社団法人私立大学情報教育協会
平成19年度第1回法律学教育FD/IT活用研究委員会議事要旨

機テ時:平成19年12月13日(木)午後6時から午後8時まで

供ゾ貊蝓Щ箴雍┿務局会議室

掘ソ仞兵圈У般邂儖長、野口、執行、加賀山、笠原、高嶌各委員、井端事務局長、木田

検サ鳥進行

 井端事務局長より、文部科学省中央審議会大学分科会制度・教育部会学士課程教育の在り方に関する小委員会「学士課程教育の再構築に向けて」(審議経過報告)について説明がなされた。要旨は以下の通り。

(1)資料「参考1」について

本資料は、上記委員会が今後の大学の課題と政府としての取り組みをまとめたものである。

ヽ悵未亮与、学修の評価について

【国による支援・取組】

  • 学士が保証する能力の内容として、各専攻分野を通じて培う「学士力(仮称)」を示し、教育の質保証の枠組み作りを促進支援する。
  • 学士力は、知識・理解、汎用的技能、態度・志向性、統合的な学修経験と創造的思考力の4つから構成される。詳細は配布資料を参照されたい。
  • 学士力に加えて、各専門分野別のコア・カリキュラムの策定、モデル教材やFDプログラムの開発などを促進する。
  • 産学連携の促進に向けて、必要な支援や協力を要請する。

教育内容・方法等

【大学の取組】

  • キャリア教育は、アウトソーシングに偏ることなく、教員が参画して学生のキャリア形成にあたる。アカデミック・ライティング等は共通基礎科目だけでなく専門科目の学習して訓練することが望ましい。

【国による支援・取組】

  • 個性や特色のある教育課程に関する優れた実践に対し、積極的に支援、体制を整備する。
  • 産学官の対話の機会を設け、インターンシップの推進に向けた理解の増進などの環境整備を進める。

6軌虔法

【改革の方策】

  • 学習の動機付けを図りつつ、双方向型の学習を展開するため、講義そのものを魅力あるものとするとともに、体験活動を含む多様な教育方法を積極的に取り入れる。(協調・協同学習、PBL等の導入)
  • ICTの積極的な導入により教育方法の改善を図る

【大学の取組】

  • 少人数指導の推進やICT活用などに必要な施設・設備の整備の整備
  • 教育方法の革新に向けた調査研究、情報収集・提供、学協会の取組の連絡調整等を行うナショナルセンターの創設を検討

だ績評価

【大学の取組】

  • 学習成果を学生が自己点検・管理するための学習ポートフォリオの導入・活用

【国による支援・取組】

  • 徹底した出口管理、成績評価の厳格化について先導的に取組んでいる大学に対する支援
  • 大学間の連携、学協会を支援し、国際的な通用性に留意しつつ、分野別の学習成果や到達目標の設定などの取組を促進

ザ疑Πの職能開発

【大学の取組】

  • 教員の人事採用に当たって、研究面に偏ることなく教育面を一層重視
  • 人材育成の目的に応じて大学院における大学教員養成機能(プレFD)の強化

【国による支援・取組】

  • 高度な専門職である大学教員に求められる専門性、FDによって開発すべき能力に関する枠組み等の策定を検討
  • 優れたFDSD活動を行う大学に対する支援とその情報提供
  • 大学間の連携、学協会等を支援し、分野別のFDプログラムの開発研究
  • FDの推進に資する大学教育支援センターの設置

次に、上記答申に対する本協会のパブリックコメント(参考2)と、上記委員会に井端事務局長がヒアリングのために招聘された際の報告要旨(参考3)について説明がなされた。ポイントは以下の通り。

(2)学士課程教育の再構築に向けてに対する意見(参考2)

  • 報告全体に対しては、理事長学長のリーダーシップを発揮して、教育理念や目標を大学全体で共有するようガバナンスの改革について言及すべき。
  • 学士力については、コミュニケーションスキルとして、日本語を用いて議論、文章表現することを重要視すべき。
  • 改革の方策の、「ICTの積極的な導入」については、可能性と限界を判断すべき
  • 成績評価については、一回の筆記試験だけではなく、小テストや授業での質問、課題学習等により多面的に評価すべき。また不用意はGPAの導入は、学生を楽勝科目に走らせる可能性がるので注意すべき。
  • 教職員の職能開発については、授業改革憲章を各大学が取りまとめ、教員が主体的に教育の改善に取組むよう合意形成すべき。

(3)大学教員に求められる指導能力

  • 大学設置基準において、教員の教育上の能力については一切触れていないことから、国として最低限求められる資質を明記すべき。
  • 教員の教育力を、大学関係者のみならず産業界も含めて議論し、国として判断材料を提供すべき。
  • 本協会として、教育力のイメージを「ファカルティ・デベロップメントとIT活用(ー業の設計・評価・改善の能力、学生主体授業の取り組み能力、人間力向上への取り組み能力、ざ擬竺阿任粒惱指導能力、ゼ業の質保証取り組み能力、Χ軌藺崚戮亡悗垢詛塾蓮↓Ф軌蕾善に向けた提案・啓発の能力)」に掲載した。
  • これらの教育力を、学識、技能、態度、実践という側面から、整理・カテゴリー化すべき。

 以上の説明を受けて自由討議したところ、以下の旨の意見があった。

  • これにより、大学教員は個人的趣味の研究により給料をもらうことに危機感を覚えるだろう。
  • 大学教員には一般的な情報リテラシーが欠落している。職能のところに、情報管理の側面も加筆したほうが良い。
  • 職員も教員の下請けをしていると楽だから、結局指示待ち状態である。また教員もアバウトな方が多く、職員を小間使いのように扱うのは大きな問題である。大学のガバナンスとして見直す必要がある。
  • 教員の社会活動を学生が知ると、受講態度がガラッと変わる。教員は学外の社会活動を広く発信しなければならない。
  • ポートフォリオに関しては、まさに教育学グループにとって議論するための適材である。時間は掛かるかもしれないが、ポートフォリオを作成することもできる。

以上の説明を受けて、自由討議したところ、以下の旨の意見があった。

<カリキュラム、科目間連携について>

  • 法科大学院の教育は、臨床教育とリーガルクリニックが最高地点に位置すると考える。つまり、基礎的な力ためながら、最終的には模擬法廷での弁論、または実務家と組んで法律問題解決できる能力を身に付けることが目標である。しかしながら、科目間の連携、特に基礎系と臨床系との連携が取れていないのが現状である。
  • カリキュラムの順序として、学生は基礎科目をはじめに履修し、その上で応用科目を履修することになるが、応用科目を担当する教員は、学生は基礎ができていないと不平を言う。しかし、基礎科目を先に教えたからといって必ずしも応用科目にそれを適用できるとは限らない。むしろ応用科目を学んで初めて基礎科目の内容が理解できるという側面がある。それ故、科目間連携は不可欠である。
  • そもそも教員が、他の教員がどのような授業を行っているかということすら把握していない。授業参観は時間的に困難だとしても、授業内容や教材を閲覧可能にするような仕組みが必要である。
  • 実務的能力、司法試験の問題を解くことのできるような能力を身に付けるために、どのような知識が必要であり、それらを活用してどのように問題解決することが必要であるのかを教員が把握した上で教育を行い、学生の到達度を教員がチェックするという教育システムがないと科目間の有機的連関を実現することは難しい。法科大学院では、教員がバラバラに授業を教えているため、学習者自身が頭の中で連関性を構築しているが現状である。
  • 医歯薬学分野では、モデル・コア・カリキュラムが作成されていて、各大学は7割コア・カリキュラムに従った教育を行い、3割は大学独自の教育を行うこととされている。法科大学院も国家試験と密接に関係しているのであるから、同様のシステムが必要ではないか。

<ポートフォリオについて>

  • ポートフォリオとは紙ばさみのことであるが、教育ポートフォリオとは、教員自身が授業を運営する上での自己点検項目を設けて、日々教員自身が授業を振り返るためのツールである。
  • 学習ポートフォリオは、学生自身が授業で習得した能力を自己評価するためのツールであり、教育ポートフォリオと同様に、点検項目を設けて日々自己の能力振り返ることが必要である。
  • 法科大学院の目標は明確化されているからこそ、コアカリキュラムの体系化とポートフォリオの構築は可能であると考える。それが実現できれば、法学部でも活用することはできるのではないか。

<学士力について>

  • 仮に学士力を専門分野別に考える場合、その能力を客観的に担保する制度的枠組みを構築することは難しいのではないか。
  • 審議経過報告の内容を必ずしも金科玉条として実行する必要はなく、あくまでもそれを参考材料にしながら、最終的には個々の大学や学部がどのような人材を育成すべきか考えなければならない。
  • 法律を学んだ者は、法曹界に進むにせよ、企業に就職するにせよ、法的推論と知識を用いて平和的に問題解決する能力は共通に求められる。

 以上の意見を踏まえ、吉野委員長より法学におけるポートフォリオと科目間の有機的連関を目指した教育システムを、本委員会としても提言すべきとの提案を踏まえて、次回委員会でもポートフォリオ、コア・カリキュラムについて継続して検討することとした。