賛助会員だより

株式会社紀伊國屋書店


亜細亜大学
図書発注/整理アウトソーシングについて



 大学図書館は大学が本来保有している教育・研究機能へのサービス機関の大きな柱として益々重要な位置を占めつつありますが、現実は人材や予算の配分においてマイナーな取扱いしか受けていない例が多々あります。意のある大学ではこれを重大視し、全学的な見直しを中心に据えて新しい事業計画を立てて実行していく例もあります。
 弊社は平成7年度より亜細亜大学におきまして、経常購入図書の発注整理業務の委託を頂いています。以下にその内容・経緯をまとめ、報告します。


概要

 発注は、図書館選書委員の選定を受けて弊社PLATON(注1を通じて随時行い、現品は弊社プロセッシングセンター(注2へ直送され、そこで目録作成注(注3、装備を完了して、図書館へ納入します。
年間の処理対象和書約9,000冊
 洋書約3,500冊
 視聴覚資料約1,000本
発注から納入までの期間和書約1ヶ月
 洋書約2ヶ月
注1:PLATON(プラトン)は、インターネット環境で選書から発注・受入管理までの図書館業務をサポートする弊社のシステムです。インターフェイスにWWWブラウザ(Netscape)を採用、使い易い画面となっており、学内ネットワークに接続されたどの端末からでも接続可能です。亜細亜大学ではPLATONを利用した継続図書の管理も行っています。
注2:プロセッシングセンターは、弊社の図書目録作成、装備を行う専門部署。PLATONと組合せることで図書の納品スピードアップを実現しています。亜細亜大学に対しては、専任3名、補助2名のスタッフで対応しています。
注3:目録作成のソースは、和書弊社オリジナルKN-MARC、洋書は、世界最大の書誌バンクOCLCを利用し、データの品質を一定レベルに維持しており、作成した各々のデータは、和書はNACSISへ、洋書はOCLCへ所蔵登録までを行っています。
業務概念図


アウトソーシングの評価

 先頃平成9年度の作業を全て完了しました。この3年間、亜細亜大学様との業務担当者の方々との定期的な打合せを重ねた結果、アウトソーシング作業については現在ある得べき水準まで達しているとの評価を頂くまでとなりました。
 ここに至るまでは、図書館の従来の目録作成、整理業務の積み上げられたカルチャーを合理化するための擦り合わせの連続でした。特に請求記号の決定方法の統一、図書装備のマニュアル作成など、図書館員の方々の業務見直しの意志が強くなければ為し得ない作業でした。
 現在では発注時点での予算管理、納期の更なる短縮、作成したデータの受渡方法など環境に合わせた最善の方法を検討しています。
 弊社としましては、今後も業務の効率化、低コスト化を目指して一層努力して行く所存です。
*平成10年度も引続き目録/整理業務を委託頂くこととなっております。


まとめ

 従来図書館業務の中心であった目録・整理業務を完全に外注化し、図書館業務の核心を利用者サービスに向けられたことが、同学に高度情報化時代における情報センターとしての新しい図書館への展開をもたらすものであると弊社では切望しております。
 今後も図書館に集中される情報は、ますます増大し複雑多岐にわたると思われます。それら情報を整理し、館員の方々には利用者へのサポートに専念頂けるよう、安定した作業を目指していきたいと思います。



問い合せ先
  株式会社紀伊國屋書店
  営業企画部 牛口
  TEL:03-3354-5861
  FAX:03-3354-5975
  E-mail:usiguchi@kinokuniya.co.jp

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