巻頭言

通巻100号を迎えた本誌の役割を考える


向殿 政男(私立大学情報教育協会広報委員会担当理事、明治大学理工学部長)


 2003年の新しい年を迎えました。そして、本誌「大学教育と情報」が、この号で通巻100号を迎えました。年4回発行していますので、25年目ということになります。これは私立大学情報教育協会(以下、私情協)の歴史とまったく同じであり、まさに大学の情報化の歴史そのものでもあります。この間、本誌は過去2回の名称変更を行っています。最初は、「私情協会報」と呼ばれ、それが1992年7月の通巻58号から「私情協ジャーナル」になり、2001年3月号の通巻93号から現在の「大学教育と情報」に変わりました。
 「私情協会報」の頃は、事務的に私情協の活動を報告していて、「私情協ジャーナル」の頃は、専門的な内容もお伝えしようとしていました。それが「大学教育と情報」に変わった理由は、私情協の役割が、情報環境の整備から教育そのものの情報化に、時代とともに変わった、そして読者の対象が情報教育関係者だけでなく、大学の教職員全員にしたい、というものです。というのは表向きの理由で、裏の理由は、「もっと面白くしろ」ということなのです。確かに、必要な情報は得られますが、「喜んで読んでみようという気にならない、要するに硬すぎる」という意見が、表の小さな声や影の大きな声としてあったからです。私自身も時々そう思うのですから、これは紛れもなくその通りです。広報委員長をはじめ、本誌の広報委員の皆さんはユーモアもある愉快な人たちなのですが、執筆者に原稿を依頼すると実にまじめな硬い文章が届くので、仕方がない、これが本誌の特徴だ、という言い訳をしているのです。しかし、本当はうすうす気が付いています。大学の教職員のボランティア活動での編集には限界があって、プロの編集者に頼まない限り、本当の面白い雑誌はできないのではないかということを。それでも素人広報委員達は、それなりに面白い紙面作りに努力を続けるつもりです。
 最近、「授業改善奮闘記」という連載をはじめました。これには時々面白いのがあります。このような記事をどんどん増やして、大学の教職員ならば喜んで手にとって読みたくなるような、そして、大学の教職員ならば誰でも読まなければならないような雑誌として本誌が成長していくよう、これからも頑張っていきたいと思います。皆様からのアイディア、意見、ヒント等をぜひ、事務局までどんどんお寄せください。本誌が次に名称を変える頃には、書店で手に入るようなポピュラーな雑誌になっているという初夢が本当になるように。
 私情協とともに本誌がここまで成長し、絶えることなく継続して発刊してこられたのは、歴代の委員長をはじめとした広報委員会の皆様のご努力とともに、事務局の全面的なサポートなしにはまったく成し得なかったものです。関係各位に本誌の担当理事として、心から感謝申し上げます。そして、最後に、執筆をして頂いた過去の、そしてこれから執筆頂く未来の執筆者に対して、心から感謝申し上げる次第です。



【目次へ戻る】 【バックナンバー 一覧へ戻る】