JUCE 社団法人 私立大学情報教育協会
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平成26年度 教育改革ICT戦略大会 開催報告

日  時 平成26年9月3日(水)・4日(木)・5日(金)
場  所 アルカディア市ヶ谷(東京、私学会館)
     
テーマ   「改革行動の展開に向けて」
     
開催趣旨  国は、平成29年度までの5年間を「大学改革実行集中期間」と位置付け、「グローバル化に対応した教育環境づくり」「イノベーション創出のための教育・研究環境づくり」「学生を鍛え上げ、社会に送り出す教育機能の強化」「社会人の学び直し、機能の強化」「大学のガバナンス改革、財政基盤確立による経営基盤の強化」に国家的な課題として取り組むことを提言し、今まさに国・大学・社会が一体となって取り組んでいる。
 そこで本大会では、大学力強化に向けた全学的な改革行動への取り組みについて、とりわけ、主体的・能動的な力の育成と、グローバルな視点で世界や地域社会に関与できる力の育成を目指すため、既成概念にとらわれず大学としての取り組みを振り返り、新たな改革行動に向けた戦略・戦術を探究する。
     
参加対象: 国公私立大学・短期大学の教職員、賛助会員(企業)
参加者数: 372名(154大学、10短期大学、賛助会員12社)





9月3日(水) 全体会

9:50

開会挨拶

 

公益社団法人 私立大学情報教育協会 会長 向殿 政男 氏



10:00 【産業界からみた教育改革】
 グローバル人材育成に向けた課題
   大学力強化に向けた全学的な改革行動への取り組むには、世界の変化、地域社会の変化に応じた独自の教育を展開していく必要がある。多様な価値観や世界観が混在する中で違いを受け止め、独自性をもって課題に向き合っていく人材育成を実現していくため、分野横断型の教養教育と専門教育を融合したリベラルアーツ型教育の必要性について認識を共有した。
   経済同友会 学校と経営者の交流活動推進委員会委員長
 DIC株式会社取締役会長                    杉江 和男 氏

11:00 【卒業生からみた教育改善】
 大学教育に対する卒業生からの改善要望
   卒業生からみた大学教育に対する意見を踏まえて、大学教育の改善に向けた要望を浮き彫りにし、社会で発揮できる能力をいかに育成していくべきか、産学連携、地域社会との連携などの面から考察した。
   入社3〜4年の情報系企業の社員3名

12:00 休憩

13:00 【学生の主体性を育む工夫】
 アクティブ・ラーニングの試み
   学生の主体的な学びを実現するための仕組みには、一方向的な授業ではなく、学生の能動的な学修への参加を目指した授業や学修法の工夫が欠かせない。講義と対話学修の組み合わせ、グループによる事前事後学修と課題発見・解決学修、多人数での双方向型授業など、授業目標を達成するための教育方法について取り組み事例を通じて探究した。
西村 宣彦氏


鈴木 久男氏
 長崎大学 経済学部教授  西村 宣彦 氏
 北海道大学 理学部教授  鈴木 久男 氏

14:00 【アクティブ・ラーニングに必要な学修環境】
 ラーニングコモンズの活用とファシリテータによる学修支援
   少人数のアクティブ・ラーニングから多人数に向けた学修発表まで、様々な使い方ができる共用施設としてのラーニングコモンズの活用実態とその効果について紹介された。また、文章の作り方、情報の読み方など初年次向けの基本的なスキルの習得と、問題発見能力などの育成をサポートする大学院生、教職員などによるファシリテータの仕組みが紹介され、アクティブ・ラーニングの展開に必要な学修環境について理解を共有した。
横山めぐみ氏


山本 敏幸氏
 創価大学 総合学習教育センター副センター長 山アめぐみ 氏
 関西大学 教育推進部 副部長           山本 敏幸 氏

15:00 休憩

15:15 【ICTを活用した新しい学び】
 反転授業の実践イメージと環境づくり
   アクティブ・ラーニングを効果的に進めていく授業方法の一つとして、eラーニングによる予習を義務付けた上で、教室で問題を解かせ、議論させることを通じて、知識の定着と活用を促進する反転授業についてJMOOCでの実施例を踏まえて、教育のイメージを共有した。また、反転学修を実現するための教材づくり、プラットフォーム、要員、費用などの条件について共有した。
本郷 和人氏


伊能美和子氏
 東京大学 史料編纂所教授 本郷 和人 氏
 株式会社NTTドコモ 教育事業推進担当部長 伊能 美和子 氏
   

15:55 【主体性を引き出すための大学組織としての取り組み】
 日本再生のための大学改革−求められる改革行動とは
   中央教育審議会「日本再生のための教育再生戦略」などを踏まえて、主体的・能動的学修の育成に向けた実践的な教育への取り組みの重要性を強調された。また、初年次教育の一環として、大学1年生に大学で学ぶことの重要性を産業界の協力を得て実体験させる中で、社会が学生に期待する学修について自ら気づきをさせる取り組みを紹介いただいた。

   中央教育審議会会長
 独立行政法人日本学術振興会理事長 安西 祐一郎 氏

17:00 終了

会場

 

 

 

 







9月4日(木) テーマ別自由討議
午前、午後で各2分科会を同時に実施


 
会場
10:00

12:30
【分科会A】 アクティブ・ラーニング実施に伴う課題の考察
 学生参加型学修としてのアクティブ・ラーニングを体験することにより得られる効果について、大学側の視点と学生側の反応を確認するとともに、対話学修での成績評価の客観性および主体性の定着度の評価を含めて考察した。
課題提起: 創価大学 栗山 直樹 氏(経営学部長)
       山梨大学 森澤 正之 氏(工学部教授) 





10:00

12:30
【分科会B】 多機能端末の活用と電子教科書導入による教育実践
 授業中の学生からの疑問点の書き込みによる授業内容の改善、学生同士の教え合いなど様々な教育に活用している多機能端末の導入と、企業と連携した電子教科書の導入の背景、目的、実施に伴う課題について、事例を踏まえて認識を深めた。
課題提起: 名古屋文理大学   長谷川 旭 氏(図書情報センター)
                     山住 富也 氏(図書情報センター長)
        青山学院大学    宮原 勝一 氏(経済学部長)





西
14:00

16:30
【分科会C】 学修支援の仕組みと支援者の養成
 全学共通教育で学術的文章の作成を動画配信し、ネットを通じて大学院生が指導する学修支援の仕組みの事例と、グループディスカッションの促進、レポートの点検・整理など、大学院生による教育支援と養成を組織的に展開する事例が紹介され、アクティブ・ラーニング実現のための支援体制について認識を深めた。
課題提起: 早稲田大学 佐渡島紗織 氏(国際学術院教授)
         大阪大学   堀  一成 氏(全学教育推進機構准教授)




14:00

16:30
【分科会D】 ラーニングコモンズの発展的な活用

 授業外学修の促進を実現するための学修環境として必要な施設、支援スタッフ、支援組織の構成などについて、事例を踏まえて理解を深めるとともに、様々な学修支援の工夫と教育組織との連携を通じた学修の質の転換を考した。

課題提起: 同志社大学 井上 真琴 氏(学習支援・教育開発センター事務長)
        立命館大学 八重樫  文 氏(総合企画室副室長、経営学部教授)





西

12:30

17:00


大学・企業によるICT導入・活用事例(ポスターセッション)

参加大学・企業と概要は こちら

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9月5日(金) 大会発表 (92件)


教職員によるICTを活用した教育・支援環境の事例紹介
(各発表タイトルや発表者名は、一覧で参照下さい)

各発表タイトル、発表者名の一覧
 

 

 

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