6.国際基督教大学 7.産能大学 8.中央大学 9.日本福祉大学 10.龍谷大学
11.佛教大学 12.同志社大学 13.追手門学院大学 14.関西学院大学 15.甲子園大学
16.倉敷芸術科学大学 17.福岡大学 18.関東学院女子短期大学 19.関西女子短期大学 20.神戸親和女子大学
1.千葉商科大学 |
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本学では、障害者が正課授業は勿論のこと、課外授業を行なうのに支障のないよう教育環境の充実整備に努めると共に、不安のないキャンパスライフが過ごせるよう教職員一体となって支援活動を行なっています。
特に、平成6、7年度においては、肢体不自由者の便を考慮して、次の通り環境整備のための工事を行ないました。
1.全建物にスロープ、段差解消リフトの設置及び出入り口改修工事の実施
2.階段昇降機の設置
3.学生机・椅子の一部を車椅子仕様に改修
4.障害者用化粧室の設置
5.車椅子仕様エレベータへの改修
上記の整備により、障害学生は、車椅子を使用して学内の各教室間の移動のみならず、学生生活を有意義に送る上で、人間形成に重要な役割を果している図書館及び大学会館等の学内諸施設を自由に利活用できるようにしました。化粧室については、建物内のみならず建物の外にも設置することにより行動が限定されないようにしました。
こうした種々の設備を新設並びに改修することにより、肢体不自由者が快適なキャンパス生活を過ごせるよう施設の充実を図ったことは、今後本学に入学を希望する優秀な学生受け入れにも繋がるものと考えております。
なお、現在、本学には盲学生が在籍いたしておりませんので、使用機器等について特に配慮いたしておりません。
2.学習院大学計算機センター |
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@ 肢体障害者(障害程度は、スティックを口にくわえ、ワープロができる。)
本学はプラットフォームはMS−Windows3.1であり、補助装置として、マウス代替装置(こねこの手)・キーボード順次入力デバイスドライバー(順次キー:フリーソフト)を追加した。さらにキーボード等が適切な高さになるよう別途机を用意する予定である。
実習授業に関しては、障害者の有無にかかわらず実習補助要員(学生アルバイト)がいるので、何か問題があれば彼らが補助する。授業時間以外のの実習に関しては、実習室内に上記機器を配備した優先席を設け、障害者自身で使える環境を用意している。なお、実習室には常に実習補助要員(学生アルバイト)がいるので、何か問題があれば彼らが補助する。
平成8年度からの実施である。(本学へ入学した肢体障害者が情報処理科目を履修したのが平成8年度が初めてである。)
現在の問題点としては次のようなことが考えられる。肢体障害者に限らず、インターフェースがGUIを採用するにつれて、障害者には使いにくいシステムになる。それにどのように対処していくか。さらに新しいものに対する補助装置の開発が遅れがちなので、その空白期間をどうするか。
この春、肢体障害者へ対応するため、機器等の情報収集を行った。しかし、日常的には比較的無関心の問題であったため、どのような機器があるのか・どこで入手できるのか、誰に聞けばわかるのか、という情報を収集するのに苦労した。そこで、このような情報を蓄積する、あるいは情報交換できるグループ(研究会)などが存在すると今後役立つと思われる。
A視覚障害(全盲)
経緯:
1986年理学部数学科が点字での入学試験の受験を認める。
1989年全盲の方が入学試験に合格し、本学に入学した。その時点で数学化の学科主任であった飯高教授が主導して、視覚障害者に対するサポートに取り組むこととなった。
数学者の間では世界的に広く使用されている文章処理システムTexの考えを取り入れ、数学で使用される数式を点字で表す方式を考案し、計算機を利用して点字印刷まで行なうシステムを実現した。数学の教科書、演習問題、試験問題などをこの方式を用い、計算機を利用して自動的に点字翻訳することができた。
逆に、学生が計算機上で作成した点字の文章を、漢字仮名混じりの普通字のファイルに変換するシステムを構築し、答案作成に運用している。また教師がTexで書いた講義録を点字のテキストにすることも行なっている。数学科の他の教員もこのシステムを用いて、障害者に対するサポートを行なっている。95年度には、法学部法学科にも全盲の学生が入学してきた。この学生は、計算機に対する技術が豊富なため、自分で視覚障害者用の計算機環境を構築中である。
視覚障害を持つ在籍生:理学部数学科1名
自然科学研究科数学専攻1名
法学部法学科1名
現在の設備:
旧来よりあった点字プリンタ、パソコンなどに加え、以下のものを中心に95年度に整備を行い、視覚障害者控え室に配備した。
パソコン2式
・日本語音声合成装置「富士通日本語音声合成装置」
・点字ピンディスプレイ「ABT40」
・点字プリンタ「EAS721」
・日本語音声出力ソフト「アメディアVDM102」
・ピンディスプレイ日本語ドライバ「IBM日本語スクリーンブレイラ」
計算機用辞書など「点字独和辞典」
・「模範六法」「CD−ROM」など
なお、計算機センターにも視覚障害者専用のパソコンを設置してある。(法学部の学生が管理、運用している。)
また、視覚障害者控え室に配備されたパソコンは学習院内ネットワークに接続され、計算機センターによる電子メイルなどのサービスを受けることができ、インターネットとの通信も可能である。
3.学習院大学文学部 |
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文学部には、本年度、頚髄損傷による四肢体幹機能障害の学生が1名入学した。車椅子(手押しあるいは電動)でなければ移動できない。(母親を、ボランティアが援助している。)そのため、各建物のスロープ整備や、教室の割当変更を行った。視覚・聴覚は正常で、音声言語の使用も問題ないが、手が動かないので、書くのは。マウスピースをくわえてワープロを打つことによっている。これらの機器のシステムの改善が望まれている。
4.学習院大学法学部 |
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学習院大学法学部には、視覚障害(全盲)の学生が現在2年生として在学している。法学部としては、その入学時から担当教員を1名おき、その環境の整備につとめてきた。そのうち、情報環境に関連する点については、以下のような状況にある。
1.視覚障害者用控室
一室を視覚障害者用控室とし、そこにデスクトップパソコン、点字ディスプレイ、音声合成装置、点字プリンタ等を設置している。当該パソコンは学内ネットワークを通じてインターネットに接続している。
2.パソコンの貸与
上記の他、CD−ROM装置付のブック型パソコン、CD−ROM版の六法を貸与し、日常の講義においても常に条文を検索することを可能にしている。
また、学内試験時においても同様の機器を使用している。
3.電子メールによる連絡
担当教員と当該学生の間では、日常的に電子メールのやりとりを行い、密に連絡をとっている。その結果、試験実施方法等についても本人の意見を踏まえて決定しているほか、学生生活全般にわたって本人の希望を聞くことが可能になっている。
また、講義科目担当教員が電子メールによって質問に答える、電子メールやフロッピーディスクによって、参考資料をやりとりする、といったことも行われている。
4.当面の問題点
現在、特に問題となっている点として、以下のに二点を挙げておく。
(1)休講情報の伝達
休講情報については現在本人が直接確認できず、ボランティアの学生等を通じて間 接的に確認せざるを得ない。休講情報を情報ネットワーク等を通じて確認できるよう にしえないか、現在検討中である。
(2)条文検索
法学を学ぶにあたって最も重要な作業は、条文になれることである。ところが、現在のCD−ROM六法を検索するのには非常に時間がかかり、それが日常の学習、講義の聴取、及び試験の際の解答作成の際の問題点となっている。
5.学習院大学理学部 |
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学習院大学理学部には、平成元年4月、平成2年4月、平成6年4月に全盲の学生が1人ずつ入学した。このうち平成元年入学者は、素晴らしい修士論文を日本の代表的な学術雑誌に英文で発表し、その後つづいて数学専攻の大学院博士後期課程に在学して研究をつづけている。平成2年入学者は平成6年3月に卒業し、日本サンマイクロシステムズに就職した。
1.サポート体制
入学時から数学科学生7ー8名毎に1名の指導教員が決まっている。この教員が責任をもち、これを、数学科がサポートしまた経験のある教員が随時相談にのる。学生は、何時でも、どの教員にも相談出来るシステムとなって機能している。試験問題を点訳し点字で書いた答案を墨字に直す嘱託をパートで依頼している。これには、複雑な数式を含む文章を点訳するので特別な配慮と技能が必要である。本学科の飯高教授自作の翻訳プログラムを用いている。定期試験実施その他、教務課との関係を含めほぼ完全にシステムが出来上がっているといって良い。
広い意味での情報環境については教員が授業において板書する際は、全て声」を出してもらうこと、テープレコーダーや点字盤の使用を許してもらうことをお願いしている。また、図書室の事務員のサポート、科目登録時、レポート提出、ならびに試験実施時の教務事務の協力も大きい。日常の講義の休講その他の情報は、友人、ボランティアの協力が有効に働いている。
2.視覚障害者用の控室
1室を全学共用視覚障害者用の控室として、現在理学部2名と法学部1名の学生が共用している。膨大な厚さになる点字図書(英語辞書だけで1m位になる)を置く書棚の設置。点字プリンターは大きい音を立てるのでその設置場所。教員あるいは補助者が、文献を読み聞かせる所として使う。また、試験を実施する場所として使うこともできる。
・英和、独和、仏和の点字辞書。1台の点字タイプライター、3台の勉強机、
1台の電話を置いている。
・この控え室内のコンピュータ等の狭い意味での情報機器は次のとおり。
(a)
Ethernetで計算機センターと結ばれたデスクトップパソコン(PC9821Xa10)ハードディスク、モニター、CD−ROMReader、日本語音声合成装置(富士通FMVS-101)、パブルジェットプリンター(CanonBJC-400J)、点字ピンディスプレイ(KGSBraillenote40A)を置いている。これによってe-mailの使用可能。
(b)
点字プリンター(NewBraillePrinterESA721新型)を置き、これは、PC9801UVとモニタ、音声合成装置(Kochisystemdevelopement2163R)によって制御している。
(c)
点字プリンター(BraillePrinterESA721)を置き、PC9801LVとモニタ、日本語音声合成装置(SANYOVSS-300)で制御している。これは、平成元年購入で古くなったので動作やや不安定。
3.数学科が数学図書室奥に設置した機器
(a)
PC9801VX、モニター、日本語音声合成装置(SANYOVSS300)、ピンディスプレイ(KGSBraillenote40A)、ハードディスク
(b)
PC9801UV、モニター、ピンディスプレイ(KGSBraillenote40A)、ハードディスク
4.ソフトウェア
上述機器を利用するソフトウェアー
(a)
VDM102H.sys:機能は、音声合成装置のDriverで、モニター上の日本語を読み上げることにより視覚障害者に対してコンピュータが表示している内容を知らせる。またモニタ表示を点字化して、点字ピンディスプレイに表示するDriverでもある。
(b)
コータクン:機能は、点字ワープロ。点字プリンター制御もこれで行なう。
(c)
Extra:機能は、墨字テキストデータを点字データに変換する。
(d)
VZエディタ:機能は、MSDOS上で(障害者に限らず)一般的に使われている市販エディタ。これをもちいて、音声合成装置でモニタに表示された内容を聞き確かめながら、墨字の文章を入力する。パソコンの設定を自分で行なったり、FORTRUN、C言語などでのプログラム作成や次項で述べるTEXのソースファイルなどを作るのに使う。
(e)
TEX:機能は、数式を含んだ文章を清書したり組版したりする。理科系の学術書の出版界で世界標準となりつつあるプログラムで日本語対応もある。フリーソフトであって実に安定した動作をする。バグが殆どない。VZエディタでソースファイルを作る。数式を含む組版のあらゆる指示は、画面表示に頼らずコマンドでソースファイルに書き込む方式であるので、視覚障害者も原理としては、健常者同様にいかなる複雑な数式でも自分で組むことが出来る。コマンドが多く覚えにくいので健常者でもソースファイル作成にはかなり時間はかかる。障害者は、ソースファイルは読めるが、組み上がった文章の出力ファイル(Dvi-file)を自分で読むことが出来ないというう不便がある。障害者から健常者への意志伝達には大変役に立つ。よくレポートをこれで書いている。ちなみにこの回答も日本語対応のTEXで清書したものである。
(f)
飯高ソフト(本学科の飯高教授が開発):機能は数式を含む日本語かな文章を点訳し、逆に数式を含む点字文書を自動的に日本語の漢字混じり文章にする。障害者の学科試験を行なうときにこれを使う。使い方は、まず予め、飯高ソフトで問題文を数式を含む点字文に変換しておく、試験実施の際にこれを学生に渡し、学生は、点字タイプライターで解答を作る。試験終了後コータクンを使いこの解答をキーボードから点字でパソコンに入力し、それを飯高ソフトで墨字に変換して印刷し採点者にわたす。問題文が点字変換されているので障害者は、早く読めるし、解答も慣れている点字を使えば良いので早く解答できる。採点は墨字であるので何の問題もない。ただ、飯高ソフトは、モニタを見ながら、幾つかの場面で選択をする必要があるので、大学の数学を十分深く理解している健常者が操作する必要がある。現在は、嘱託の方にお願いしている。
(g)
ATOK4:機能は、MSDOS上の最も普通の日本語入力機能の市販フロントエンドプロッセサ。飯高ソフト、VZエディタ等で使う。
5.電子化された図書など。
(a)
Edic英和辞書
(b)
各種コンピュタ関連の自習書、参考書、あるいは、マニュアル等の点訳をfloppydiskに入力したもの。例えば、MSDOS、Unix、C言語、FORTRANawk、Pearle、TEXのマニュアル、Internet解説書等
6.今後の問題点
(a)
休講等学内の掲示による情報は、友人達から得ているが、本人が確認することが難しい。電子掲示板等で流せば本人が情報を直接得ることが出来て好ましい。学外から一般的ににアクセス出来る形では、問題があり難しいとしても、学内の特定の端末からだけアクセス可能という形の電子掲示板でも大いに役立つ。
(b)
視覚障害者のための入出力機器(ピンディスプレイ、音声合成装置)のDriverは、MSDOSの下で働く。Unixの下で働くDriverがあるのだろうか?
(C)
視覚障害者のための点字対応の入出力機器は、国内であまり製造しないのか、高価である。故障し易い印象を持つ。また、故障した際の修理にたいする業者の対応が遅い。
(d)
健常者の間では、画面表示によってマウスを使うウィンドウズが多く使われる傾向にあるが、視覚障害者にはこれは困った傾向である。
(e)
飯高ソフトについて
数学という学問の必要上、複雑な数式を含む文章を読み、書く必要がある。市販の点字ワープロや墨字と点字の変換プログラムは、この点であまり役に立たない数式を含んだ文章を点訳したり点字から墨字にしたりすることを可能にした飯高ソフトの開発は、大きな功績である。ただ大学で教える数学の内容を深く理解している健常者が操作する必要があり、この点でまだ問題点を残す。
(f)
TEXについて。
世界的に理工学系の学術文献の出版においては、TEXを用いて原稿を作り組版することが標準的になり、多くの文献がTEXのソース、あるいは出力ファイル(Dvi-file)の形で蓄積され、また最新の研究結果の発表論文がインターネット上でやりとりされている。一方、十分時間をかける覚悟をするならば、TEXを使えば、視覚障害者も健常者と同じく数学の文章が書ける。TEXとうまく付きあうことが、今や、どうしても必要である。現在在学中の学生は、皆TEXを健常者以上に使いこなしていてレポートは、これで書いている。しかしこれは、かなり熟練を要する。また、組み上がった文章を出力するファイル(dvi-file)を視覚障害者が読むことが出来ない。このためTEXは現状では、一方通行の手段である。しかし、現在九州大学の数学者を中心としたグループが、TEXで組み上がった出力ファイル(Dvi-file)を、自動点訳するソフトウェアーの開発をおこなっていて、科学研究費補助を受けている。本学科の飯高茂教授は、飯高ソフト開発以来の経験と実績をもってその有力な研究分担者となっている。いずれ、これが成功するであろうが、そうなれば、点訳が人手を介さずに直接自動的にできることとなり、蓄積した文献を利用したり、最新の研究論文をインターネットで受取り、これを読むようになったりすることが期待できる。特に理科系の視覚障害者に大きい朗報となろう。
(g)
学部程度のTextbookは点訳がかなり整ったようであるが、それでも種類は、多くないことは困ったことである。教科書を選ぶ際に点訳があるということで教科書を選ぶこともある。これは、現状ではやむを得ないが、本末転倒である。まして、博士課程の学生にとっては、点訳された論文は、ほとんどく。それどころか必要な原論文などの文献をどうやって見つけるか、難しい問題である。現状は、指導教員の負担となっている。
(h)
数学の授業の中で、図を必要とすることがある。これをどうするかが、問題である。
6.国際基督教大学 |
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国際基督教大学には、1976年以来これまで4人の全盲学生と2人の弱視学生が在学した。全盲学生の専攻分野は、英語学、物理学、教育心理学、社会科学とそれぞれ異なる。そこで言えることは、視覚障害者はもとより、関わった教員、学生達が互いの立場とニーズを理解し、例えば点訳やテープ録音といった協力を通じて人間的に豊かなものを経験したという事実である。特に、全盲の学生が物理学を専攻し、実験科目を含む必要単位をすべて満たして卒業するまでの4年間は、常に新しい課題への挑戦であった。日本で(おそらく世界でも)初めての例である。この教育課題に対して私学振興財団から財政援助を受けた。この間の経験が2冊の本にまとめられており、参考資料として配布する必要がある。
1a)”明日への大学”続編《ICUにおける一盲学生の物理実験・化学実験履修の記録》
1b)”明日への大学”続編(II)《ICUにおける理学専攻盲学生の卒業までの記録》
発行:ICU盲学生のためのプロジェクトチーム(1986、1987)
2)”明日への大学”その一つの歩み《ICUにおける一盲学生の在学の記録》(1981)
3)化学と教育、特集「視覚障害者のための化学教育」36巻第4号(1988)、日本化学会
参考資料1ー3の中に詳しく述べられているが、その後、パソコン(NEC9801)点字プリンターESA721、立体コピー機などが購入された。
一般学生と同様に履修計画、キャンパス生活についてはアドバイザー教員が相談にのる。特殊な問題については、これまで視覚障害学生と関ってきた教員がアドバイザー教員の相談に当たる。また、学内の点訳サークルの学生達が、点訳、学内生活、についてよき助け手となっている。なお、視覚障害学生のための対面朗読室があり、点字本/辞書類の保管、パソコン機器室として利用されている。また、大学は視覚障害学生の教育のために特別予算枠を用意している。
現在、視覚障害学生が在学していないので、これまで蓄積した諸々の貴重な経験断ち切れそうで惜しい。今後、視覚障害学生が入学してきた場合には、これまで以上に情報機器が利用されると予想される。これまでの経験と情報機器の利用を上手に調和させた援助体制を探っていくことが課題となるであろう。
7.産能大学 |
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視覚障害を持つ学生1名が、1995年度より就学中。現在2年次。
視覚の程度は、全盲
配備機器は、以下の通り。
(1)専用のPC(点字ディスプレイ、音声化装置付き)
(2)一般学生用の実習室内に、点字ディスプレイを設置(1台)
(3)点字プリンタ(OCR、点訳付き機能付き)
サポート体制
(1)と(2)については、学生が自由に利用可能であり、特に支援体制は組んでいない。
(3)は、当該学生には操作が不可能なため、支援の学生または職員が、求めに応じて対応している。
8.中央大学 |
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対象:視覚障害者
1機器
・PC9801 1台
・音声合成機器
・点字ディスプレイ
・点字プリンター
2サポート体制(電算センターにて。一元的にサポート)
・使用環境設定(上記各機器)
・利用時における質問対応 etc
3取組年数
・2年
4課題
・他障害者への対応
・機器環境の安定稼動
・視覚障害者のWindows環境対応について
9.日本福祉大学 |
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(1)情報科学センター内視覚障害者のための情報設備について
3年程前に導入し、ソフトハード補充を経て今の形となっています。今年度より、センター内のパソコンが、Windows95やインターネット接続環境へ順次移行されていくため(A)ガラフィカルな情報の音声化は可能か?(B)DOSレベルでのネットワーク利用の制限内容(インターネット含む)の2点を今後は調査し、できる限り公平な環境を構築していく予定です。
(2)情報社会システム研究所におけるマリチメディアノートテイカーの取り組み
本学半田キャンパス情報社会システム研究所の3つの研究ターム「地域生活空間グループ」「環境共生グループ」「福祉機器グループ」の内、「福祉機器グループ」の研究テーマで聴覚障害者のためのマルチメディアノートテイカーシステムに昨年度より取り組んでいる。
10.龍谷大学 |
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「視覚障害者のために」
(電算実習室)
電算実習授業で、全盲者は音声装置、弱視者は文字拡大装置を利用。
音声装置富士通「FMVS−102」
文字拡大装置ネオローグ電子「PCワイド」
(図書館)
深草学舎、瀬田学舎各図書館に視覚障害者用のパソコンを設置。音声装置(富士通「FMVS−102」)と点字読み取り装置(ピンディスプレイ)(ケージーエス「プレイルノート40A」を備え、点字辞書をハードディスクにインストールして利用したり、CD−ROM版辞書の検索等、パソコンを利用した情報利用システム。視覚障害者用エディタ「MD」、TOOL「DF」、点字エディタ「BASE」をインストールし、テキストファイル、点字ファイルの読書機としても使用。
点字データ、及び視覚障害者用各種情報の収集のために「IBM点訳広場」、NIFTY−Serveの視覚障害者用フォーラム「FEYE」に加入している。
いずれも1995年度に導入。導入されている機器を視覚障害学生が使いこなせるように指導することが目下の課題である。
11.佛教大学 |
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障害の種類:視覚障害
使用機器:視覚障害者用点字パソコン(NEC)
サポート体制:社会福祉系課外活動団体有志によるボランティア
(点字メニュー作成等)
取り組み年数:約3年(情報環境のみ)
今後の課題:・点字パソコン専用室の確保
・利用制限の緩和
・使用講習会の充実(定例化)
12.同志社大学 |
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視覚障害者用機器ソフト
・パーキンスタイプライター、点訳用パソコン、点字プリンター、
AOK点字日本語ワープロ、材ツキ電動タイプライター、拡大読書器。
・Windowsで動く「ZoomText」でCD−ROMが見られる。
(弱視者用)
・対面朗読室、点字室、拡大読書室があります。
今後の課題
OPACをWindows対応にして弱視者用にも使える情報検索を考える必要があります。
12.同志社大学 |
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《情報処理実習教室(情報システム課)》
情報処理教育を行なうにあたり、車椅子の学生に対応するため、各教室で2卓、車椅子のまま端末を利用できるようにしている。今後、視力障害の学生に対応するため、画面拡大ソフト等の教室への導入を考えている。
《図書館(情報メディア課)》
視覚障害のため「国立国会図書館視聴覚障害録音サービス」の依頼、「点字毎月(週間)」(`90)の講読の他、CD−ROM利用のために拡大ソフトZOOMの購入(`96.5)、拡大読書機の設置(`92.4)、盲人用ワープロ(音声ガイド付)の設置(`91.4)を行なっている。
今後の課題としては、CD−ROMやフロッピーのデータを盲人、弱視者が晴眼者と等しく利用できるように、周辺機器、ソフトを整備することが考えられる。例えば、CD−ROMを音声出力可能にすること等である。
《図書館(情報サービス課)》
視覚障害者用機器およびソフトとして、以下の設備を準備している。
・パーキンスタイプライタ、点訳用パソコン、点字プリンタ、AOK点字、日本語ワープロ、オオツキ電動タイプライタ、拡大読書器
・Windowsで動く「ZoomText」でCD−ROMが見られる(弱視者用)
・対面朗読室、点字室、拡大読書室の設置
今後の課題としては、OPACをWindows対応にして、弱視者用にも使える情報検索を考える必要がある。
13.追手門学院大学 |
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1.点字出力機の利用
2.インターネット関連表示の音声出力化
14.関西学院大学 |
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視覚障害(弱視)者のため、パソコンの画面を拡大表示する機能をもつ”ZoomText”というソフトを使用している。学生利用のPC及び図書授業用端末各1台にインストールし、該当の端末は障害者が優先使用できるよう協力を呼びかけている。
15.甲子園大学 |
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障害者の種類:全盲
使用機器:PC98Note、音声出力装置・・・個人負担
サポート体制:
(1)ブラインドタッチは必須。
(2)マイクの発振周波数を拾い、授業内容を録音。
(1)コンピュータへのソフトウェアのインストール。
(2)試験は、問題をフロッピーに巻き込んで渡し、提出されたファイル内容
を見てチェック。
←DOS/V環境で演習
(1)使用するテキストの内容を、ASCII形式で出力し手渡す。
(2)テキスト内で用いる例題プログラムをエラー箇所を加えて手渡す。
そのプログラムが正常動作するように演習をさせる。
(3)授業を円滑に進めるために、良く出来るボランティア学生が隣りに座る。
(1)インデント(字下げ)が認識できない。
(2)半角と全角のスペースが区別できない。日本語を取り混ぜてプログラム
することは難しい。
(3)ブロックの区切りを示す‘|‘と‘|‘の対応付けに苦慮する。
(4)文字を読み上げる装置を使っているので、コンピュータ画面に自由に描
画させる題材は取扱えない。またカーソル上の文字を読み上げるため、例えばメニュー文字列の表示場所わ変えてもそれが認識できない。したがって、そのような題材も取扱えない。
全盲の学生に初めて取り組む。
全盲者用の教材の開発、アシスタント委員の補充、また、Windows環境になれば、画面の表示情報を示す、適当な機器がないため、検討を要する。
16.倉敷芸術科学大学 |
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身障者手帳1級1種、進行性筋萎縮症
特にない。キーボードの取扱いは可能。
授業間の休憩時に休めるよう、2台のストッレッチャーを導入した。また、昼休み中の控室を準備している。
平成8年度入学。
付き添いが必要で、現在母親であるが、この点が、不安。
17.福岡大学 |
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視覚障害者支援システム 基本装置 PC9801 NS/R
点字入出力装置(音声合成装置内臓)
点字プリンタ BRAILLO.NORWAY A/S
上記装置を配備しておりますが現在のところ視覚障害者の在籍が無く運用していないのが実情です。
18.関東学院女子短期大学 |
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施設面では、車椅子の学生用に身障者用洗面所を用意している。
また、階段脇にスロープをつけたり、各建物にエレベーターを設けている。
授業面では、体育実技に対応した「特別実技」を開設している。
19.関西女子短期大学 |
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アンケート内容に関しては具体的に答えられない。
ハンディキャップを持った学生は車椅子だけでなく、視力、指、聴覚とあらゆるケースが考えられます。したがって、あらかじめ装置を用意することは実際上不可能だと思います。そこで、入学が決まった時点で、その学生にどのような補助装置が必要かを調べ、ただちに準備できるシステムは考えられないだろうかということです。文部省からの無条件の助成金や、補助装置の情報提供といった便宜をはかってもらえたなら、ハンディを持った学生がもっと大学を目指すと思われるからです。
20.神戸親和女子大学 |
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【視覚障害(視力0)】
使用設備:点字プリンター、点訳ソフト:EXTRA、教務課プリント資料、テスト問題等の点訳
音声合成装置:MS−DOSテキストファイル等音声化 情報処理教室での授業時に使用
本人は自分のノートパソコン、音声装置等によりノート整理。レポート作成等々。
平成3年度から障害学生委員会を設け出来る限りサポートただし基本的にはなるべく特別扱いしない方針。
本人の努力による機器操作の慣れ等により点訳からテキストファイルのやりとりでかなりの済ませるようになった。
今後、一般的な学内掲示の伝達がLANを利用することで容易になると期待している。