社団法人私立大学情報教育協会

第1回経済学情報教育研究委員会議事概要

T.日時:平成14年11月30日(土)正午から午後2時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:藏下理事、山岸委員長、藤川副委員長、浜田、林、渡邉、中嶋委員、井端事務局長、木田

W.検討事項

(1) 新委員の紹介

本年度より、渡邉隆俊氏、中嶋航一氏が委員に就任したことに伴い、それぞれ時期紹介があった。

(2) 今年度委員会活動について

事務局より、今年度委員会活動の指針について説明があった。概要は下記の通り。

2002年11月に開催された創造的パートナーシップのための日豪会議において、  e-Learningの内容や形式の標準化に向けて、日豪間の共同作業が必要であると宣言されたことや、医歯薬学分野では、カリキュラムの標準化やComputer Based Trainingなどの実施によって、個々の大学においてバラツキのあった教育内容の標準化は図られているという情勢を踏まえ、今後は経済学の委員会としても、教育方法のみならず教育内容の豊富化についても検討するべきであるとの説明があった。

 以上を踏まえ、昨今の経済学教育の実情や、今後の委員会活動について自由討議したところ、下記の旨の意見があった。

  • 経済学は、各国の経済事情はそれぞれ異なることから、国際間での標準化は困難であると言われているが、経済理論であれば、標準化は可能である。
  • 医歯薬学は、国家試験があるから標準化しやすいという事情がある。社会科学では、標準化の基準となるべきものが確立されない限り難しいのではないか。ただ、将来的には標準化されることは望ましい。
  • 教育水準の向上を目指すためにも、経済学の標準化のみならず、経済学教育での教育評価の基準の設定は必要である。
  • 国際間での標準化も必要であるが、日本国内の学力の低い学生に対して、どのように学習意欲・効果を向上させていくかをまず考える必要があるのではないか。
  • e-Learningであれば、学生のレベルに応じて様々なコンテンツを提供できるから、それを通じて対処していくのも一つの方法ではないか。
  • 2007年には大学入学希望者全入時代を迎えると言われているが、そうなると学生の平均的学力が益々低下すると見込まれる。
  • 現状では、教員個々の授業内容はバラバラであるし、教材もバラバラである。標準化を狙うのであれば、教材の共有化も考慮していく必要がある。
  • 学校教育法の改正に伴い、2004年度より全大学に対して第三者評価の導入が義務付けられることとなった。つまり大学は、自大学の教育内容や教育効果についての責任を取る必要が生じたことになる。今後は本委員会としても、教育内容・効果について研究する必要があるのではないか。
  • 本委員会としても、以前作成したマクロ経済学・ミクロ経済学入門電子教材集の目次・中身を再検討する必要がある。

以上を踏まえ、次回の委員会では、マクロ経済学・ミクロ経済学入門教材集の目次案の再検討とともに、実際の授業にて求められる教材・素材をピックアップすることとした。