社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第1回物理学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成18年6月2日(土)午後1時より午後3時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:藤原委員長、川畑副委員長、松浦、満田、徐、太田、寺田、藤原勉各委員、木田

V.検討事項

1. 報告書の授業モデルについて

(1) コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標(藤原委員長、寺田委員)

 寺田委員より、報告書の草案について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
  なお、寺田委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 「コア・カリキュラムとは、その分野の教育において、共通に教えておく必要のあるコア(「核」)となる科目群のことと定義されている」という一文は、冒頭に持ってきたほうが良い。
  • 物理学を必要としている他の工学系学科を対象とするのか、あるいは物理のプロパーを育成するための学科を対象とするのか、スタンスを明確化した方が良い。
  • 各論の科目配置の順番も、専門・基礎と並べ替えた方が良いのではないか。
  • JABEEの掲げた基準は、その教育内容や授業方法は含まれていない。それ故にJABEEに対するスタンスもここで触れた方が良い。
    → JABEEはあくまでも一つの事例として扱ったほうが良い。
  • 物理を専門としない学生を対象とするのであれば、「物理学」を「一般物理学」にすれば良いのではないか。

 

(2) 教育現場での課題(藤原委員)
  藤原委員より、報告書の草案について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
  なお、寺田委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 西暦の表記を揃えるべき。
  • 文中の表は紙幅を割いてしまうので、資料編としてデータとして収録すべきか否か検討すべき。
  • 私情協の調査結果は公表されているから、調査を分析した結果どのような課題が浮き彫りになったのかを重点的に書いたほうが良いのではないか。

(3) 教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性(太田委員)
 
寺田委員より、報告書の草案について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
  なお、寺田委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 第二段落の最後に「情報交換」とあるが、ここは徐委員の事例ともリンクしているから、「後にある事例のように」と加えてもよいのではないか。
  • FDの階層を明確した方がよい。ここでは大学の組織的な問題について触れているが、個人レベルや組織的レベルの問題があり、階層付けて整理したほうが良い。
    → 学科のレベルで手軽に実践できるFDの手法として、ピアレビューが挙げられる。ピアレビューを行うといかに教員同士互いの授業内容を知らなかったかがわかるし、自ら授業を行う際の参考になることが多い。

(4) ITを活用した授業モデルの紹介
@ 徐委員
  徐委員より、授業モデル「『科学するこころ』の修得を目指した『Reality のある物理学教育』のために」について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
なお、徐委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 部外者から見ると、「科学するこころ」の修得と「リアリティのある物理学教育」を授業内のどこで実現しているのか明確ではないのではないか。
    → 演示実験が一つの契機になると思う。実際に学生アンケートでは、力積の働きが応用された他の実例を探してみたい、というような回答があり、自ら考えることへの契機となっていると思われる。
  • 徐委員自身はIT活用の色が薄いと言われたが、授業シナリオを共有することはIT無くしては実現できない。この点は強調して良いのではないか。
  • コンテンツの画像や図表があるとわかりやすい。
  • リアリティのある動機付けの部分は記述されているが、科学するこころに対するスタンスについてもう少し触れた方が良い。
  • 授業シナリオについては文中に挿入すべきか資料編として収録すべきか検討したほうが良い。

A 松浦委員
松浦委員より、授業モデル「e-Learningを併用する初等物理学の授業」について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
なお、松浦委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 授業モデル、授業効果への言及が少ないので、もう少し詳細に触れた方が良い。
  • タイトルに「初等物理学」とあるが、1〜3との兼ね合いから混乱を来たす恐れがあるので変えたほうが良い
  • 各授業モデルのタイトルには、それぞれポイントを強調するキーワードをちりばめた方が良い

 

B 川畑副委員長
川畑副委員長より、授業モデル「ITを活用したマルチメディア物理学実験テキスト」について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
なお、川畑副委員長の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • 授業での位置づけがわかりにくい。実験のための予習テキストであれば、その点を冒頭で触れた方が良い。
  • 実験室にPCがあるのが理想であれば、それも提案したほうが良い。
  • 3の課題は、提案的な意味合いなのか、あるいは学生の反応に基づく主張であるのか明確化するためにも、語尾表現上注意を払った方が良い。
  • 満田委員のモデルとの差異化を図るためにも、強調すべき点を明確化した方が良い。

 

C 満田委員
川畑副委員長より、授業モデル「学生物理学実験におけるVOD 型テキストの導入と対面講義」について報告がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。
なお、満田委員の報告について意見交換したところ、以下の旨の意見があった。

  • タイトルに「学生物理学実験」とあるが、「学生」は削除しても良いのではないか。
  • 文中の「学生実験」と「学生物理学実験」をいずれかに統一した方がよい。
     

以上の意見を踏まえ、次回委員会までに各草稿を委員相互に査読いただき、内容・表記を確認することにした。