新しい学びの扉

広がるMOOC(ムーク)の活用と試行錯誤

金成 隆一(朝日新聞社 大阪本社編集局社会部記者)

1.はじめに

 前回の拙稿「無料オンライン授業の衝撃と学びの革命」[1]に続き、今回も大規模公開オンライン講座(MOOC: Massive Open Online Courses、通称ムーク)を巡る国内外の動向について報告したい。
 ムークを巡る動向を大まかに示せば、2012年はムーク誕生に沸き、2013年になるとムークをどう活用すれば、より効果的な教育を実現できるか(もしくは、より低コストで教育を提供できるか)についての試行錯誤が本格化したと言えると思う。Web上に、無料で使える良質な教育資源があるのだから、それをどう活用するべきなのかという議論に行き着くのは当然だろう。
 本稿では、前半で、日本でも受講者が広がっている現状を、後半で米国の教育機関の試行錯誤について記したい。

2.広がる「スマホ留学」

 日本では、現役の会社員の間で、静かにムークでの自学自習が広がっているようだ。その一端が東京・渋谷で開かれた学習会での取材で見えてきた。
 今年7月下旬、渋谷のレストランに男女9人が集まった。世界最大のムークのプラットフォームに成長しているコーセラ(Coursera)の受講生達だ。ネットを通じて呼びかけられ、全員が自発的に参加していた。
 ここでの会話はこんな具合だ。まず、学習会を主催した男性(35歳)が自己紹介を始めた。

写真1 東京・渋谷で開かれたコーセラ受講者の学習会(2013年7月28日)
男性
「簡単に自己紹介しますね。僕は今どこかの大学のコーディング・ザ・マトリックス(Coding the Matrix: Linear Algebra through Computer Science Applications)という講座で勉強しています」
参加者
「あれ、それってブラウン大学じゃない?」
参加者
「そうそう、ブラウン大学だよ、僕も(講義サイトを)のぞいたよ」
男性
「みなさんも取っているんですね。その講座では線形代数を習うんですけど、これが結構難しいんです。最近ほんとに苦労してます(笑)」
参加者
「わかる、それわかるよ(共感)」
男性
「でしょ、難しいでしょ。これまでの他のムーク講座では親切な教授が多かったのに、この教授はどんどん先に行ってしまう」
参加者
「そうなんだよ、あの教授、アップする講義ビデオの本数も多いしね」
参加者
「宿題の量も多いし」
参加者
「しゃべりも早いし」
男性
「そうそう話す速度が速すぎる。読んだら、すぐにスライドを切り替えちゃう。僕なん『えっまだ見ているのに』といつも思う(笑)。で、いつも講義ビデオを巻き戻す」

 普段は自宅などで独学している受講生が、日頃の学びの苦労について語り合う。同じ苦労をしている、いわばクラスメイト。高校生や大学生が学校で「○○先生の授業はどう?」「○○の講座は試験が難しい」と雑談するのと似ている。場は自然と盛り上がり、次第に情報交換が始まる。「あの講座を面白いと思った人には、きっと○○大学の講座も有益ですよ」。私は米国のサンフランシスコとシリコンバレーでもコーセラ受講生の学習会を取材したが、いずれの雰囲気もそっくりだ。
 2時間半の学習会はすぐに終わり、半分ほどが二次会に流れた。集まった参加者は、一体どのような人で、どのような風にムークを活用しているのだろう。取材を申し込むと、「他の日本人にもムークを知って欲しい」との理由で快諾してくれた。

■システムエンジニア、若井 幸夫さん(29歳)

 「私の場合、最初から仕事に役立てるつもりで受講を始めました。」こう話すのは、東京都内の外資系IT企業に勤めるシステムエンジニアの若井さんだ。とはいえ仕事が忙しく、学生時代のようには勉強に時間を割けない。そこで有効活用しているのが、朝の通勤時間だという。
 右手でつり革につかまり、左手にスマホ。片道40分なので、往復で1日1時間以上は講義聴講に充てられる。これに平日の夜や週末などの自宅での学習を加えると、毎週8時間ほどをムークでの学習に費やせる。

写真2 通勤中にスマホでムークを受講する若井さん(都内)

 ムークを知ったのは2013年1月頃。会社の同僚から簡単に聞いただけで、自分でやろうとまでは思っていなかったが、自身が新しい分野の社内プロジェクトに加わりたいと思うようになり、4月頃から本格的に始めた。
 受講しているのは、米スタンフォード大学の講座『機械学習』と、米ワシントン大学の『パブリック・スピーキング入門』の2講座。実際に受けていると、ムークの誕生で、オンライン教育が急速に進化したことを実感する。従来のeラーニングはネット上に教材があるだけで、「あとは自分で勉強を進めて下さい」というものだったという。勉強しなくなっても、誰も何も言ってくれない。
 ところがムークだと、世界中に同じ講義を受講し、教授のペースについていこうと必死になっている他の受講生がいて、ネット上の討論サイト(ディスカッション・フォーラム)で助け合える。みんなも頑張っている姿が見える効果は大きい。自分も頑張ろうという気になるという。
 宿題の締め切りが迫ると、「提出期限は米時間の○時○分○秒」とメールで通知してくれる。催促されているような気になるし、今週は土曜日の午前中を宿題に充てようなどと、目標を立てやすい。
 驚かされることもある。特に、効果的な話法を学ぶ『パブリック・スピーキング入門』で出された課題には、オンライン講座の新たな可能性を感じたという。それは、自己紹介や意見表明などを自分で撮影してYouTubeに投稿し、それを受講生同士で採点し合う自由参加型の課題だった。「オンライン教育はこんなこともできるのかという意外性が大きく、興味を持った。それにプレゼンテーションのスキル向上は今の仕事にも直結する。」迷わずに受講を決めた。
 4分ほどの自己紹介ビデオを投稿すると、しばらくして他の受講生からの評価が返ってきた。「もっと自信をもって話したほうがいいよ」、「ジェスチャーはうまくできているけど、もっと情熱を前面に出した方が効果的だ」。
 若井さんも採点者になった。いずれも20歳代ぐらいの英国の男性、南アフリカの女性、メキシコの女性のプレゼン動画を見て、評価項目に沿って3段階で点数をつけ、英語でコメントも書いた。正確に言えば、採点者として貢献しないと、自分のビデオの採点をしてもらえない仕組みだ。
 「一般的にオンライン教育の宿題と聞けば、択一式問題という思い込みがあるかもしれないが、コーセラがやろうとしていることは想像を超えていた」と若井さんは話す。
 もう一つ、気に入っているのは、水準に達すれば修了証をもらえることだ。正式な大学の単位でも学位でもないが、達成度を客観的に測れることの意味は大きい。修了証を獲得できれば、自学自習の成果として「自分はスタンフォード大学の講座『機械学習』を終えた」と社内で示したいと思っている。
 若井さんは言う。「会社勤めしながらムーク講義についていくのは、本当にしんどい。通勤電車内の時間を有効活用するしかない。決して楽ではないが、内容が充実しているので、勉強になったとの達成感がある。これでキャリア形成に違いが生まれるかもしれないと思える。社内の新プロジェクトに参加できるようになるかもしれない。」
 通勤電車での「スマホ受講」。海外のムークを学んでいることを考えれば、「スマホ留学」とも呼べそうだ。私は若井さんの話に驚いたが、インタビューを続けると、渋谷の学習会の参加者の多くが通勤電車で学んでいることがわかった。現役の会社員が日々の暮らしの中で学習時間を作ろうとすると、自然と通勤中になるということだろう。

■企業内研究員、酒井 政裕さん(31歳)

 学習会の参加者の一人、酒井さんは2013年1月からコーセラの受講を始めた。やはり自宅から会社まで片道1時間の通勤電車内で没頭している。ムークの受講を始めたきっかけは、あるブログだ。こう書いてあった。「コーセラのプログラミング講座にはヤラれた…。教材としてむちゃくちゃ整理されているし、説明も上手でクリスタルクリア。はっきり言ってこれだけでいいじゃん!自分にも書きかけの入門本や貯めてきたビデオ講義があるが、これ以上進行するのをやめようと思った。ここで勝負しても勝ち目がない。初心者の皆さん、いろいろ書籍で出ている入門書はひとまず脇において、このコーセラの講義で十分だと思いますよ。ある程度の英語を聴く力は必要だけれど」(趣旨を変えない範囲で編集)。
 酒井さんは驚いた。このブロガー自身がデータ解析の専門家で、専門サイトで連載記事を書くような人だったからだ。「この専門家に勝ち目がないと言わせるコーセラとは、なんだろう?」
 この体験をきっかけに受講したのは、米ジョンズ・ホプキンス大学の講座『コンピューターを使ったデータ解析(Computing for Data Analysis)』だった。
 気に入ったのは、毎週の宿題の充実ぶりだ。単に教授の講義ビデオを受け身に聴いているだけでは、実は理解できていない。わかったつもりになっていても、実際に宿題を解いてみて、初めて自分の理解が不十分なことに気づくことが少なくなかった。そんなときは講義スライドや講義ビデオでもう一度学び直した。
 「宿題の難易度も絶妙。講義ビデオを見ただけでは解けず、きちんと自分の頭で考えながら受講しないと回答できないレベル。受講生に努力を推奨する構造になっている」。この講座ですっかりムーク受講を気に入り、次から次に受講を続けている。この半年間ほどで、1)米ジョンズ・ホプキンス大学『データ解析(Data Analysis)』、2)スイス連邦工科大学ローザンヌ校『線形計画法と離散最適化(Linear and Discrete Optimization)』、3)米スタンフォード大学『機械学習(Machine learning)』、4)米ミシガン大学『モデル・シンキング(Model thinking)』の計5講座を終えた。
 一つの講座が10週前後あるため、2講座が重なった時期もあった。なぜ、そこまで頑張れるのかと尋ねると、酒井さんは少し考えてから答えた。「最初は勉強になるかもぐらいのつもりだったが、高度な内容が本格的に学べるとわかってからは、社内で新しい仕事に挑戦していくためにも、自分のスキルに加えたいものを戦略的に選んで受講してきた」。
 次に受講する講座を探すとき、酒井さんはコーセラの「間もなく開講する講座(Starting Soon)」の一覧ページを開く。すると、インドの最難関校インド工科大学(IIT)の講座『Webインテリジェンスとビッグデータ』や、豪メルボルン大学の『気候変動』など旬なテーマが並んでいる。一方で、微積分入門やミクロ経済学などの基礎講座も揃っている。迷いに迷ってそこから一つを選び、受講しているのだという。

■ベトナム人の会社員、レー・フック・ダイさん(26歳)

 渋谷の学習会で、猛勉強ぶりで周りの参加者を驚かせたのが、レーさんだ。ベトナムの大学を2年生で中退し、東京大学に入り直した。来日は2007年4月。最初の1年間で日本語を猛勉強し、東京大学では精密工学を専攻し、機械学習や人工知能学を学んだ。最も将来性のある分野と感じだからだ。
 2012年に大学を卒業し、春から東京の会社に勤めている。その頃ムークを知ったのだが、新卒入社で忙しく、やっと仕事に慣れてきた年末になって受講を始めた。米スタンフォード大の講座『機械学習』など、コンピューターサイエンス系を中心に「8講座ぐらい」を終え、修了証も獲得したという。この受講数に周囲は驚いた。「一体、働きながら、いつ勉強しているの」。周囲からあがった質問にこう答えた。「電車内での勉強で効率化している。電車で講義を聴いて、何時間勉強したかを毎日記録する。そうすることで、今日は怠けたなとわかるのでリズムができる」。
 毎朝6時に起床し、自宅を出るまでの2時間を勉強に充てる。電車内でも、スマホで講義の続きを視聴し、仕事から帰宅後も、月2回の同僚とのフットサルを除けば、2、3時間はパソコンに向かう。毎日4時間以上を、さらに土日はほぼ終日を、ムーク受講などの学びに充てている。「ここまでやると週40時間を勉強に確保できます」。レーさんがムークでの学びについて詳しいのは間違いない。自宅で普段の学習環境を見せてもらった。

写真3 自宅でムークを受講するレーさん(都内)

 レーさんのパソコン画面に、修了済みの講座一覧が表示された(表1)。レーさんは渋谷の学習会で修了証を得たのは「8講座ぐらい」と話していたが、数えてみると10講座もあった。それに私が取材に訪れたときも、スタンフォード大学やプリンストン大学、デューク大学など6大学から7講座を受講中だった。

表1 レーさんが修了した講座一覧(2013年9月現在)
提供大学 講座名 スコア 開講日時
1英エジンバラ大学 Critical Thinking in Global Challenges 95.7% 1月28日
2米ミシガン大学 Model Thinking 97.2% 3月4日
3米デューク大学 English Composition I: Achieving Expertise 76.8% 3月18日
4インド工科大学 Web Intelligence and Big Data 77.3% 3月24日
5カナダのトロント大学 Learn to Program: Crafting Quality Code 92.4% 3月25日
6米ペンシルベニア大学 Gamification 71.1% 4月1日
7米ライス大学 An Introduction to Interactive Programming in Python 84.7% 4月15日
8米スタンフォード大学 Machine Learning 100% 4月22日
9米ワシントン大学 Introduction to Data Science 89.7% 5月1日
10英ロンドン大学 Creative Programming for Digital Media & Mobile Apps 75% 6月10日

 考えてみるとすごいことだ。米国、英国、カナダ、インドの4カ国の15ほどの大学から、将来に役立ちそうなムーク講座に優先順位を付けて受講している。高等教育を自分仕様でカスタマイズしているのだ。ムークの誕生前、つい2年前なら不可能だったことだ。意欲のある人がどこまでも学べるオープン・エデュケーションの時代を象徴するような学習ぶりだ。なぜ、そこまで学びに夢中なのだろうか。彼の答えを聞いて、私はレーさんの熱意が理解できた。
 「僕は来年、自分のWeb上のサービスを発表したい。起業にも関心がある。目標がいっぱいあるので、どんどん勉強しているけど、まだ足りない。これは確実に必要だなというムークしか取っていない。本当は政治学や教育学、衛生学もとりたいけど、時間の余裕がない」。とにかく学ぶことが楽しくて仕方ない、そんな様子だ。
 紹介した3人はいずれも通勤電車の中で、スマホやタブレット端末でムーク受講していた。このような現役会社員の自発的な学習がキャリア形成につながっていけば、きっと「スマホ留学」は広がっていくだろう。
 学習会はコーセラの受講者によるものだけでも、世界3,300カ所以上で開催されている。
 私が昨年12月に調べたときは、約2,300カ所だった。急増しているのだ。直接取材できたのは、前回報告したサンフランシスコとシリコンバレー、そして今回の東京の計3カ所だが、いずれの学習会にも、自らの学びに夢中な受講生が集まっていた。世界の各地で、あのような学習会が開催されていることを想像すると、オープン・エデュケーションの衝撃の大きさがわかる。

3.「21世紀型の教科書」販売開始か?

 ここからはムークを提供する側の動向を報告したい。前回の記事で、コーセラ創設者で米スタンフォード大学教授のダフニー・コラーさんが、ムークを「21世紀型の教科書」と表現したことを紹介した。私達が学校で使ってきた印刷物としての教科書だけでなく、講義ビデオや宿題・試験問題の作成、採点、受講生の評価なども加えてパッケージにした「教科書」という意味だ。[2]

写真4 コーセラ創設者で米スタンフォード大学教授のダフニー・コラーさん(写真左)と、同大准教授のアンドリュー・ングさん(米シリコンバレー)

 実は、あの話が出てきたのは、インタビュー中、私がビジネスモデルの質問をしたときだった。コーセラのムークを「21世紀型の教科書」として国内外の大学に提供する際に、課金する構想があるということだろう。
 そんな構想が本当に実現するのかと思っていたら、インタビューから半年後の2013年6月、高等教育界を驚かせる発表があった。コーセラが米国の10の州立大学システムと提携したのだ。州からの補助金が減額され、経営が極めて苦しくなっている州立大学、州立大学の維持に頭を悩ませている州政府当局者・政治家、ビジネスモデルを確立したいコーセラの思惑が一致したと解釈できそうだ。
 米メディアの報道によると、州立大学はコーセラのムーク講座を授業で利用できるようになる。この場合、州立大学はコーセラに基本料3千ドル(約30万円)を支払い、学生一人ごとに8〜25ドルを上乗せする契約になっているという。大学側で教材の内容や構成を改編することもできるようだ。[3]
 また、州立大学もコーセラのプラットフォームで、ムークを配信できるようになった。実際、2013年9月には、コロラド州立大学が講座『ゲームプログラミング入門Beginning Game Programming with C#』の配信を始めている。[4]
 コーセラと州立大学の契約内容の詳細は不明だが、ムークを既存の大学教育に導入し、それを収益に結びつけようとする経営戦略の一環と言えそうだ。また、州立大学同士でムークを融通するようになるかもしれない。経営の苦しい州立大学には経費削減に結びつきそうだ。
 このような大学との提携はどこまで広がるのだろうか。米国以外の大学、例えば日本の大学には広がるだろうか。
 例えば、日本の大学が、英語の実践的な学習も兼ねて海外大学の配信するムークを授業に使うことは、現実味のある構想ではないだろうか。英語で教える教授を海外から招いたり、学生が実際に留学したりすることに比べれば、ムークの方が、つまり「21世紀型の教科書」を使うことの方がよっぽどハードルが低く、低コストになるだろう。実際に前回報告したように、モンゴル最難関の国立大学では、海外のムークを正式に授業に取り込んでいる。日本以外の非英語圏の国々にも広がる可能性はあるだろう。さらに踏み込んだ構想もささやかれている。
 ある米国の大学教授は、私にこう話した。「州立大学の一部には、施設や教員を一切増やさずに、学生数を数万人規模で増やす計画が浮上している。これはムークを使った通信教育課程の開設で、狙いは米国内だけでなく、海外の学生ではないかと指摘されている」。これが事実であれば、日本国内からでも、米国の○○州立大学を卒業できるようになるのかもしれない。確かにこの場合、学生はキャンパスに通わないため、州立大学は施設を整備する必要はない。
 コーセラ創業者のコラーさんが示していた、もう一つの収益源が「有料の修了証」だ。
 インタビューした2012年12月の時点では、「きちんと本人が受講したと証明できる修了証を有料発行にするアイデアがある。講座そのものは無料で学べるが、きちんと水準に達して修了したことを、より認証度の高い方法で示す。そうすれば、雇用主にもきちんと示すことができるようになる。よりよい仕事に就くためなら、多少のコストが発生してもよいでしょう。これは検討している選択肢の一つ」と話していた。
 すると、1カ月後の2013年1月、「シグニチャー・トラック(Signature Track)」制度が正式に発表された。従来は、コースをきちんと最後までやり遂げ、講師が求める水準に達しても、得られるのはPDFファイルの修了証だった。しかし、この修了証を履歴書に添付して就職活動に使い始めれば、「これは本当にあなたが受講した成果なのか?」との疑問をはさむ余地が残る。悪意があれば、自分よりハイスコアを出せる他人に受講してもらうこともできるからだ。
 そこでコーセラが考え出したのが新制度だ。手間をかけて本人確認する分、一つの講座を受講するごとに29〜100ドルの費用を受講生に払ってもらう。価格は講座によって異なる金額が示されている。
 この制度の発表時は、5講座での導入だったが、8カ月後の2013年9月時点では、コーセラが提供する449講座のうち106講座での利用が可能になっている。
 一般の受講生からみれば選択肢が増えただけだ。これら106講座を、従来どおり無料で受講することもできるし、より認証度の高い修了証をもらうため、有料の新制度を利用しても良い。
 新制度を選ぶと、本人認証度を高めるため、主に以下の五つの作業が求められる。

1)タイピング・パターンの登録

 筆跡のようにタイピングのパターンにも一人ひとりの特徴がある。まずは、あなたのタイピング・パターンの特徴を登録します。キー・ストローク(キーボードへの打ち込み)の特徴を1,000分の1秒の精密さで測ります。コーセラのシステムによって示される文章を普段通りに打ち込んで下さい。

2)Webカメラでの証明写真の撮影

 Webカメラであなたの顔写真を明るい部屋で撮影して下さい。

3)運転免許証などの証明書のWebカメラでの撮影

 国や地方政府が発行する運転免許証やパスポート、国民カードなどをWebカメラで撮影します。証明書にあなたの顔写真と、名前と苗字が正確に記載されていることを確認して下さい。

4)個人情報の入力

 名前と苗字、生年月日、現住所を正確に入力して下さい。

5)クレジットカード情報を入力

 これらを総合して本人認証の精度を高めるという。発表当初は、この新制度がどれほどのビジネスモデルになるのか疑問の声も上がっていたが、それらを吹き飛ばすような発表が2013年9月にあった。[4]
 コーセラの発表によると、新制度は開始から9カ月で2万5千人の利用者を獲得し、100万ドル(1億円)の収入に結びついたという。特定分野だけでなく、プログラミングや栄養学、ゲミフィケーションなど幅広い講座で利用されたことも、コーセラは強調している。
 新制度で受講し、きちんと水準に達する成績を残すと、それらをきちんと証明するサイトのURLが受講生に届く。受講生がこのURLを雇用主などに伝えれば、雇用主は受講生がいつ、どの講座を受講し、どの教授から修了証を得たのかを確認できるという。
 2013年6月、ヤフーが社員教育にコーセラのシグニチャー・トラック制度を利用することが、コーセラのWebサイトで発表された。それによると、ヤフーは、数千人のソフトウェアエンジニアが暗号学や機械学習、モバイル開発などの分野でスキルを磨くのを、財政的にも支援するのだという。
 ヤフーの担当者は「世界各地に社員がいて、日々の仕事に忙しいので、ムークでの学習は社員のニーズを満たす手段として、とても魅力的だ」と述べている。[5]
 コーセラは、同じページで、他の企業の人材開発担当者に向けて、社員教育でのコーセラ利用を勧めている。ヤフーに続く企業が出てくれば、コーセラの安定的な収入源になりそうだ。

4.ブレンド・モデルへの反発も

 私が訪米取材した時点では、名門大学のムークを使ったブレンド・モデルに目立った反発は起きていなかった。だが、教授陣のすべてが、前回の記事で報告したサンノゼ州立大学のオスロー・ガディリ講師のように、抵抗感なく他大学のムークを自らの授業に導入するわけではないだろうと思っていた。

写真5 サンノゼ州立大学の「ブレンド・モデル」の風景。反転授業になっており、ガディリ講師は一斉講義をせず、教室を巡回して学生に教えていた(米カリフォルニア州)

 すると、2013年4月になり、同じサンノゼ大学でブレンド・モデルへの反発が表面化した。きっかけは4月10日のサンノゼ大学とエデックス(マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が設立したムーク提供機関)による会見だ。
 サンノゼ大学で、エデックスのムーク『電子回路』を使うパイロット事業が昨秋成功したことを受け、この試みをサンノゼ大学だけでなく、他のカリフォルニア州立大学の11キャンパスにも広げることが発表された。(一般的に米国の州立大学は、州内にいくつものキャンパスを持っている。)
 さらには、サンノゼ大学とエデックスの協力関係は、電子工学部だけでなく、人文科学系、ビジネス系、社会科学系の分野にも拡大する方針も示された。教育現場への新技術導入を促進する機関も設置され、当分は『電子回路』でのブレンド・モデルに集中するものの、ゆくゆくはカリフォルニア州立大学システムの全教員約2万2千人、42万6千人の全学生に影響する、との趣旨が記されていた。これにサンノゼ大学の哲学科の教員が反発した。
 日本でもお馴染みのハーバード大学のサンデル教授によるムーク講座『正義』の導入を求められた哲学科が、この要請を拒絶し、同科の教授陣が「サンデル教授への公開書簡」を出したのだ。
 A4判の用紙3枚に綴られたこの書簡は、名門大学のスター教授によるムークを突然使うように頼まれた教授陣の戸惑いと憤りを率直に示したもので、今後のブレンド・モデルの展開にも一定の影響を及ぼすと思われる。じっくり見てみたい。
 日付は、2013年4月29日付。サンノゼ大学とエデックスの会見から約3週間後。会見での発表内容に驚いた哲学科の教員たちが練りに練った文章なのだろう。
 書簡はまず、哲学科がサンデル教授のムーク利用を拒む理由に、1)「哲学科にムーク導入で解決できる教育上の問題は存在していない」、2)「同等の授業を教えるのに教授陣の力量に不足もない」の2点を挙げた。そして、公立大学でのムーク導入論は、長期的な財政支出を減らしたいという、教育論とは無縁の思惑に動機付けられており、サンノゼ大学だけでなく、全米の大学の危機であると訴えた。カリフォルニア州が深刻な財政危機に直面していることが背景にある。書簡をわざわざ公開した理由については、「遅かれ早かれ他学部や他大学も同じ難局に直面すると信じているからだ」とした。その上で「大学における良質な教育の本質とは何か?」と問いかけ、以下のように訴えた。紙幅の都合もあるので要旨だけをお伝えしたい。[6]

  1. 1)学生は、情熱的な教授との直接対話から大いに学ぶ。外部業者から提供された、万能型(One Size Fits All)の講座では、それは実現できない。
  2. 2)エデックスの講義ビデオには、ハーバード大学の学生の発言やノートを取る姿が映っている。サンノゼ大学の学生に、サンデル教授がハーバード大学の学生と対話している様子を視聴させるよも、サンノゼ大学の教授に学生と直接対話をさせることの方が、より価値がある。
  3. 3)全米の哲学科で、まったく同じ社会正義の講義が教えられるなどということは、末恐ろしい話だ。各学部には、それぞれの専門性や特徴があり、それらを維持するべきだ。

 問いかけは続いた。「外部業者から調達する講義で、学生は何を学ぶのだろうか」

  1. 1)ハーバード大学のような恵まれた教育機関での討論を聞くように伝えれば、私たち教員はサンノゼ大学の学生にどのようなメッセージを送ることになるのか?サンノゼ大学の多様なバックグラウンドの学生たちは、もっと身近な経験を扱う講義で、やはり多様な教員から直接教わっているときに、より多くを学ぶのだ。
  2. 2)もし、万能型(One Size Fits All)の講座が当たり前になれば、大学に二つの階層ができるのではないかと懸念する。一方には、恵まれた学生が教授から直に講義を受ける裕福な大学があり、他方には、財政の逼迫した大学で、学生が大量の講義ビデオを見ている(そのような二分された光景だ)。二つの階層を生み出すような方法で社会正義を教えるなど、たちの悪いジョークだ。

 そして最後にこう指摘した。
 「オンライン講座の購入は、教授法についての関心から(始まった動き)ではなく、米国の大学制度の構造改革、特にカリフォルニア州立大学システムの構造改革の一環だ。本当に教育的な関心からであれば、まずは教員に相談があるだろう。しかし今回は密室で話が進められ、突然会見が開かれた。外部業者からのムーク調達は、構造改革の第一歩なのだ。」
 さぞかしサンデル教授はびっくりしただろう。高等教育専門のWebサイトを通じて5月2日に「返信」が公開された。[7]「特に人文系では、私はオンライン講座が、教授と学生の直接対話を代替できるとは思っていない。私は数年前に講座『正義』をWebで無料公開したが、その狙いは、すべての人が、講義ビデオや教材にアクセスできるようにすることだ。エデックスとサンノゼ大学の取り決めについて、私は関知していない。オンライン講座の利用が広がることが、財政的にひっ迫している公立大学にダメージを与えるのではないかという、みなさんの懸念は道理に適っており、真剣な議論に値する。私が最も望まないのは、私の講座が他の教育機関の教員の立場を弱めることに利用されることだ」。
 サンノゼ大学の幹部も、米メディアの取材に以下のように話した。「エデックスの教材をどのぐらい授業で採用するかは、サンノゼ大学の各教員の判断と責任に委ねられている。サンノゼ大学の経営陣が、これらの教授方法を教員に無理強いしたことも、命令したことも一切ない」。[8]
 この騒動の約1カ月後、今度はムークを提供している側からも懸念の声が上がった。マサチューセッツ工科大学と共同でエデックスを設立したハーバード大学の教授陣58人だ。こちらも米メディアの注目を集めた。
 2013年5月23日付の公開文書で、Faculty of Arts and Sciencesの教授陣は訴えた。「エデックス誕生の1周年を迎え、一部の教員はムークの可能性に興奮しているが、その費用や引き起こす影響に深く憂慮する教員もいる。ハーバード大学の教員とムークの関係に関する重要な問題が、未解決のままである。我々は、何よりもハーバード大学の学生と院生を教育することに責任を負っている。ムークの急激な発展を考えると、教員らの公式な話し合いの場が早急に持たれるべきだ」。[9]
 サンノゼ大の教員の戸惑いとは内容は異なるが、2012年以降、急激に進展するムークの広がりに、配信する側の大学教員からも「ちょっと立ち止まって考えよう」との声が挙がったものと解釈できそうだ。
 サンノゼ大学は、2012年に始まったエデックスとのパイロット事業で注目を集めてきたが、実は2013年に入り、ムークを提供するシリコンバレーのベンチャー企業「ユダシティー」との連携にも乗り出していた。それは、ユダシティーのオンライン講座を利用して、基礎数学の講座をサンノゼ大学に設置するという事業だ。2013年春のパイロット事業は、サンノゼ大学の学生と、高校生も含む正規の学生以外の参加者を対象に行われたが、いずれにおいても合格率が低かったことが米メディアによって報じられた。「ムーク実験は困惑で終わった」、「失敗」、「つまずき」・・・。この事業が夏でいったん終わったこともあり、両者が試みたブレンド・モデルは学習効果が低い、つまり失敗に終わったとのトーンの評価や報道がWeb上で相次いだ。
 これに対し、「ユダシティーよ、もう一回挑戦しろ」と激励したのが、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授が率いるシンクタンクの研究者だ。「サンノゼ大学とユダシティーの果敢な実験がとんでもない失敗だったとしてメディアの注目を集めたのは残念だ」、「ムークはまだ完成していないのだ。そもそも補修クラスの学生がオンライン講座で突然成功できると、私たちは期待するべきではない」。
 これまで教育機会を得られなかった人々が、ムークなどのオープン・エデュケーションによって学ぶチャンスをつかむ。この実態に批判的な人は少ないだろう。ところが、ムークを、既存の教育機関でどのように活用するかというテーマになると、話は複雑になる。既存の教育機関で働く教員の教育方法や雇用形態にも影響を及ぼすと懸念されるからだ。そのため一つひとつのパイロット事業が注目を集めている。
 少なくとも現時点で確かなのは、高騰する教育費が社会問題になっている米国では、「他の教育機関から提供されるムーク講座をどのように教室で有効活用できるのか」という試行錯誤が切れ目なく続いているということだ。試行錯誤を繰り返せば、うまくいかないこともあるだろう。そこから改善を図り、よりよい打開策が見つかるのではないだろうか。試行錯誤は米国でこれからも盛んに取り組まれるだろう。ブレンド・モデルの成否を決めるのは、時期尚早だと思う。

5.東大ムークには145カ国から4万人

 東京大学が今年9月から講座「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to the Dark Energy)」の配信を始めた[10]。日本の大学が世界に向けて発信した最初のムークだ。教えているのは、東大カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉・特任教授。ベストセラーの著書『宇宙は何でできているのか』[11]などで知られる、宇宙の誕生などをわかりやすく解説できる世界的なエキスパートだ。

写真6 東京大学が開いた講座『ビッグバンからダークエネルギーまで』のオフィシャル・ミートアップ。日本人高校生や私立高校の管理職の参加もあった(本郷キャンパス)

 大方の予想通り、講義は順調に進んでいるという。開講の1カ月前から受講生の登録が急増し、最終的には4万人を突破。受講生は145カ国から集まっている。最年少は米国とカナダの8歳(2005年生まれ)だった。
 受講生のうち8,383人が回答した調査によると、最もアクセスが多いのは米国で全体の26.6%を占め、以降は、インドの8.8%、英国の4.9%、スペインの4.4%、ブラジルとカナダの3.5%、日本の2.8%、ロシアの2.7%、豪州とドイツの2.3%、ギリシャの2.1%、メキシコの2%と続いた。
 東京大学のムーク配信に携わっている山内祐平准教授(教育工学)は「東大のすべての学生を合わせても2万8千人で、うち留学生は数千人。そう考えると、一度に145カ国の計4万人に授業を届けられるムークのインパクトは計り知れない。東大と接点のなかった人々にも授業を届けられたPR効果は大きい」と話す。
 山内氏が強調しているのは、受講生の人数の大きさだけではない。その一人ひとりの喜びも大きいという。「このサイトを見て下さい。学ぶ機会を得たことへの感動を受講生が書き込んでいます。これを見るだけでも、ムークを配信する意義はあったと確信できる」。山内氏はそう言って、村山教授の講座のディスカッション・フォーラムを開いた。そこには、ずっと物理学に関心はあったが学ぶ機会のなかった女性が「将来息子には科学者になって欲しい」と願いを書き込んだり、学校に通っていない少女が「この講座が私の教室」と綴ったりしていた。
 東京大学は今年10月にも講座『戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)』を開講する。担当するのは、大学院法学政治研究科の藤原帰一教授だ。登録者は開講1カ月前の時点で2万人を突破しており、こちらも順調だという。
 コーセラでは世界中の88の高等教育機関が450以上の講座を提供しており、村山、藤原の両教授の講座もそこに並べられ、面白さや、わかりやすさなどを比較される。各国の受講生は「○○大学の講義は面白かった」、「○○大学の講義はつまらなかった」と認識する。両ムークは「東大の教育力」として評価を受ける。日本からコーセラに参加する唯一の大学であることを考えれば、「日本の大学の授業」としても記憶されるだろう。
 東京大学は年2講座ほどのペースで公開を続け、5年後には東大を代表する10講座が常に講座リストに並んでいるようにしたいという。

6.これから

 山内氏は、東大がコーセラに参加することで、米国を中心とした海外の大学の試行錯誤に参加できる点にメリットを感じている。コーセラは発足一周年を迎えた2013年4月、提携する高等教育機関の代表者らを招いてカンファレンスを米国で開催した。山内氏は東京大学の一員として参加したが、各大学が「試行錯誤の途中経過を報告し合う学会のような雰囲気の場」だったという。
 現時点で、コーセラや、コーセラへの参加大学がどのような課題認識を持っているかがわかるので、テーマの一部を紹介したい。

コーセラのカンファレンスのテーマ(抜粋)

 全体を貫いていたのは、どうすればより学習効果の高いムークを提供できるかという視点だ。また、Web上の学習教材、特に講義ビデオを利用することで、大学の授業をどのように改善できるかという議論もあった。昨今の学費の高騰を背景に、「大学を3年制にできれば学費を下げられる」という提案まで出ていたといい、山内氏は「最新技術を活用することでの抜本的な議論が始まっていることに、金槌で頭をぶん殴られたような衝撃を受けた」という。
 京都大学も2014年春から、教育NPO「エデックス」でムークを配信する。米マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が共同設立したエデックスには、中国の清華大学、北京大学、韓国のソウル大学なども加わり、現時点では29大学のコンソーシアムに拡大した。やはり、より効果的なムークの制作、それらを既存の教育機関で活用する方法などの研究が本格化している。
 これらの研究、いわば試行錯誤は、800年来の教育方法に変化をもたらす以上、これからも賛否を巻き起こすだろう。ここからどのような果実が生まれるのかはまだ定かではないが、学生にメリットがあるものであれば、日本の教育機関も積極的に成果を吸収するべきだと思う。
 日本の高校にも変化が起こり始めている。まだ、取材できていないのだが、先日出会った、日本のある私立高校の副校長は「うちの生徒もムークで学習している。教員も加わり、ブレンド・モデルを実施している」と話していた。
 ネット上に無料で使える良質な教育資源が増えている。これを有効活用できるか否かは、ひとえに学校側の意欲にかかっていると思う。これから、日本の高校や大学からも意欲的な試行錯誤が生まれることを心から期待し、それらを取材していきたい。
 (新しい試行錯誤についての情報提供をお待ちしております。)

関連URL
[1] 金成隆一: 無料オンライン授業の衝撃と学びの革命. 大学教育と情報, 2013年度No.1, pp.2-11.
http://www.juce.jp/LINK/journal/1303/pdf/02_01.pdf
[2] ウェブサイト「ザ・クロニカル・オブ・ハイヤーエデュケーション」の記事「In Deals With 10 Public Universities, Coursera Bids for Role in Credit Courses」(2013年5月30日付)
http://chronicle.com/article/In-Deals-With-10-Public/139533/
[3] コーセラのウェブサイト
https://www.coursera.org/course/gameprogramming
[4] コーセラのウェブサイト「A milestone for Signature Track, Certificates for the life-long learner」(2013年9月12日付)
http://blog.coursera.org/post/61047298750/a-milestone-for-signature-track-certificates-for-the
[5] コーセラのウェブサイト記事「Yahoo! sponsors employees to earn Verified Certificates on Coursera」
http://blog.coursera.org/post/53374336556/yahoo-sponsors-employees-to-earn-verified-certificates
[6] ウェブサイト「ザ・クロニカル・オブ・ハイヤーエデュケーション」の記事「'An Open Letter to Professor Michael Sandel From the Philosophy Department at San Jose State U.'」(2013年5月2日付)で全文が公開されている。
http://chronicle.com/article/The-Document-an-Open-Letter/138937/
[7] ウェブサイト「ザ・クロニカル・オブ・ハイヤーエデュケーション」の記事「Michael Sandel Responds」(2013年5月2日付)で全文が公開されている。
http://chronicle.com/article/Michael-Sandel-Responds/ 139021/
[8] ウェブサイト「ザ・クロニカル・オブ・ハイヤーエデュケーション」の記事「Why Professors at San Jose State Won't Use a Harvard Professor's MOOC」(2013年5月2日付)
http://chronicle.com/article/Why-Professors-at-San-Jose/138941/
[9] ハーバード大学の大学新聞ウェブサイト「ハーバード・クリムゾン」の記事「Letter from 58 Professors to Smith Addressing edX」(2013年5月23日付)で全文が公開されている。
http://www.thecrimson.com/flash-graphic/2013/5/23/edx-faculty-letter-smith/
[10] 世界的な大規模公開オンライン講座(MOOC)の動向と東京大学の取り組み. 大学教育と情報, 2013年度No.1, pp.12-16.
http://www.juce.jp/LINK/journal/1303/pdf/02_02.pdf
[11] 村山斉: 宇宙は何でできているのか. 幻冬舎新書, 2010.9

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