社団法人私立大学情報教育協会
平成17年度第3回経済学教育IT活用研究委員会議事概要

機テ時:平成17年7月20日(水)午後4時から午後6時まで

供ゾ貊蝓Щ箴雍┿務局会議室

掘ソ仞兵圈Щ慨澎儖長、大林、林、渡邉、児島、山田、中嶋各委員、井端事務局長、木田

検ジ‘せ項

 本年度より、新委員として児島 完二 氏(名古屋学院大学経済学部)、山田 勝裕 氏(京都産業大学経済学部)を迎えたことに伴い、自己紹介がなされた。

1. 経済学教育におけるコア・カリキュラムについて

 はじめに、山岸委員長より、これまでの経緯について下記の旨の説明がなされた。

 18年度に発刊を予定している報告書の学系共通テーマとして、「コア・カリキュラム」が掲げられていることに従い、本委員会でも海外の経済・経済学教育の現状を参照しながら、大学における経済学教育のコア・カリキュラム案を検討してきた。現在までの案としては、一般教養課程(1〜2年生)、専門課程(3〜4年生)、修士課程、博士課程の段階別に、社会生活での応用性を一般的な到達目標として付与するとともに、習得すべき経済学の知識や概念を並列するマトリクスを作成している。
  IT活用に関しては、経済学では主に計量経済学においてコンピュータを活用してきたが、インターネット、マルチメディアの発達により多様な分野で活用することが可能となった。そこで、本委員会では、IT教材は特に学生のモチベーションを高めるツールとして有効であると考え、その具体的な活用方法を検討している。来年度の報告書でも、コア・カリキュラム中の一般教養課程に重点を置きながら、ITを活用した授業モデルを紹介したい。

 次に、大林委員より、ECONOMICS CANADAと専修大学で実施されているHEIB講座について、下記の旨の説明がなされた。

 ECONOMIS CANADA(http://www.cfee.org/economicscanada/)は、一般市民のエコノミック・リテラシーを向上させるために、Canadian Foundation for Economic Educationが策定した経済教育のガイドラインである。
  HEIB講座は、専修大学が女子学生を対象とした、消費者問題の専門家育成のための講外講座であり、本年25周年を迎えた。具体的には、企業より講師を招聘して、ビジネスマナーやパソコンの講座が開かれるほか、グループディスカッションや消費者調査、合宿も行う。受講者数は約90名で、受講年数は2年間である。費用は、年間19000円学生が負担する。なお、講外講座のため希望者のみ受講可能で、単位には換算されない。

 大林委員の説明について、下記の旨の質疑応答がなされた。

Q1.HEIB講座をビデオ撮影し、コンテンツ化して大学間で共有化することは可能か。
A1.ビデオ撮影すると、企業側が警戒して許可しない場合が多く、たとえ撮影許可が下りたとしても、差し障りの無い話で終始してしまう可能性が高い。むしろ記録として残らないリアルタイム配信の方が実現の可能性は高い。

HEIB講座に関連して、経済学と実務に関して意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

・ コア・カリキュラム案の一般教養課程に該当する、「経済」と「経済学」への橋渡しが困難である。学生は、実際の経済について関心が無いから、講義を聴いても右から左へと話が抜けてしまう。
・ 経済学は、現実を客観的に評価する能力を育成することが目的であるが、その技術を教えても学生は追従することができない。
・ 昨今は、M&Aや投資信託など、教科書的な理論に拠らずに多額の利潤を上げる人物に脚光が浴びせられているが、一方で教科書的な経済学は実務に直接的には関わることが少ないため、学生の関心を起こさないという一面もある。それ故、コア・カリキュラムのようなスタンダードな経済学を押さえる一方で、ケーススタディを中心とした実践的な内容も並列して教えていくべきではないか。
・ 昨今の学生は、授業で身銭を切って株式投資を行わせ、リスクを体験させることでもしない限り、経済学の重要性を理解できないのではないか。

次に、事務局より18年度発刊予定の報告書について、下記の旨の説明がなされた。

報告書の作成に向けて、まずはこれまで検討してきたマトリクスを文章化いただきたい。また、これまでの各委員の意見から、経済学では動機付けを高めることが最も重要課題であることから、例えば基礎知識を身に付けるためにLearning Management Systemを活用した授業事例や、帝塚山大学のように大学間で授業を共有化する取り組みや、産学連携により作成されたオンデマンド教材を活用した授業事例を紹介したいと考えている。報告書の発刊時期は、18年度の11月であるが、執筆は18年4月の開始を予定している。次回委員会では、コア・カリキュラムを文章化するとともに、具体的な授業モデルについても検討されたい。

以上の説明について、中嶋委員より下記の旨の意見があった。

TIESのシステムには、授業録画を自動的に行う機能がある。それを用いて、例えば委員一人につき、コア・カリキュラムの項目を2項目担当してビデオ教材を作成すれば、10個以上のコンテンツを作成することが可能である。その上で、委員が相互に教材を活用し、他の委員や学生の評価を取り入れることによって、より効果的な教材へと磨き上げることが期待できるし、さらにはFDにも繋がるのではないか。

以上の意見を踏まえ、次回委員会では、中嶋委員より教材のサンプルを提示いただくこととした。