第7回産学連携人材ニーズ交流会開催概要報告

T.開催日時

平成28年3月4日(金)13:30〜17:00 人材ニーズ交流
                               17:15〜19:00 情報交流会

U.開催場所

ベルサール西新宿:東京都新宿区西新宿4-15-3 住友不動産西新宿ビル 3号館

V.参加申込者

大学関係者 66 大学 96 名

企業関係者 22 企業 38 名

                        計  134 名

W.開催趣旨

 自動車、家電、センサーなどあらゆるモノがネットワークにつながり、リアルタイムでデータ化される膨大なデータを活用することで、さまざまな価値の創出を可能とする時代が到来しています。ICTは、生活やビジネスを大きく変える「知」のインフラであり、地域や社会の課題を解決する手段として避けて通れなくなってきています。常識にとらわれることなく、さまざまな領域から多様な情報や考えを組み合わせ、新しい視点を提案し行動できる実践的な人材力の育成が急がれています。このような情報革命の時代に対応できる大学教育の転換を目指して、産学連携による分野横断型の教育改善を考える場とする。

X.プログラム

1.開会挨拶

 向殿 政男 氏 (公益社団法人 私立大学情報教育協会会長)

2.話題提供
(1)IoT(インターネット・オブ゙・シングス)の世界の潮流について

 光井 隆浩 氏(株式会社東芝 インダストリアルICTソリューション社
           IoT&メディアインテリジェンス事業開発室 室長附)

 あらゆるモノがネットワークにつながり、リアルタイムでデータ化されるIoTの時代を迎え、「ビッグデータの活用」が世界の潮流となっており、膨大なデジタルデータを生成・流通・蓄積し活用して新たな価値の創造や社会的課題の解決につなげる取組が活発化している。このようなIoTやビッグデータの活用で製造会社がシステム故障予知から運用管理マーケティングや経営管理に進出するなど業界や領域が大きく変化しつつある。今後ますます膨大化するデータの処理にはネットワークに限界があり、デバイスやエッジでリアルタイムの最適化処理が重要になることから、組込みによるエッジコンピューティングが重要になる。イノベーションを生み出す技術者に求められるのは、情報の専門知識だけでなくデータの全体像を捉えて発想し問題解決が構想できる幅広い学びが望まれることが強調された。

    話題提供資料

(2)新たな価値を創出するビッグデータの活用

 河合 美香 氏(富士通株式会社 統合商品戦略本部 エバンジェリスト)

 IoT等によるによるビッグデータ活用の進化はめざましく、新たなビジネスの創出や、食・農業、交通、健康・医療など地域や分野を超えたイノベーションの創出など本格的な活用フェーズに入ってきている。その上でビッグデータを活用して新たな社会課題を解決し、イノベーションに取組んでいる事例が紹介された。ビッグデータを活用するには、ビジネスの知見、分析力、ITスキルを持って、課題解決につなげる人材が求められる。大学教育では、課題を洞察する力、分析する力、数理的な力、技術ツールを活用する力の育成が急がれる。

    話題提供資料

3.課題提起

 大学教育での構想力の育成について
 大 原 茂之 氏(私立大学情報教育協会 情報教育研究委員会 情報専門教育分科会 主査)

 これからの情報系人材には、イノベーションに関与できる基本的な能力として技術力よりも構想力が求められている。このためには、「社会のニーズを知り、多面的視点でより良い社会を構想し、その構想をICT技術で実現していく構想力とそれを実践する取り組みが必要になる。具体的には、観察・気付き、 発想・問題発見、構想(問題解決)、 実践・見直しの観点にもとづいた教育モデルを初年次教育から産業界と連携して構築していく必要がある。このような人材育成に向けて本協会の情報専門教育分科会が取り組んでいる産学連携をベースとした教育モデルについて、情報通信系とデザイン・コンテンツ系のイメージを課題提起し、意見交換を行った。

    課題提起資料

4.全体討議

 話題提供、課題提起をもとに産学連携による分野横断型の情報系人材の育成について討議を行った。主な意見は以下の通りである。

  1. @ 分野横断型の教育について、「一つの領域を極める専門性」と「広く横断的な学び」のどちらが企業で求められるのかとの意見に対して、どちらも重要であるが「広く横断的な学び」による視野の広さや発想力がイノベーションの源泉になる。但し、開発部門では専門性を深く追求するため「一つの領域を極める専門性」が必要である。
  2. A イノベーションに向けた実践的な構想力の育成モデルが提案されたが、企業が求める人材イメージはどうかとの意見に対して、企業から「専門知識だけでなくスピード感を持って自分から問題発見・解決に取組める構想力を持った人材が求められる」ことが紹介され提案内容とのマッチングが確認された。
  3. B イノベーションに取組むための人材育成に企業としてどのように取り組んでいるのかとの質問に対して、企業でも具体的な研修は確立されていないが「やる気があり、自主的で具体的な発想」については積極的に意見を聞き、取り上げる取り組みを進めていることが紹介された。
  4. C 分野横断型の教育体系、構想力の育成などを考えたいが学内の理解・調整ができず実現が難しいとの意見に対して、現状では授業科目が独立していて、科目間の連携が取れていないことが問題である。この解決には教員同士が主体的に知識を組み合わせる工夫が必要で、1科目からでも連携して最良の教育を提供できるよう行動する努力が求められることが話し合われた。
  5. D 文系の学部での情報系人材の育成をどのように考えるかとの質問に対して、情報通信系企業では多くの文系学部の卒業生が活躍しており、企画や構想の場面で力を発揮している。そのためにはICT活用力に加え、統計学や自然科学、社会と連携した現場情報の教育などの教育が重要である。

5.産学連携事業「大学教員の企業現場研修」、「社会スタディの場」の取り組み報告

 本年度の「大学教員の企業現場研修」及び「社会スタディ」の実施状況を報告し、参加者からの高い評価を受けていることから今後も継続・充実・拡大していくことが報告された。

   開催報告(大学教員の企業現場研修)   開催報告(社会スタディ)

6.情報交換会

 約70名が参加し、今後の取り組拡大に向けた活動を継続していくことへの前向きなご意見を数多くいただいた。


今後の事業や委員会活動に
反映させていただきますので、
ご意見ご要望をお寄せ下さい。

私情協ホーム