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武蔵大学ISOP導入事例
−学生参画授業での思考支援ツール−



1.はじめに

 武蔵大学では、ゼミの充実をめざし、多様な形態でゼミや授業を展開している。本稿では、学生の主体的な授業への取り組みを促進する「学生参画授業」(人文学部・経済学部対象:林義樹ゼミ)における思考支援ツールISOP(イソップ)の活用事例について紹介する。


2.「ISOP」とは

 「ISOP」(Ideal Solution Of Problem method by computer:パソコン支援による智的問題解決技法)とは、カードに入力した文章情報を基に、人間が文章の意味の近さを基準にしながらカードの収集・要約を繰り返した上で、最後に図解化するまでの過程を支援するパソコンツールである(販売:株式会社アイテック/開発:クラフト株式会社)。ISOP Ver2.1 for Windows Stand-Alone版の動作環境は、CPU:intel80486SX(推奨80486DX4)以上、OS:Microsoft Windows 3.1/95/NT 3.51が必須、Mem:12MB(推奨16MB)以上、HDD:15MB以上である。同大学では、19台のクライアント(PS/V)機に対して1994年からISOPを導入している。


3.具体的な導入例と導入効果

 同ゼミは、学生が主体となって全員が参画しながら運営している。参画を支援するしくみの一つとして、ラベルシステムという概念が重要である。ラベルシステムには2つの使用パターンがある。
 1つめの使用パターンは、学生同士で学びのプロセスを共有化するための支援ツールとしてである。
  1. 授業の開始直後および終了直前に、3×6cmの複写式ラベルに、学生が授業の課題および感想を書く。授業終了後、ラベル(複写の1枚目)をグループで集め、まとめ作業の代表者がISOPでまとめる。次の授業開始時に、”ラベルだより”として発表の代表者がプレゼンテーションする。
  2. 学生は、半期もしくは通年で蓄積していたラベル(複写の2枚目)を集め、”学びのプロセス図解”として、自分自身の学びの経過をISOPでまとめる。
 このように、1.では、自分の学びと他者の学びとで質や量の違いを比較することができるので、相互啓発の材料となる。また、2.では、授業全体を通して学びの過程を振り返れるので、何を学んできたか、自分自身の認識がどう変わっていったかなどを明確に理解することができる。これらの作業は従来、手書きで行われていたが、ISOPを活用することで、修正、蓄積、共有が飛躍的に簡便になった。(下図:「学びのプロセス図解例」)
 2つめの使用パターンは、授業中の学生同士の意見交換や議論のツールとしてである。たとえば、あるテーマを設定し各チームの中で意見をまとめ、プレゼンテーションを行う場合、ISOPは図解のプレゼンテーション支援機能も備えているので大変重宝する。主に教職課程の学生が使用しているのだが、ボトムアップで生徒の意見などをまとめることができるので授業をダイナミックに演出するのに効果的である。教育実習の場で手軽な教材作りの支援ツールとしても活用されている。



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  Tel:03-3662-6861 Fax:03-3662-3899
  E-Mail:isophelp@itec.co.jp
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