JUCE 公益社団法人 私立大学情報教育協会
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平成24年度

教育改革FD/IT理事長学長等会議 開催報告

開催日 平成24年8月7日(火)
会  場 明治大学(駿河台キャンパス)
主  催 公益社団法人 私立大学情報教育協会
テーマ 大学教育の質的転換を図る主体的な学修の実現を考える
開催趣旨  文部科学省は、平成20年12月の「学士課程教育の構築に向けて」の答申で質的転換のために、学士力の明確化を促すとともに、教育課程の体系化、単位制度の実質化、教育方法の改善、成績評価の厳格化を提起し、大学に改革努力を求めてきた。4年後の現在、一部に改善の兆しはあるものの、大学全体では質の保証に向けた改革が進んでいない。社会の信頼に応える人材育成を目指して、大学は教育改革に不断の努力を続けているが、社会の評価を得る程に取り組みは進んでいない。
 そのような中で、本年3月26日に公表された中央教育審議会の「審議まとめ」では、グローバル化、少子高齢化など社会が急激に変化する予測困難な時代にあっては、生涯学び続け、主体的に考える力、対応できる力を育成する大学の改革が、国の未来に大きく影響することを大学や教員の責務として呼びかけている。
 未知の時代を生き抜く力を育成するには、講義を一方的に聞く受け身的な学びではなく、自ら考える課題解決型の主体的な学びの実現が求められる。学生の基礎学力低下、学習意欲の低下という問題を抱える中で、学生による授業の事前・事後の学修を組織的に徹底できるよう、大学としての具体的な取り組みが喫緊の課題となっている。
 そこで、本会議では、質を伴う主体的な学修の実現を目指すため、教育ガバナンスを担当する大学執行部として基本的に理解しておくべき問題を確認し、教学マネージメントの中での対応が望まれる取り組みや体制・環境について探求し、理解を深めることにしたい。
参加対象
  加盟大学・短期大学の理事長、学長、理事、副学長(学長補佐)、学部長、教務部長(教員限定)、短期大学の学科長
参加者数  

149名(71大学、7短大)


13:00 会長挨拶

向殿 政男 氏(公益社団法人 私立大学情報教育協会)
  会場校挨拶

日高 憲三 氏(明治大学理事長)


13:15

講演
「質的転換を図るための大学教育の基本課題と教育メカニズムの形成」

金子 元久 氏(筑波大学大学研究センター教授)

 教員の授業数は多いが、個々の授業にかける時間が少なく、結果として学生が主体的に学ぶ時間が少ないという日本の大学教育の基本問題を整理・確認する中で、教育の革新を生じさせるメカニズムの形成について、教育ガバナンスの役割、教員の意識変革、社会を組み入れた教育の在り方等の政策的課題を紹介いただいた。



14:30

講 演
「能動的学びを実現する『話し合い学習法』と学習支援システムによる効果の検証」

高木 功 氏(創価大学経済学部教授)

 大規模な授業に「話し合い」を導入することで、学生自身で調べ、思考し、振り返りを慣習化する能動的な学習を促進する協同学習で、討論のため予習、実施のステップと枠組みが体系化されており、参加する学生はスムーズに話し合いに入り、知識の再構築に向けた学びが展開され、教室外での主体的な事前・事後の学修成果について学習支援システムを用いた事例を紹介いただいた。



15:20  休憩(20分)

 


15:40

全体討議
「大学教育の質的転換を図る主体的な学修の実現を考える」 
 事前・事後学修を組織的に展開するための課題について、講演及び「審議のまとめ」を踏まえて整理・確認し、教育ガバナンスとして取り組むべき優先的な課題、例えば、事前・事後学修の把握と実現対策(ICTの活用含む)、教員同士の連携・協力による組織的な教育実施体制(授業科目のナンバリング含む)、教員相互によるシラバス点検と授業科目数の制限など、教学マネージメントの改善について対応策を探求した。

問題提起
座 長  :向殿 政男 会長
問題整理:金子 元久 氏(筑波大学大学研究センター教授)
取組紹介:
 「教育課程体系化のための方策(ナンバリング、キャップ制、アドヴァイザー制度、ポートフォリオの活用、GPAの厳格運用など)」
       日比谷 潤子 氏(国際基督教大学学長)
 「学修時間確保に向けた授業科目数の調整」
       椎名 市郎 氏(中央学院大学学長)
 「学習支援システムを用いた事前・事後学修の対策」 
       高木 功 氏(創価大学経済学部教授)

日比谷 潤子 氏


椎名 市郎 氏



 17:00 

関連情報提供

「5年先を目指した授業改善モデルの研究経過」
「私立大学における情報環境整備・利用の点検・評価」
「23年度における教育への情報化投資の実態」


17:30 懇親会