特集

ネットワークの運用・管理(事例4)


長崎外国語短期大学



1.ネットワークの概要

 長崎外国語短期大学のネットワークGAIN(Gaigo Academic Information Network)の基幹LANは、それぞれ64Kbpsの専用線で長崎大学(SINETのノード)及び民間プロバイダと接続されており、それぞれインターネットにつながっている。基幹LAN配線システムは電話網とネットワークを統合したNTTのIIICSを採用し、このシステムによって今後必要がある場合には配線の変更をほとんど行わずに、FastEthernet、ATM、ギガビットのネットワークシステムへの移行が可能である。基幹LANはEthernetとスイッチハブの組み合わせにより機能しており、UNIXサーバ(DNSとメールサーバ機能)、PC-UNIX(プロバイダ接続用のIPアドレス変換とキャッシュサーバ機能)が配置されている。CAI教室や語学ラボラトリ、視聴覚教室間を結ぶメディアセンターLANは、基幹LANに過大な負荷をかけないようにファイルサーバ、WWWサーバ等を中心にFastEthernetとスイッチハブによって構成されている。なお、メディアセンターLANでは、操作が容易であることとWindowsとMacintoshとの混在システムであることから、ファイルサーバとWWWサーバとしてWindowsNTを使用している。GAINには約180台のPCが接続されており、これらの機器はメディアセンター外では、教員研究室、共同研究室、事務部門、学友会などに配置されている。このほか基幹LANには図書館LAN及び教務LANもつながっている。また一般教室のすべてに情報コンセントが配置されている。全学生・教員がGAINを利用しており、アカウント数は約700である。


2.運営・管理要員の構成

 メディアセンターの専任職員は5名、非常勤職員は3名である。この8名でセンター内の図書館、語学ラボラトリー、語学・情報教育の支援、コンピュータ教室の維持管理を行い、うち専任職員2名がそれぞれ図書館システムとGAINの必要最低限の管理・運営を行っている。学内には専門的なネットワーク管理の知識と技術を持つものがおらず、ネットワークの保守管理はほぼ全面的に業者に委託している。このほか奨学金を支給された学生数名がPCの維持を任されている。また、メディアセンター委員会所属の教員がホームページの制作・更新などの仕事に参加している。


3.外部委託について

 ネットワーク管理の外部委託は、文系小規模大学である本学においてはネットワーク導入の必要条件であった。そのためシステム選定にあたっては、システムが単純であること(障害が起こりにくい、常勤のネットワーク専門管理者を必ずしも必要としない)、メーカー独自仕様の機器をできるだけ使用しないこと(業者を問わず保守管理が可能)、その結果保守管理コストを低く押さえられること、異機種(WindowsとMacintosh)の混在が可能であることなどを重視した。複数のメーカー提案はいずれも条件を満たさず、最終的には2つの小さな地場企業A社とB社及びNTTによって共同で提案された現システムに決定した。
 A社とは基幹LAN及び関連サーバ類に関して、B社とはメディアセンター内LAN及び学内のネットワークPCの大部分、その他の機器について保守・管理契約を結んでいる。A社はリモートにより常時ネットワークの監視を行っているが、障害が発生しリモートで解決できない場合などは営業時間内であれば直ちに本学に出向する取り決めになっている。ただし、ネットワークはきわめて安定しており、情報交換も含めて実際の出向は1〜2ヶ月に1回程度である。B社は週1回程度定期的に出向し主として端末機器の保守を行っているが、急を要する場合にはこの限りではない。両社ともシステムの提案者であり設置業者であるから本学のシステムを熟知しており、障害が発生した場合の機器の交換なども含めて対応は迅速である。保守管理経費は、A社は月額約8万円、B社は月額約21万円である。両社及び本学共に地元の小規模の会社・学校であるために相互の立場を尊重しながら良好な関係を維持しつつ、身の丈にあったシステムの構築や維持管理ができているように思われる。業者及びメディアセンターは電子メール等で相互に情報の交換と蓄積を行っており、それらを総合して次年度に向けてシステムの部分的な変更や機器の更新を決定している。業者への日常の指示はセンター担当職員が行っているが、内容によってはセンター長が行うこともある。
図 長崎外国語短期大学 学内ネットワーク


4.運営・管理上の問題点・課題

 業者委託による保守管理を前提としてスタートとした現システムであるが、現在まで特に大きな問題は生じていない。本学のように学内に専門家がいない場合は、むしろネットワークやマルチメディアを利用した新しい教育に対応するコースウェア作成などに若干の困難が生ずるだろう。本年度からセンター内にマルチメディア教育研究会を設けて活動を始めているが、具体的な成果はまだ出ていない。最大の問題は、しかしメディアセンター予算が伸び悩んでいることである。現状ではソフトウェアの更新や機器類の陳腐化に十分対応できないのではないかと懸念される。今後、国庫によるいっそう柔軟な財政支援や大学等でネットワーク・システムやコースウェア等を安価に共同利用できるような体制づくりを待望したい。



文責:長崎外国語短期大学
 教育研究メディアセンター長・教授
 石川 昭仁

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