JUCE 社団法人 私立大学情報教育協会
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平成20年度

教育改革FD/IT理事長学長等会議 開催報告

開催日 平成20年8月7日(木)
会  場 日本大学会館(本部)
主  催 社団法人 私立大学情報教育協会
テーマ 大学、国、社会連携による学士力の強化
開催趣旨

  文部科学省中央教育審議会での検討で指摘のように、出口管理として高等教育の質保証の厳格化が一層要請されてきている。O E C D加盟30カ国で も23年度には高等教育P I S A版ともいうべき学部課程の学力調査を工学、経済学など特定の専門分野で実施する方向で準備が進められており、大学教育の質保証は国際的にも大きな課題となっている。
 日本の将来を左右する大学教育の成否を国の安全保障政策として受け止め、社会や国レベルによる連携・協力の中で総力を結集して人材育成に取り組むことが望まれる。学生の価値観、学力の多様化と低下を直視する中で、大学は受け入れた学生一人ひとりを責任をもって教育し、国・社会が 期待する有意な人材として輩出する義務がある。
 それには、中央教育審議会での討議を参考に学生が身に付けるべき能力 の明確化と統一試験などの認定方法、教育課程の再編成、初年次教育の充実、教育内容・教育方法の改善体制、成績評価の統一的な厳格化、教職員の意識改革と職能開発、大学のリーダシップ発揮など、山積する課題を解決するための戦略を大学、国・社会が連携する中で研究し、実現可能な取 り組みを展開していくことが望まれる。
 本会議では、大学の学士課程教育の構築に求められる課題を確認する中で、大学連携、国・社会との連携による教育改善の可能性について共通理解を得たい。

参加対象

  理事長、学長、理事、副学長(学長補佐)、学部長、教務部長(教員限定)、短期大学の学科長
参加者数   207名(106大学、10短期大学)
理事長、学長: 30名
副理事長、理事: 17名
副学長、学長補佐: 41名
学部長、短期大学学科長、教務部長: 56名
随伴: 50名
当協会役員: 13名

13:15 会長挨拶

戸高 敏之 氏(私立大学情報教育協会会長)
  会場校挨拶

小嶋 勝衛 氏(日本大学総長・理事長)


13:30 基調講演
 「中央教育審議会での学士課程教育の構築について」


 本年8月に答申予定の「学士課程教育の構築に向けて」について、改革の具体的な方策としての「大学の取組」と「国による支援・取組」の重要課題について解説いただく。ま た、日本学術会議に検討を依頼の学問分野別の到達目標の設定やモデル教材の開発など、 文部科学省の今後の取組みにも触れていただいた。

鈴木 敏之 氏
(元 文部科学省高等教育政策室長,現 東京大学本部統括長[経営・企画係])

 

 


14:40 講演「初年次教育における大学戦略と課題」

大学教育への適応能力が低下し、授業についていけない学生が急増しており、教育の質 保証に大きな影響をもたらしている。 大学として学生個人の能力に応じた初年次教育の実 効を高める教育学習支援の対策、能力の定着を図るための専門教育との連携、教員同士の役割分担、学習到達度を点検するポートフォリオの活用など、実践事例、課題を含め説明 いただいた。

濱名 篤 氏(関西国際大学理事長・学長)
 


15:50 講演「欧州等における大学教員に求められる教育力」

学士力を高めるには、大学としての総合的な教育力の発揮が望まれるが、その基本は教員一人ひとりの教育指導力の向上である。教育者に求められる能力について、欧州等での 考え方を紹介する中で日本の大学に適した枠組みをどのように考えるべきか、また、F D での取組みの工夫・課題について紹介いただいた。

加藤かおり氏(新潟大学大学教育開発研究センター准教授)
 


17:00 全体討議
「大学、国、社会連携による学士力強化の可能性を考える」


学問分野における到達目標、学習到達測定の大学連携、社会現場からの学びの動機付け、 教員と社会による情報交流・フィールドワ−ク、社会人専門家による授業支援など、一大学では対応できない教育課題について、産学官連携による教育システムを模索する。

事例・発題
 椎名 市郎 氏(中央学院大学学長)



討議
 椎名 市郎 氏(中央学院大学学長

 
戸高 敏之 氏(私立大学情報教育協会会長、同志社大学)
 井端 正臣 氏(私立大学情報教育協会事務局長)
座長
 向殿 政男 氏(私立大学情報教育協会副会長、明治大学)
 
椎名 市郎 氏
 

   


17:40 関連情報 「私立大学教員による授業改善調査の結果」
       「教育の情報化投資の実態」
       「著作権手続きネットワーク代行事業」

      

18:10 懇親会