会員の声

大学院入試を新方式で実施−インターネット検索の導入−


石垣恵美子(聖和大学教授/大学院教育学研究科長)



1.はじめに

 聖和大学大学院では、1999年度10月実施の入試からプレゼンテーションとインターネット検索を導入した。新しい試みであったが成功したと思っている。
聖和大学は教育学部と人文学部、他に短期大学部(女子のみ)がある小規模大学だが、今年で創立120周年を迎える。大学院も教育学研究科(幼児教育学専攻)のみの小さな大学院で、入学定員も博士前期課程(修士課程)6名、博士後期課程3名である。
 修士課程は1978年に、博士課程は1992年に設置されて今日に至っており、小規模ながら毎年確実に修了生を世に出し、現在幼児教育学科や保育学科を有する全国の短大や大学では、本学大学院の修了生がかなり就職して教鞭を振るっている。博士課程設置以後、博士号は甲が2名、乙が4名、計6名が取得している。


2.入試方法の検討と実施結果

 本学大学院発足当時より、修士課程への入試は「小論文」「英文または独文和訳」「面接」であったが、博士課程設置後は「小論文」と「専門用語の解説」と、語学試験が2カ国語(英独仏日の中から選ぶ)に増えた。しかし大学院入試内容を今少し緩やかにすべきだとの声が上がり、2年前より入試改革を検討してきた。入試は年3回。
 春学期入学者(毎年4月に入学式)のための第1次(10月)入試と第2次(3月)入試、秋学期入学者(毎年10月に入学式)のための秋学期(7月)入試がある。そして昨年10月、旧方式を残しつつ選択制で新方式を導入した。新方式を選んだ受験生は、希望すれば受験前に大学院メディア室でトレーニングを受けることことができる。
 今回は「論文作成の能力を問う」ための設問とインターネット検索を導入した。  新方式の受験を希望した者は2名で、両名とも試験日の2日前に約2時間のトレーニングを受けた。新方式でも語学力を問うのは当然である。したがって、検索は一般的な検索エンジンにて検索のほかに、最終的にERIC(Educational Resources Information Center)を利用し、必要な情報を英語で得るようトレーニングし、試験当日のキーワードも英語で出題した。
 今回の入試では旧方式受験生もいたが、若い現役学生たちには新方式の方が馴染みやすいことが解った。
 配点は100点満点、技術50点+コメントの内容50点で複数の教授が採点した。受験生の検索技術については、受験中複数の教授と試験官が観察した。
じっくり原書を読むことが昔も今も重要であることに変わりはない。しかし、インターネットという新しい世界が開け、研究のネットワークは世界中、時や場所を越えて今や直ちに、居ながらに情報が得られる時代である。幼児教育関係者の中にはインターネットに無関心で拒否的な人もいる。したがって若い幼児教育研究者にもパソコン利用の利点が伝わらないし、幼稚園教師や保育士たちもパソコンに背を向けている人が目立つ。これでは日本の将来にとって大きなマイナスだと私は考えているので、今回の新方式の入試に踏み切った理由もここにあった。本年3月にも同様の入試を行う予定である。


3.おわりに

 以上の方式が今後定着して、新時代の大学院生の資質向上に効果をあげることを願っている。
聖和大学大学院の詳細は、下記の大学院のホームページをご覧いただきたい。

 聖和大学URL http://www.seiwa-u.ac.jp /
 大学院URL http://www4.osk.3web.ne.jp/~gesseiwa



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