社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第4回経営学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成17年3月15日(火)午後3時から午後5時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:藏下担当理事、野澤委員長、岩井、加藤、佐藤、松島各委員
       井端事務局長、木田

W.検討事項
1. 次年度の活動方針について
事務局より18年度に発刊を予定している報告書について、下記の旨の説明がなされた。

大学では、授業内容が担当教員に一任されており、人材育成を目標とした一貫的なカリキュラム設計がなされていない。そのため、社会から大学教育に対する批判の声が上がっている。それを受けて、中教審大学分科会の答申「我が国の高等教育の将来像」においても、各学問分野別のコア・カリキュラムの作成及びコア・カリキュラムの実施状況と大学評価の有機的連動が謳っている。
  そこで、18年度の報告書においては、経営学分野においてもコア・カリキュラムを意識して、学習項目ごとに教育目標を明示して、その目標到達に向けた効果的なIT活用モデルを提言いただきたい。

 以上の説明に基づき意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

・ 青山学院大学国際マネジメント研究科は、専門職大学院としてゼロから創設されたこともあり、体系的なカリキュラム編成を構築する必要があった。検討の結果、マネジメント、アカウント、オペレーション、ファイナンス、マーケティングの5分野をコアとして、専門科目を編成した。専門職大学院には、社会人学生と学部から進学した学生が混在しており、習得している知識の量も異なることから、クラスやカリキュラム分けの必要が生じているが、専門科目については、クラス分けに関係無く全学生が共通して習得すべき学習内容に収斂するよう努めている。
・ 経営学を教えることの目標を検討する余地はあるが、経営学も専門領域が細分化しているために、体系的なコア・カリキュラムを構築することは難しいのではないか。
・ 経営学全ての科目を網羅したコア・カリキュラムを提案することは困難である。委員会として可能であるのは、学生のレベルに応じたコア科目と周辺科目の選別を図ること程度ではないか。
・ たとえコア・カリキュラムを作成しても、経営実務で必要とされる知識やスキルは日々刷新されていくことから、陳腐化してしまうのではないか。

 以上。コア・カリキュラムを踏まえた体系的アプローチと、各授業におけるITを活用した教育方法や効果的なコンテンツのあり方などの個別的アプローチの刷り合わせについては、今後も継続して検討することとした。

2. 次期委員長について
16年度をもって、野澤委員長が阪南大学を退職されることに伴い、次期委員長を互選した結果、17年度より松島委員に委員長を就任いただくこととなった。また、岩井委員には、新に副委員長に就任いただくこととなった。
また、今後は企業人を招いて経営学教育に関するヒアリングなども実施していくこととした。