社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第2回経済学教育IT活用研究委員会議事概要

機ナ神17年6月18日(土) 午後2時から午後4時まで

供セ箴雍┿務局会議室

掘ソ仞兵圈Щ慨澎儖長、大林、林、中嶋各委員、井端事務局長、木田

検ジ‘せ項
1. 経済学教育におけるコア・カリキュラムについて
  前回の委員会では、山岸委員長より実際の社会現場で経済学を用いる職種を結び付けたマトリックスを作成いただいた。このマトリックスは、学年別に学ぶべき学習項目と、社会現場で使用する知識を対応させており、将来志望する職種にはどの程度の知識が必要であるのかを一覧視することができる。今回は、このマトリックスに具体的なマクロ経済学、ミクロ経済学の学習項目を振り当てることにしていたが、それに先立ち昨今の学生に関する問題点を意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

・ 学生は経済学以前に、現実の経済についての知識も興味も無いので、経済学への導入として、経済の仕組み(経済循環など)から話を始めなければならない。しかしながら、それでも経済学の専門用語を使用する途端に挫折してしまう者が多い。
・ 昔と比べ、数式の掲載数も少なくなるなど、教科書のレベルも平易になっているが、それでも学生は付いて来ることができない。例えばグラフの読み方を知らないなど、基礎学力の欠落が大きな要因となっている。
・ アメリカでは、初等中等教育から、経済や投資に関する教育を実施している。日本でも、社会科の授業においても経済教育に重点を置くことが望まれる。

以上の意見を受けて、事務局より、内閣府による初等中等学校における経済教育の啓発を目的とした、モデル教材に関する情報提供がなされた。この教材は、牛丼店の起業から経営をシミュレーション形式で学ぶ中学生向けのものであり、インターネットでの配信を予定している(http://www.keikyo-center.or.jp/jigyo/main.html)。この件について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

・ この教材は、従来の知識伝授型ではなく、問題発見型の教育を志向した教材である。学生は、このような問題発見型教育から導入した方が、動機付けに適しているのではないか。
・ アメリカでは、大学院に入ってコア・カリキュラムのような従来の基礎的理論を重視した教育を徹底的に行う。基礎的理論を踏み台とした上で、彼らは独創的な論文を上梓するが、実務においても、独創的な仕事を行うためには、基礎的理論の習得は不可欠である。問題発見型教育で動機付けした上で、理論へと遡行するような、基礎機教育と応用教育の組み合わせが必要である。
・ サミュエルソンの教科書には、具体的な事例がいくつも掲載されているが、日本人の書いた教科書は理論一徹である衒いが強い。しかし、アメリカの教科書は、高校での教育の流れを踏まえた構成であるから、必ずしも日本人に馴染むものではない。
・ 経済学は、理論中心に発展した学問であるため、実学的要素は少ない。経営学は、ケーススタディを作成することにより研究業績となるが、経済学では業績にならないので、現実の事例をケースとした教材が少ない。

以上の意見を踏まえ、次回委員会では、マトリックスに対して具体的な教育目標を策定し。その上で目標達成に有効なITを活用した教育方法のモデルを検討することとした。なお、18年度に発刊する報告書では、授業モデルを、4事例程度を目安として紹介することとした。
2.その他
  大林委員より、自身の担当されているHIEB講座について紹介があった。この講座は、女子学生を対象として実務能力の育成を目的としており、各界の著名人を招いた講義を実施するほか、調査等のプロジェクト、合宿を実施する講座である。産業界から講師を招く際には、(社)消費者関連専門家会議(http://www.acap.or.jp)を通じて派遣を依頼している。ただし、講座の時間が学生の所属するゼミの開講時間とバッティングして、参加することのできない学生がいるなどの問題も生じている。

 また、事務局より、基礎学力補強に関する取り組みとして、日本文理大学の基礎学力支援センターについて紹介がなされた。このセンターでは、国語・英語・数学・物理・情報の基本5科目について、少人数制による補習授業を行っている。具体的には、配布された問題集を学生が自習により解答し、センターにて教員により直接指導を受ける。
(http://www.nbu.ac.jp/university/university_3_1.html)