社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第2回機械工学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成18年6月22日(木)午後6時から午後8時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:曽我部委員長、角田、青木、森沢、田辺各委員、井端事務局長、木田

W.議事進行

1.ITを活用した授業モデルの事例紹介
@ 産学連携による遠隔授業(田辺委員)
田辺委員より、授業モデル案について報告いただいた。詳細歯配布資料を参照されたい。
なお、田辺委員の報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

  • 特別講師としてお迎えした篠崎氏、松本氏から、産学連携実現に向けての課題(組織的制約等)についてコメントをいただき、掲載した方が良い。
  • 授業効果として動機付けを高めた点を指摘できると思う。その他にも、今後の課題として、動機付けをどのように持続させるか、成績評価をどのように行うか、といった点にも触れておいたほうが良い。
  • 報告タイトルが長いので短くした方が良い。

以上の意見を踏まえ、次回委員会までに草稿を再提出いただくことにした。

A デジタルエンジニアリングによる新しい教授法の試行(青木委員)
  青木委員より、デジタルエンジニアリングによる新しい教授法の試行について配布資料に基づき説明がなされた。詳細は配布資料を参照されたい。なお、配布資料の補足説明として、学生の成績を入学時から追跡調査した結果、必ずしも入学時点の成績が4年間持続される訳ではなく、むしろ1年次での動機付けが成功した学生の方が、学習意欲が持続し4年次の成績も良好であったことが付け加えられた。
  青木委員の報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

  • この授業では、単にやる気のない学生の動機付けを高めるだけでなく、学習意欲の持続・向上にも成功していると思われる。ゴール地点に資格取得があることから、最終的には学生も自らやる気を奮い立たせて勉学に励んでいる印象を受けた。大工大の事例のように、最終的に実践までに結びつけることができれば理想的である。
  • 授業のねらいが若干長いので、コンパクトにまとめた方が良い。
  • 授業シナリオやプロセスをもう少し詳細かつ具体的に記述した方が良い。また一連のプロセスを理解しやすいようフロー図なども含めた方が良い。
  • 本授業の最終段階として、インターンシップで一定期間企業に派遣することがかなえば、より有効ではないか。
  • 毎年の授業をフローするだけではなく、後輩のためにも何らかの形でストックした方が良いのではないか。
    → 現在本講義のチュートリアル用e-Learningシステムを構築中であり、そこで検討する。
  • 1年次の動機付けが4年生での成績に相関するというのは、具体的にどのように調査しているのか。
    → 入学時点で数学、物理、化学のテストを行い、そこを始点として4年間の成績をトレースしていくが、動機付けが成功した指標としては、一年修了時の成績と取得単位により判別を行っている。取得単位数の多い学生はやる気が高いと考えられ、かつ4年生の時点でも成績が向上している傾向が高い。ただし、本授業によって動機付けが高められたかどうかはまだ調査しておらず、今後の課題である。また、次年度から「ゆとり世代」の学生が入学してくるため、従来どおりの追跡調査で測定できるか不安が残る。
     
      以上の意見を踏まえ、青木委員には草稿を再提出いただくこととした。

B ITを活用した習熟度別授業の構築

角田委員よりITを活用した習熟度別授業の構築について、配布資料に基づき報告された。詳細は配布資料を参照されたい。なお、角田委員の報告について意見交換したところ、下記の旨の意見があった。

  • 補講を受けても合格できない学生はどの程度いるか。
    → 最終的には3〜4割程度の学生が合格できない。
  • 補講のために正規授業のほぼ半分の時間を費やしているが、その分労力が掛かると思うが。
    → 学科としても学生の学力に危機感を抱いているので、致し方ない面もある。また学生が長い夏休みの期間遊びだけに費やすと勉強する習慣が消失してしまうので、補講を通じて学習習慣を身に付けさせることも目的としている。
  • e-Learningは学生の主体性に依存するため、全く勉強しない学生が出てくる恐れがあるのではないか。
    → アクセスログを把握して、全くアクセスしていない学生に対しては警告メールを送信している。やはりこのように強制力を持たせない限り、学生は怠けてしまう。また、アクセスログにより学生の学習習慣をある程度判別可能であり、興味深い。

 以上の意見を踏まえ、角田委員には次回委員会にて文章を肉付けいただいた上で、再度草稿を提出いただくこととした。

 最後に、授業モデル以外の1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標、2.教育現場での課題、3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性、5.IT活用に伴う課題の執筆分担について協議した結果、曽我部委員長に統括いただくこととなった。それに伴い、委員各位よりメール等を通じて意見を送信いただくこととした。