますが、学内において遠隔授業サポートセンターでの対応、Open LMSの利用に特化した研究会、遠隔授業そのものについてのFD研修会などが開催され、結果的に情報共有だけでなく教員のスキルアップへとつながりました。

■来年度のオンラインを活用した学習の取組みについて

 全学的には対面・併用の講義が50%以上となることを目標に、講義準備を行っています。対面の講義や併用の講義においてもOpen LMSの効果的な利用により授業の充実を図っていく予定です。その中で、Open LMSによる授業が定着してきたため、コロナ禍の状況に鑑みつつ、引き続き来年度も、全学必修科目や教養科目の約半数は、遠隔授業で実施することを視野に入れています。また遠隔授業は、キャンパスを越えての授業履修を可能としますが、全国展開型の東海大学は、この遠隔授業の利点を活かしつつ、今後もキャンパスを越えた遠隔授業の積極的な活用を検討していきたいと考えています。

問い合わせ先
アシストマイクロ株式会社
電話番号: 03-5302-2982
ラーニングソリューショングループ
MAIL: mr_info@assistmicro.co.jp
(アドレスは全角文字で表示しています)
URL: https://www.assistmicro.co.jp/

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