賛助会員だより

富士通株式会社

教学マネジメント強化に向け、教育目標を
実現するためのIR推進の基盤となる
統合データベースを導入
〜成蹊大学への導入〜

 成蹊大学では、教学マネジメント強化の基盤に、富士通の「Unified-One統合データベース」を導入しています。3つのポリシーを踏まえた取組みの適切性を点検・評価するための「IR指標」作成業務ならびに、指標策定のためのデータ収集から、洗浄、統合の工数を大幅に効率化し、その後の分析、ビジュアル化まで富士通の支援を受け、学修成果の可視化を進めています。

■導入の背景

教学マネジメント強化に向けIRを推進

 東京・吉祥寺にキャンパスを構える成蹊大学は、教育理念に「自発的精神の涵養と個性の発見伸長を目指す真の人間教育」を掲げ、学生一人ひとりの個性に応じた細かな教育を行っています。
 成蹊大学では文部科学省の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」に基づいた教学マネジメントの強化に向け、IR(Institutional Research)を推進しています。成蹊大学 学長室総合企画課 主査の宮坂 剛氏はIRについて、「意思決定や計画策定での判断を支援するために行う調査分析のことです。成蹊大学では、教育や学修に関するIR(教学IR)に、組織的に取り組んでおり、学位授与の方針(DP:Diploma Policy)、教育課程編成・実施の方針(CP:Curriculum Policy)、入学者受入れの方針(AP:Admission Policy)の3つのポリシーを踏まえた大学の取組みが適切であるかを判断するために実施しています」と説明しています。また、DP、CP、APの可視化及び検証のための具体的な内容、組織などを明文化してアセスメントプランとして公開しています。

■課題と採用

IRの課題を解決するために統合データベースを導入

 こうした指標を使ってポリシーを踏まえた取組みの適切性(達成状況)を可視化するためには、学内外の様々なデータを収集、洗浄、統合して分析しなければならず、そこにいくつか課題が生まれていました。「データを収集、洗浄して分析するまでに多くの工数、時間が掛かってしまっていました。これらの作業にはある程度のスキルも必要ですし、高度なソフトウェアなどを利用すると属人化してしまいます」(宮坂氏)。
 そこで成蹊大学が採用したのが、富士通の提供する「Unified-One統合データベース」です。Unified-One統合データベースは、学内で別々に管理されている学籍情報、履修情報、成績情報などを取り込み、アセスメントテストなどの外部データと合わせて、データ分析用の統合データベースを構築する大学IR向けのソリューションです。富士通では今回、BIツール「Tableau」と組み合わせ、データの統合から分析、ビジュアル化まで一連のIR活動を支援するソリューションとして提案を行いました。
 富士通の提案を採用した主な理由を宮坂氏は2つあげます。1つは、すでに導入している富士通の教務システム「Campusmate-J」との連携が容易なことです。もう1つは業務経験がない担当者でも利用できることです。「Campusmate-Jと連携することで学籍情報などをシームレスに、自動更新でデータを集約できます。従来は、依頼を書面で提示し、承認を得て、データ受領に出向き、などとデータ収集に工数が掛かっていましたので、大きな効率化につながります。また、IR担当者に配置転換後、1人ですぐに使えることも重要です。Unified-One統合データベースは直感的に、少しの習得で利用できるのが良いところです」と宮坂氏は採用のポイントを説明しています。

 

■活用

取組みが適切であるかを判断するための指標を作成

 導入はスムーズに完了し、まずは今まで実施していた学生アンケートなどを洗浄、統合して、Tableauで分析・グラフ化して検証を実施し、次に学内の複数部門から収集したデータを統合していきました。
 「アセスメントプランで策定した各項目について、順次データを統合して指標を作成している最中です。必要となるデータや見せ方など、富士通と相談しながらルールなどを決めています」(宮坂氏)。
 具体的な活用の一例としては、学生の英語力の伸びを評価するために、入学時と2年次に受験した外部試験のスコアをグラフ化し分析しています。はじめに、学年・学科間のスコア比較、2年次にスコアUPした学生比率比較などの基本的なデータを確認し、大学平均を超えている学科や、2年次にスコアを伸ばした学科などの基本的特徴を掴みます。

外部英語検定試験 学科間比較スコア分布

 次に、英語力を伸ばしている学生の特徴を分析します。統合データベースで連携されている、「英語科目の成績」「英語科目の履修状況」「GPA」などを変数とし、複数のグラフを作成することで、いくつかの「英語科目」が英語力UPに貢献している可能性が見えてきます。宮坂氏は「あくまで相関関係ですが、その科目を履修してない群との差が確認できました。この時点で、『英語力UP-貢献科目』であると考えて当該科目の要素を分析することも1つのやり方です」と解説します。
 しかしさらに分析を続けると、「英語力UP-貢献科目」を履修している学生層に偏りがあり、1年次に低スコアを記録した層の履修者は少なかったことがわかってきます。「現在の分析から導かれる改善例としては『低スコアを記録した学生が履修したくなる英語科目をつくる』などが考えられます。今後は現場の教員からのフィードバックを参考に指標化・分析を続けます」(宮坂氏)。
 こうした指標の作成やグラフ化など、これまで自力でやってきたものと比べると良いものができています。「教員からもグラフなどの見栄えが良いという評価をいただいています。スキルのない私たちでもここまでできるのはありがたいですね」と宮坂氏は話しています。

■効果と今後の展望

データ統合までの工数を大幅に効率化、今後もIR強化を推進

 このように指標の可視化についてはPDCAサイクルを回して改善を続けていますが、データの統合までの部分についてはすでに大きな効率化を実現しています。
 学籍情報などの教務データについてはCampusmate-Jとの連携により自動更新が実現されており、その他のデータについても収集や洗浄のルールを決めることで効率化しています。「以前は、収集から洗浄、統合までに6〜9割以上の工数が割かれていましたが、今は1割程度です。分析からビジュアル化、報告といった本来注力すべきことに多くの時間を掛けられるようになりました」と宮坂氏は話しています。
 今回の統合データベース導入において、「富士通には親身になって支援してもらっています。一緒に作ってくれていると感じていますし、高等教育における教学マネジメントのあり方や本学の方向性について理解してくれようとする姿勢はとても頼もしいです」と宮坂氏は富士通を高く評価しています。
 成蹊大学の今後のIR推進について、「現在の課題は指標の完成度がまだ低い点です。現場の取組みを真の意味で、点検・評価するためのIR指標であるか否かは重要であり、多くのコミュニケーションが必要だと考えています。より有用なIR指標を作成することで、教育内容の点検・評価及び改善につなげるサイクルを作っていきます」と宮坂氏は力強く語りました。

問い合わせ先
富士通株式会社
文教ビジネス推進統括部 大学ビジネス推進部
bunkyosa−daigaku@ml.css.fujitsu.com
(アドレスは全角文字で表示しています)

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