賛助会員だより

日本システム技術株式会社

「学生個人を大切にした総合的支援の推進」としてICカード出欠管理システムを導入
要支援学生の組織的なフォローを強化
〜京都光華女子大学ICカード出欠管理システム導入事例〜

■背景

 京都光華女子大学は、1940年創立の光華高等女学校を前身として1964年に開学しました。現在は、幼稚園から大学院までを併設する真宗大谷派(東本願寺)宗門の総合学園となっています。同大学では、「学生個人を大切にしたキャリア教育の推進」が平成19年度に現代GPに選定されました。翌平成20年度には「学生個人を大切にした総合的支援の推進」が学生支援GPに選定されました。両GPの連続採択を受け、総合学生支援の取組み「エンロールメントマネジメント(EM)(1)」を本格的にスタートさせました。
 その後、平成24年度には専門部署であるEM・IR部を創設し、入学前から卒業後まで、教育・生活全般に渡って学生を支援するため、教職協同での推進体制を強化し総合的にマネジメントを行っておられます。

■ICカード出欠管理システム導入の背景

 ICカード出欠管理システムはその一貫として、平成20年度後期に本格導入を行い、本年度で6年目を迎えます。学生自身がICカード学生証を利用し、教室備え付けの専用端末にて、授業開始前の一定時間内にカード記録を行います。それまでの出欠管理の仕組みは出席カードによる管理が中心で、かつ教員個人に依存していました。全科目で出欠を取ることが困難であることや、データがリアルタイムに収集できない点など多くの懸案事項がありました。
 全学的な出欠管理のシステム化を図ることで全授業の出欠データが基幹事務システムに自動登録できるだけではなく、要支援学生に対しての即時フォローと、「エンロールメントマネジメント」における重要な基礎データとしてシステムに蓄積され、必要に応じて統計情報のデータ源として活用できるようになりました。

■システムの特長と効果

 ICカード出欠管理システムは、大きく二つの運用方法で使用されています。一つは、教室の入り口付近に出欠管理端末(カードリーダ)を固定して使用するネットワークタイプです。もう一つは、教員が授業の際に持ち運んで使用するポータブルタイプです。
 取得した出欠情報は、リアルタイムでポータルシステムに反映されるため、教員が授業中に出欠状況を参照できます。また、あらかじめ時間を設定しておくことで自動的に出席だけでなく、遅刻等をきめ細かく管理することも可能です。さらに出欠管理端末は、基幹事務システムの情報(教室変更、履修者情報等)もリアルタイムで受信しているため、授業の情報を画面に表示するとともに未履修者がかざしたときにエラーとするなどチェック機能も有しています。
 ポータブルタイプは、バッテリー駆動で持ち出し可能な出欠管理端末にICカード学生証をかざすことで出欠情報を取得します。授業終了後、学内ネットワークに接続されたPCに出欠管理端末を接続し、手動でポータルシステムへ出欠情報をアップロードします。主に教室以外で実施するフィールドワーク等の授業で使用します。
 ICカード出欠管理システムを導入することで、授業開始時の出欠確認、授業終了後の出欠情報の記録など出欠管理に関する業務負荷が大幅に軽減されます。さらに蓄積された情報を用いて大学運営、学生支援に関わるさまざまなデータ分析を可能にします。

■大学からの評価

 システム導入前は、出席カードで収集した情報をExcelで管理していたため、手作業が多く管理も煩雑でした。システム導入当初は、一部の教員からシステム化への否定的な声もありましたが、現在では学内で当たり前の存在となっています。導入当初65%だった教室へのカードリーダ設置率は、現在では94%となるまで増設し、ポータブル型のカードリーダを含め、全授業で出欠を取得できるようになりました。ポータブル型カードリーダは学外での授業以外に、イベントなどでも活用しています。
 目に見える効果として、授業開始時の学生や教員の遅刻減少、休みがちな学生の抽出とタイムリーなフォローなどさまざまなメリットを生み出しています。また、出欠データの蓄積は、同大学で取り組んでいるEM・IR活動の重要な基本データの一つになっています。

ICカード出欠管理システム(ネットワークタイプ)運用イメージ

<教員からのコメント>

 「本学ポータルシステムである光華navi(GAKUEN/ UNIVERSAL PASSPORT)の導入により、学生の成績や単位取得状況等の静的な情報を一元的に把握することが容易にできるようになりました。それに加え、出欠データのリアルタイムな収集により、授業での出欠確認の時間と手間を減らすという直接的なメリット以外に、学生個々の動的な情報を捉えられるようになったことが重要なポイントだと考えています。これらは、本学EM取り組みの重要な基礎データとなっており、全学的に展開しているIRにも繋がっています。」
(EM・IR部 准教授 阿部一晴)

(1) 学生の入学前から卒業後まで、あらゆる場面で教職員が連携し、総合的に学生個人を大切にしたさまざまな支援を推進する大学全体での取り組み。
問い合わせ先
日本システム技術株式会社(通称:JAST)
(西日本地区)GAKUEN事業部
TEL:06-4560-1030

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