特集

情報化時代の教育(2)



現実を直視した生データ教育の意義と迫力
−経営学系の教育−

伊田 昌弘(阪南大学経営情報学部経営情報学科教授)




1.はじめに

 経営学系の教育においては、現実を直視した体系的な生データ教育の意義が、従来ともすると行われてきた理論上の架空データや部分的な実証用データを用いた教育とは決定的に異なった次元で重要性を増しつつある。阪南大学経営情報学部では、日経NEEDSのデータを基礎にフリーで提供されるXCAMPUSを使用した教育が行われている。


2.日経NEEDSとは

 日経NEEDSとは、日経新聞社が有償で提供するわが国最大規模の総合経済データベースの総称であり、本学ではこのうち(生産出荷在庫統計を含む)総合経済データ(約1万6,500系列)と日経財務データ(約68万系列)をWindowsNTの下で全学生が使用できる環境を構築している。(日経QUICK情報株式会社http://www.nikkei.co.jp/db


3.XCAMPUSとは

 XCAMPUSは、斎藤清教授(神戸商科大学経済研究所)が1975年以来、20年以上にわたり心血を注いで開発し続けてきた無償ソフト(大学と覚書を交わした後に導入される)で、その名称は「大学用経済経営データ探索的処理システム eXploratory Computer Aided Macroeconomic and microeconomic data Processing University System」に由来している。このソフトは日経NEEDSに即座にアクセスして、大量データを処理しながら有意味なデータを取捨選択し、各種の経済分析や経営分析を可能とする、優れたソフトである。今日XCAMPUSはVER8.2となっており、表計算ソフトMS-ExcelやLotausへの連動、景気に山谷を示す独自のグラフィックモード、Linuxサーバ対応のWeb版など今日なお拡張され続けている。(http://xcsv.kobeuc.ac.jp/xcampus/


4.阪南大学での運用形態

 阪南大学では、238台のPC(OSはWindowsNT4.0 workstation)に日経NEEDS込みのXCAMPUSをインストールして、ネットワークで利用しているが、別途教員用には研究室のPCに独自インストールして利用できるようにもしている。さらにWindowsNT版での利用に加えて、1998年11月6日より、Web版の学内イントラネット(WebサーバはGRANPOWER 5000モデル760 でPentiumPro200MHz * 4CPU, MEM 384 MBの性能)でのサービスを開始し、これにより、一瞬にして実行結果が表示されることになっている。
 さらに文法構文教育は同じくイントラネットで対応し、(他大学を含む)教員間の連絡用メーリングリストを阪南大学のサーバ上に置き、ネット時代への対応を行っている。


5.教育上の優位性

 以下の3点ほどが考えられる。
  1. 情報リテラシー教育の成果を踏まえて、社会科学系固有の理論分析ツールの習得という次の段階へたやすく移行し得ること。
  2. 学生は生データの利用を通して、たえず社会に対する現実感覚を養い、就職時における優位性を築き得ること。
  3. 受講生N人に対してN通りの分析が可能になること。各人が興味関心に応じてプログラム操作を行うので、教員からの1ないし数通りのお仕着せのプラグラム提示という段階から脱却可能になったこと。


図1 リテラシー教育の成果に立って
(固定長データからのExcelへの連動:Web版日経NEEDSデータを用いて)


【目次へ戻る】 【バックナンバー 一覧へ戻る】