社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第1回心理学教育IT活用研究委員会議事概要

機テ時:平成18年5月26日(土)午後2時から午後4時まで

供ゾ貊蝓Щ箴雍┿務局会議室

掘ソ仞兵圈木村委員長、大島、中原、中澤、今井、吉田各委員、井端事務局長、木田

検サ鳥進行

1.18年度発刊の報告書について

(1) 吉田委員による授業事例の紹介
  吉田委員より、授業「心理学実験」でのIT活用事例について、配布された資料に基づき報告いただいた。
  配布資料では、「授業のねらい」「シナリオ(授業運営方法)」「IT活用の詳細」「授業効果」「問題点」の項目に沿って内容が取りまとめられている。特に「授業のねらい」ではシラバスに掲げているもののほかに、心の背景にある脳の生理的機能活動を理解させ、現代にふさわしい科学的「こころ観」の養成を目標としていることが特徴的である。
  「IT活用の詳細」としては、脳と心の密接な関係を体験・実証するための装置として、脳波計、近赤外分光システム(脳血流計)、アイカメラの活用にスポットを当てる。
  「授業効果」については、まだ具体的評価を行っていないので、今後何らかの手法によって測定する予定である。
  なお、詳細については配布資料を参照されたい。

 吉田委員の報告について、下記の旨の意見があった。

○ 資料には目標とする授業効果が書かれているが、これはITを活用することによって得ることのできる効果ではなく、「心理学実験」そのものから期待される効果であると見受けられる。ここではIT活用によって期待できる効果を重点化していただきたい。
○ 心理学実験の成績評価は非常に難しいが、人間観やこころ観といったものも評価対象とするのであれば、例えば入学時に学生の抱いていた心に対する素朴な考え方が、心理学実験を経た後には客観的な考え方へと変容したことが確認できれば、教育目標も明確化しやすく、標準的評価方法も確立できるのではないか。
○ 報告書では、実験内容の正当性について主張するのではなく、むしろ授業の組み立て方、学生の理解を促進するための工夫について焦点を当てたい。それ故、今回提出いただいた資料内の「シナリオ」や「IT活用の詳細」を実際の授業に沿って、より具体化していただいた方が良い。
○ これまで脳と心の関係は本を通じて観念的な理解しか得ることができなかったが、ITの活用によって、まさにEvidenceとして脳機能を生々しく理解することができるようになった。この点をもっと強調された方が良いのではないか。

 以上を踏まえ、吉田委員にはIT活用する上での利点を強調いただくこととした。また、事例のタイトルについても、何らかのIT活用に伴うキャッチフレーズを加えた上で、変更いただくことにした。

(2) 木村委員長による授業事例の紹介
  木村委員長より、オンデマンド授業の概要と学生アンケートの結果について報告いただいた。このオンデマンド授業は、第二文学部の一年生を対象とした科目・行動分析学入門で実施している。基本的に対面講義は行わず、全ての授業をオンデマンド配信し、アクセスログにより出欠管理を代替している。全15回のうち6〜7回は教室での対面授業を行うが、ここでも講義は行わずに、オンデマンド授業を受けてきたことを前提としたグループワークが中心となる。さらに、本年度からは授業内容を確認するための、オンライン上での小テストも開始しており、小テストの結果も成績に加味することにしている。また、オンデマンド授業システム自体の新機能として、タブレットPCによりスライド上に線画を描くことができるようになったとともに、学生の好みに応じて画面上から教員の顔を消すことができるようになった。
  さて、学生アンケートは、小テスト同様にオンデマンド授業専用サイトを利用して収拾している。アンケート項目は、「内容は理解できたか」「講義時間は適当か」「画面は見やすいか」「話は聞き取りやすいか」などの選択式と自由記述によるものである。アンケート結果の詳細は、配布資料を参照されたい。

(3) 中原委員による授業事例の紹介
  中原委員より、携帯電話を活用した個別学習の現状について報告いただいた。
  まず高校の模擬授業で実施した際には、通過率が70〜80%であったが、今年4月に3年生向けの授業で実施したところ、通過率が50%を下回ってしまった。この結果から、いつの時点でどの様な機種を入手していたかによって依存することと、研究室のサーバでは100〜200人が一斉アクセスするのには耐えられないことが判明した。
  それ故、現在はtoyonet-aceを介しての実施を検討しているが、学生の情報リテラシーの問題もあり、試行錯誤している団塊である。
(4) 報告書の執筆分担について

 授業モデルの事例以外の執筆分担について協議した結果、以下の通りに担当いただくことになった。

1. コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標
今井副委員長

2. 教育現場での課題
   大島委員

3. 教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性
   金子委員

4.ITを活用した授業モデルの事例紹介
   木村委員長、吉田委員、中原委員

5.IT活用に伴う課題
   中澤委員

 次回委員会では、各位草稿を提出いただき、それに基づき議論することにした。