社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第2回英語教育IT活用研究委員会議事概要

機テ時:平成18年5月12日(金)午後5時30分から午後7時30分まで

供ゾ貊蝓Щ箴雍┿務局会議室

掘ソ仞兵圈北出委員長、安間副委員長、鈴木、小林、原田、山本、田中各委員、木田

検サ鳥進行

1. 18年度発刊の報告書について
(1) コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標
  田中委員より、「1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標」草稿について説明いただいた。詳細は配布資料を参照されたい。その後自由討議を行ったが、主な意見は以下の通り。

○ 語学以外の科目では、教科書が授業内容を規定すると考えがちであるが、英語はそのような科目とは異なる性質があるのでその点についても触れるべきではないか。また、英語教育においても大学間共通の枠組みや教育内容を比較するための枠組みなどあって然るべきであるが、たとえ共通した目標を掲げたとしても、そこに到達するための教育方法や教材は多様である。その点も踏まえた方が良い。
○ 現在中等教育では、英語の使える日本人の行動計画や学習指導要領に基づき、新しいコミュニケーション教育へと移行している過渡期である。コミュニケーション教育としての英語教育のコア・カリキュラムを考える場合、英語そのものに関する知識ではなく、何らかの知識を習得するためのprimary instrumentとして英語を捉える必要がある。その点で、他科目のように専門固有の知識の習得を目的と下コア・カリキュラムとは性質が異なる。それ故、ここでコア・カリキュラムを考える場合でも、中等教育の英語教育が新しいコミュニケーション教育へと移行したことを前提するのとしないのによって、内容が異なるのではないか。
○ ここでのコア・カリキュラムを意識した到達目標とは、大学の置かれた現状、つまり学生を社会に輩出する差異の大学の役割とは何か、ということが問われている。コア・カリキュラムの柱としては、まず大学は社会制度の一つであることから社会に対する説明責任を有していることから、社会的実践を伴うコミュニケーション教育が挙げられる。次にグローバル化の進展に伴い異文化コミュニケーション教育が挙げられる。具体的な目標については各大学が設定すれば良いが、その目標と実際に社会に出た学生を評価するための、大学間共通の基準・フレームワークとなるものをここで提案すればよいのではないか。
○ EUのCEF(Common European Framework)がうまく機能しているのは、自国に対する意識や他国への理解という包括的な目標として掲げられていることに一因がある。他方日本で仮に同種のフレームワークを構築しても、本来の目標から逸れて単なる技術教育に陥りやすい。その点も指摘した方がよい。
○ 例えばPBLのような授業形態では、社会的実践を基準として学習成果を評価されるべきである。具体的には人への貢献、人からの感謝、達成感や充実感など挙げられる。しかし、英語教育でそこまで目標と掲げるべきなのか。

 以上の意見を踏まえ協議した結果、ここでは知識教育ではなく、コミュニケーション能力育成のための英語教育として、コア・カリキュラムを想定することにした。なお、次回委員会までに田中委員には二次草稿を提出いただくことにした。

(2) 教育現場での課題
  小林委員より、「2.教育現場での課題」草稿について説明いただいた。詳細は配布資料を参照されたい。その後自由討議を行ったが、主な意見は以下の通り。
○ ここでの「課題」は「問題点」として捉える必要はないのではないか。例えば教材は誰が作成するのか等の瑣末な問題を取り上げるのではなく、IT活用により実現可能なコミュニケーションの広がりの可能性などについて触れるべきではないか。
○ 大学の英語教育では、少人数クラスの授業を週2〜3回実施することは不可能であり、その意味で教員学生がコミュニケーションすることにも限界がある。しかしながら、授業外でのITを活用することによって、コミュニケーションを密にすることも実現できる。
→ 掲示板やメールを活用しても、その効果をいかに検証すべきであろうか。
→ そこで、「3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性」と合わせて本章を検討する必要がある。LLやCALLと同様にコンピュータも単なるティーチングマシーンとして捉えられがちであるが、授業設計次第でコミュニケーションツールとなり得る。3では協働学習の場を設計するためのIT活用を提示し、2ではそれが実現できない現状の(教員、学習者、授業内容、カリキュラムなどの)問題点を列挙すれば良いのではないか。
→ 大学や教員によって異なる問題点を抱えていることから、一般化できないのではないか。
○ 4の授業モデルでもコミュニケーションツールとしてのIT活用という視点に立っているので、IT活用が単なるティーチングマシーンには陥らないところに焦点を当てない限り、3に繋がらないのではないか。
→ 課題がIT活用の話題に集中しないように、教員の視点や学生の視点も絡めた方がよい。例えば、昨今の学生は自律性が弱いという問題を抱えているが、そのような学生に一方的にティーチングしても改善の見込みは薄いのではないか。そのような視点を取り上げることで、3、4とも繋がっていくのではないか。
 
以上の意見を踏まえ、次回委員会までに小林委員には二次草稿を提出いただくことにした。

(3) 教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性

 安間副委員長より、「3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性」草稿について説明いただいた。詳細は配布資料を参照されたい。

 なお、時間の都合により全ての草稿について討議できなかったことに鑑みて、次回委員会では委員各位に各草稿に目を通した上で、意見交換することにした。