�機テ�時：平成20年2月25日（月）午後2時から午後4時まで
�供ゲ饐譟Щ箴雍┿�務局会議室
�掘ソ仞兵圈�渡辺委員長、水野、細野、佐々木、中島、小池各委員、玉井氏（三菱商事株式会社）、寺島氏（富士通株式会社）、井端事務局長、木田
�検ジ‘せ�項：
１．経営工学教育における産学連携授業について
はじめに、佐々木委員より、株式会社菱食のDVDビデオ活用した授業についての報告がなされた。要旨は以下の通り。
- DVDを活用したのは、非常勤を務める新潟大学経済学部の授業「ロジスティクス」。
- 14回目の授業総括時に、�”�食の概要を説明し、�△海譴泙任亮�業内容がDVDの随所に登場することを予告し、��最後に感想を書いてもらう約束をした上で、ビデオを放映した。
- 感想としては、「授業内容と映像を結び付けて考えることができた」「自分の経験（アルバイト）と映像を結び付けて、身近なものとしてロジスティクスを捉えることができた」「現実のシステムを知るということの驚きと喜びを感じた」「物流業界に興味を示し、就職活動をも視野に入れて考えられるようになった」など、概ね好評であった。
※詳細は配布資料を参照されたい。
次に、渡辺委員長より、同じく菱食のDVDビデオを活用した授業について報告がなされた。要旨は以下の通り。
-
2年生を対象とした授業「システム分析序論」にて本ビデオを活用。
- この授業は、月曜日の1限目2限目の2クラス開講されている。
- 用いたビデオは「物流システム」
- 実施方法としては、はじめにビデオを解説を加えずに流す。次に、もう一度同じビデオを、内容の説明や解説を加え、途中で止めながら流す。その後小テストとアンケートを実施。
- 小テストについては、1限目のクラスよりも2限目のクラスの方が平均点が高かった。これは、渡辺委員長自身が、2回目の授業の方がビデオを活用した授業方法に慣れたことにもよる。
- 自由記述では、倉庫の実態の把握に関する言及（例：自動化が進んでいるとはいえ倉庫内の作業に携わる人員の多さが想像以上だった、倉庫内が綺麗である）、や情報管理の徹底、物流センターでのモノの流れの実際が理解できたとの言及が目立った。反面、映像の展開が速すぎて付いていけなかったとの感想もあった。
- ビデオを通じて物流業界を紹介することにより、就職先の候補としての意識を醸成することにも役立った。
次に、中島委員より同じく菱食のDVDビデオを活用した授業について報告がなされた。要旨は以下の通り。
-
学部3年生を対象とした研究基礎演習（ゼミ）で活用した。授業後にアンケートを実施。
- アンケートの質問項目としては、「１．映像教材により実システムの内容が理解できましたか」、「２．講義内容の理解を含めることができましたか」、「３．経営工学アプローチに興味がわきましたか」、「４．経営工学の役割を理解しましたか」、「５．映像を用いた学習は効果的だと思いますか」、「６．この教材をどのように活用すればよいと思いますか」、「７．今後どの分野の内容を取り上げてほしいか」の7問である。１〜５については択一式アンケート、６、７については自由記述式である。
- 択一式設問から、概ね好評であることが伺えた。自由記述としては、設問６については「生産ラインや品質管理など多様な日本の技術を伝える」、「実際の数字を出してどのくらいコストダウンしているかを確かめる」、「改善点があるかどうか考える」、「卒業研究において問題解決に取り組む」、「サプライチェーン、品質管理等の理論説明をうけながら、映像をみる」、設問７では「ロボットや自動車の生産ライン」、「品質管理がわかりやすく理解できる現場」、「工作機械などものづくりの現場」、「ビジネスモデルが理解できるもの」、「循環型生産システム」、「資材から製品になるまでの一連の流れがわかるもの」などの回答が得られた。
以上3つの報告を踏まえて自由討議したところ、以下の旨の意見があった。
- 各報告における学生の感想に鑑みると、今回のDVDは物流業界に対する興味を喚起することには有効であるとの印象を受ける。
- 今回は時間的制約から、必ずしも授業内容のテーマに沿った活用ができなかったが、次年度以降同様のコンテンツを、授業テーマに即して活用した結果、どの程度効果があるのか検証いただきたい。
- 今回は事業概要に関するビデオ内容であり、知識レベルの教育には役立つように思われるものの、教材としては限界がある。今回の試みはそれが判断できただけでも有意義である。
- 授業中どのタイミングで授業を見せるかが重要である。タイミングにより教員の説明する内容も変わるし学生の反応も変わる。ビデオを活用することは、教員自身授業シナリオを見直すための良いきっかけにもなる。
次に、細野委員より「産業界との教育連携による『業務理解の経営工学視聴覚教材』の開発に関する進捗状況」について報告がなされたとともに、教材の試作版を視聴した。報告の要旨は以下の通り。
- 前回の委員会後、12月25日に株式会社菱食との第3回目の打ち合わせを行った。そこではおもに卸売業の物流活動に関する質疑応答を行った。
- その後、これまでの取材成果を集約して開発した「Movie Learning教材〜物流編〜」の試作版を作成した。
- DVDの内容は、（１）卸売業の物流、（２）卸売業における倉庫内作業、（３）物流におけるバーコードの役割、（４）卸売業の発注管理、（５）卸売業の自動倉庫、（６）物流における配送計画の６編から構成されている。６編それぞれのビデオに対して、Wordによる補足資料と演習問題も作成した。教材が完成次第、委員各位に送付する。
- 今回は菱食サイドが非常に協力的であったために教材を作成することができたが、それでも事業概要に関するビデオも使用後に返却を求めていることから、教育界と産業界の垣根は依然として高い印象を受けた。
- 企業側が、大学と共同して教材を作成することに対するニーズが無い限り、教育面での産学連携は難しい。そのニーズをいかに引き起こすかが今後の課題である。
- 今回は物流編として教材を作成したが、次回は製造業を対象とした教材を作成したい。しかし例えば携帯電話など学生の興味を喚起するような題材は、企業機密にも関わるので協力を得ることは困難かと思われる。例えば蛇口など意匠権のない題材であれば協力が得やすいと思われる。
- まずはビデオを活用した教育方法について委員会内で検討し、その次に教材の内容について検討することが望ましい。企業側のメリットとしては、大学の教育に対して協力することにより人材育成に寄与すること、また作成した教材を社内教育で活用することなど考えられるのではないか。
- 今回は菱食の協力により物流に関する教材が作成できたが、あくまでも物流に対する理解を深めることが教材の目的であり、菱食という企業の今日の状況を説明するものではない。今後教材を作成する場合でも、企業の紹介ビデオを作成するのではなく、あくまでも普遍的な内容に基づくテーマを取り上げなければならない。
最後に事務局より菱食のDVDビデオを活用した授業の取組について、5月の総会にて報告したい旨の要請がなされた。具体的には、企業の協力より提供いただいた素材（DVDビデオ）が 理工学部、工学部、経済学部と学生の専攻が違えども効果があったことと、そのエビデンス（アンケートの自由記述から抜粋する）を提示するとともに、素材だけでは限界があることから実際に企業現場で取材を行い新たに教材を作成していること、その教材の内容（強調すべき点はテロップを入れたことや現場の人の声も教材に入れていること）を示していただくこととする。
本件については、渡辺委員長、細野委員、佐々木委員、中島委員に協議いただくこととなった。