特集 対面授業からオンライン授業切り替えの取組み

早稲田大学のオンライン授業の取組みと課題

森田 裕介(早稲田大学 人間科学学術院教授)
向後 千春(こうご ちはる)(早稲田大学 人間科学学術院教授)

1.はじめに

 2020年度は、コロナ禍の影響により、対面授業からオンライン授業への移行が加速する年となりました。オンライン授業と従来の対面授業は、相互に代替できるだけではなく、補完し合う異なる教授法でもあり、双方をうまく組み合わせることによってより効果的な教授法になり得ます。
 Waseda Vision 150[1]に示されている通り、本学では数年前からオンライン授業と対面授業を組み合わせたブレンディッドラーニングへの移行を推進しています[2]。2018年度の集計によれば、本学全体で、オンデマンド授業として提供されている科目は1,511科目、そのうち、ブレンディッドラーニングとして提供された科目数は851科目でした。また、オンデマンド授業を受講した学生の総延人数は82,544名、そのうちブレンディッドラーニングを受講した学生は延39,059名でした。このブレンディッドラーニングへの移行に関連した取組みが基盤となり、2020年度のオンライン授業の支援体制の整備につながっています。
 本稿では、情報化システムの整備と、オンライン授業の実施に向けた支援について、これまでの取組みをまとめました。また、実際の授業設計の事例を踏まえ、実験や実習、グループワークの授業をオンライン化する方法についての事例を掲載しました。

2.情報化システムの整備

(1)LMS(Learning Management System)の整備

 本学では、2007年度より独自開発したLMS「Course N@vi」を用いて授業支援を行ってきましたが、スマートホンや多言語化への対応強化のため、世界標準のオープンソースプラットフォームであるMoodleをベースにした「Waseda Moodle[3]」に移行する準備を進めてきました。2020年度は両方のシステムを並行稼働する計画としています。
 前ページ表1は、本学が推奨している3種類のオンライン授業の方法とその概要、利点、欠点をまとめたものです。これは後述する「Teach Anywhere」Webサイト[4]にも掲載し、教員がオンライン授業を行う上での判断材料にできるようにしています。2020年4月初旬は、「(A)講義資料・課題提示による授業」「(B)収録コンテンツのオンデマンド配信による授業」の2種類によるオンライン授業の実施を想定していました。(B)については、後述するスタジオや教室での収録に加え、教員自身のPCで収録するソフトウェアも複数用意しており、それらをまとめたコンテンツ制作/管理プラットフォームである「Contents Creation Studio(CCS)[5]」を提供しています。また、動画配信部分は、CCS以外にもWaseda Moodleと連携する形でMillvi[6]も提供することで、動画配信は2系統になっています。
 今回の新型コロナウイルス感染症による全学的なオンライン授業への移行に対応するため、急遽「(C)リアルタイム配信による授業」も全学的に利用可能とする基盤整備を行いました。具体的にはMoodleとの連携が容易なBlackboard社の「Collaborate」を中心に、Web会議等で一般的にも広く使われているVideo Communication社製「Zoom」が利用可能となっています。

表1 オンライン授業の3種類の方法
方法 概要 利点 欠点
(A)
講義資料・課題提示による授業
資料配布(PDFファイル等)と質問受付による方法 既にこれまで利用してきた方法であり、取組みやすい。 十分な資料が提示されないと、学生側の理解度が上がらない可能性がある。
(B)
収録コンテンツのオンデマンド配信による授業
収録済動画を配信する方法(複数の収録方法がある) 期間内で好きな時間に視聴できる。再生速度や繰り返し視聴により、理解度に応じた学習が可能。 動画視聴中に質問ができない。教員側の収録の負担が大きい。
(C)
リアルタイム配信による授業
パソコンやスマホを用いて講義をリアルタイムで配信する方法 教員側の準備が最小となる(教場授業をオンラインで配信するのみ)。学生からの質疑応答、グループディスカッション、小テスト、クリッカーなどを用い、双方向の講義とすることができる。 教員、履修者双方のPC・ネットワーク環境に依存するトラブルの可能性が(他の方法に比べ)高い。学生が日本以外にいる場合、日本時間に合わせた講義視聴となる。

(2)学外アクセスの整備

 本学で契約しているデータベース・電子ジャーナル・電子ブックなどの電子資料は、その多くが契約により大学のネットワーク環境に接続したコンピュータからのみ利用できるように制限されています。具体的には、電子資料にアクセスできる端末を、そのIPアドレスが大学の契約時に指定したIPアドレスの範囲内にあるものに制限しているものがほとんどです。そのため、学生が自宅や出張先といった大学の外にある端末から、それらの電子資料に直接アクセスすることはできません。アクセスするためには、ある種の仲介サービスが必要になります。この仲介サービスが「学外アクセス」です。本学の学生であれば、このサービスを利用することで、学外での学習や研究の際に、大学契約の様々な電子資料にアクセスすることができます(ただし、契約により学外接続が認められていないデータベースについては「学外アクセス」の方法を利用してもアクセスすることはできません)。このサービスは、2004年度に整備されましたが、その方式はVPNベースのものから、より細かい制御が可能なリバースプロキシベースのものへと変わってきており、現在は、EZproxyという製品を使っています。現在、登録されているアクセス可能な電子資料のサイト数は約300です。昨年度の学生の利用者数は約21,000人であり、4割程度の学生に利用されていることになります。

(3)収録スタジオなどの設備

 収録施設として早稲田、西早稲田、所沢キャンパス内の計5箇所にスタジオ施設があり、スタジオスタッフのサポートが得られます(図1)。また、早稲田、西早稲田キャンパスには簡易収録ブースがあり、収録の開始、終了、コンテンツのアップロードにおいて、スタジオスタッフのPC操作のサポートが得られます。さらに、早稲田、戸山キャンパスには計71教室に自動収録システムが設置してあり、通常の講義と同じような形態で授業収録が可能となっています。収録した動画コンテンツはスタジオスタッフがオンライン上にアップロードし、教員は手軽にコンテンツを入手できます。
 それぞれ施設数に限りがあるものの、各種サポートが受けられることで教員は収録に専念できることが特徴です。

図1 スタジオの様子
図1 遠隔授業の仕組み

(4)情報集約サイトの構築

 本学では新型コロナウイルス感染予防対策のため、2020年度春学期授業を原則としてすべてオンラインにて実施することにしましたが、教員ならびに学生がオンライン授業に向けた準備を進めるために必要な情報を一元的に提供するため、教員向けのサイト「Teach Anywhere」と、学生向けのサイト「Learn Anywhere」を構築しました。いずれのサイトも当初は学外にもオープンしていましたが、部外秘の情報も含めた情報集約サイトとなっているため、現時点ではIDとパスワードによる学内限定公開としています。

表2 Teach AnywhereとLearn Anywhereの概要
【教員向け】Teach Anywhere
【教員向け】Teach Anywhere
【主なコンテンツ】
  • 授業実施方式別マニュアル
  • サポート内容の紹介
  • Good Practice/Tipsの紹介
  • FAQ
  • 各種システムの利用案内
  • 参考情報(著作権関連情報/他大学事例等)
    ※チャットボット実装済
【学生向け】Learn Anywhere
【学生向け】Learn Anywhere
【主なコンテンツ】
  • オンライン授業受講に際しての心構え
  • 授業受講準備に向けた注意事項
  • 各種システムの利用案内
  • FAQ
    ※チャットボット実装済

3.オンライン授業の実施に向けた支援

(1)CTLTの概要

 CTLT(Center for Teaching, Learning and Technology)は、大学総合研究センターがWaseda Vision 150における核心戦略3「教育と学修内容の公開」ならびに核心戦略4「対話型、問題発見・解決型教育への移行」を推進するため、2020年4月1日に拠点として開設されたセンターです。大学総合研究センターは、高等教育研究部門と教育方法研究開発部門を有するセンターとして2014年2月に設立されましたが、サービスを展開するための具体的な拠点を有していませんでした。このような背景の中、大学総合研究センターの2部門の研究知見を具現化するとともに、テクノロジー活用の支援を行っているポータルオフィスの一部の機能を統合し、CTLTとして新たに拠点を設立する運びとなりました。
 CTLTの主な業務は、授業コンサルテーション、アクティブラーニング支援、授業に関する各種分析支援、TA(Teaching Assistant)などの授業支援者の育成、教材開発支援を行うことです。通常のサービスは、EduカウンターとTechカウンターで分業する体制となっており、授業設計(Instructional Design)や授業方法に関する支援はEduカウンター、LMSの設定や授業実施に関わるテクノロジーの活用支援はTechカウンターが担っています。
 オンライン授業の支援は、CTLTのEduカウンターとTechカウンターが協働で担う業務であり、双方の支援を融合したサービスとして提供されています。特筆すべきは、オンライン授業の支援として、旧遠隔教育センター[7]から引き継いで「オンデマンド授業実施ガイド」を学内に提供している点です。「オンデマンド授業実施ガイド」は、2003年度に設立された人間科学部通信教育課程(eスクール)や、学内のオンデマンド授業の知見を54ページに集約した手引書となっています。2020年度は、「オンデマンド授業実施ガイド」を改訂し、新しいLMSへの対応を行うとともに、講義資料・課題提示による授業や、リアルタイム配信による授業に関する事項を追記し、今回のオンライン授業化に向けたガイドラインへとアップデートする予定です。

(2)オンライン授業実施のためのセミナー

 2020年度春学期の全面的なオンライン授業移行を受けて、これまでオンライン授業に馴染みのない教員(専任教員、任期付教員、非常勤講師、インストラクター)を対象に、リアルタイム配信CTLTセミナー「オンライン授業の第一歩」を開催しました。セミナーでは、各教員にオンライン授業の形態と特徴を理解していただけるよう、講義資料・課題提示による授業(LMS活用)、オンデマンド配信、リアルタイム配信などの授業形態に合わせた授業方法を解説しました。また、各自のICTスキルに合った適切な授業方法を選択し、オンライン授業を自身で準備できるよう、実例を示しました。

表3 CTLTセミナーの参加人数と質問数
テーマ 申込 参加 質問
1 (1)講義の方法 644 301 -
(2)課題・評価の方法 610 581 287
2 (3)演習の方法 557 476 102
(4)よろず相談 443 350 92
3 (1)講義の方法 278 470 52
(2)課題・評価の方法 283 228 20
4 (3)演習の方法 259 226 37
(4)よろず相談 236 195 45
計(延人数・件) 3,310 2,827 635

 表3に、実施したリアルタイム配信CTLTセミナーの概要を示します。セミナーは、2020年4月13日から16日にかけて、各日の午前と午後に、リアルタイム配信アプリケーション「Zoom」を用い、教務部、情報企画部、ポータルオフィスのスタッフの協力を得て、Webinar形式で開催しました。各回のタイトルは、(1)講義の方法、(2)課題・評価の方法、(3)演習の方法、(4)よろず相談とし、各1時間?1時間30分程度、4日間で4つの内容を2回繰り返しました。セミナーへの総申込数は3,310名、延参加者数は2,827名。また、セミナー時の総質問数は635件でした。
 CTLTセミナーは、初日の午前中の開催に、アクセスするためのURLが届かない等のトラブルに見舞われました。半数以上の申込者が参加できない事態となった上に、セミナー中の質問に回答する体制が整っていなかったため、運用上の混乱が生じました。そこで2日目からは、アクセスURLの連絡方法を改善する対応を行うとともに、セミナー中の質問・回答をQ&A機能を使ってテキストで質問を受け付け、参加者同士でもお互いに回答していく方法を導入しました。加えて、セミナー開催期間中に受けた質問を整理し、多くの教員に共通している質問をTeach Anywhereに集約して回答しました。

4.オンライン授業設計の事例

 実験や実習の授業をオンライン化するのは、レクチャー中心の授業よりも難しくなりますけれども、チャレンジしがいのあるものとなるでしょう。以下、実験・実習の授業、グループワークのある授業、ゼミ形式の授業について、そのオンライン化についてみていきます。

(1)同期型と非同期型の授業を分けることが原則

 授業設計の原則は、同期型の授業時間と、LMSによる非同期の授業をうまく分けることです。同期型の授業時間は、Zoomなどのシステムを使って、学生全員が顔合わせをします。一方、非同期の授業では、LMSによって、ビデオ、課題、掲示板が提供されます。学生はそこに自分の自由な時間にアクセスして学習を進めることになります。
 全部を同期型授業でやろうと思うと、うまくいかないでしょう。それは、パソコンのスクリーンに向かうための集中力が切れてしまうからです。オンライン授業では対面授業以上の注意力が必要ですので、長時間やるのは無謀です。ひとつのセッションは、できれば60分以内、長くても90分以内で収めるのがいいでしょう。
 同期型授業を60分に収めるためには、そのための事前学習と事後学習を設定します。ここで非同期型の授業を設定して、個別学習をしてもらうのです。
 事前学習では、レクチャーとデモンストレーションのビデオを視聴してもらうようにします。またそれに関連したクイズやショートレポートを出しておきます。これはレクチャービデオをきちんと視聴してもらうために必要です。
 事後学習では、同期型授業をした後で、テストを行ったり、授業の内容に関するレポートを書いてもらいます。また掲示板を使って、教員の出したトピックや問いかけについての議論をしてもらうのもいいでしょう。
 以上、まとめると、授業全体のデザインとしては、事前学習(LMS)→同期型学習(Zoomなど)→事後学習(LMS)というパターンになります。

(2)実験・実習の授業のオンライン化

 実験や実習の授業のためには、できれば事前にデモンストレーションのビデオを作って配信しておくのがいいでしょう。同期型でデモンストレーションするのはうまくいかなかったり手間取ったりするリスクがあるからです。デモンストレーションのビデオでは、できるだけ解説を短くするのがポイントです。YouTubeで例えばテニスのビデオを見ると、レクチャーを聞くよりも、実際に打っている場面を見る方が効果的です。ですので、できるだけ説明を短くして、具体的な動きを中心に収録します。
 デモンストレーションを収録する場合、固定カメラでは収録が効果的にできないことが考えられますので、ビデオ収録する人を助手として雇う必要が出てきます。ただし、プログラミングの実習のようにスクリーン上でデモンストレーションが完結する場合はこの限りではありません。
 集合しての実験や実習はできませんので、デモンストレーションを見た後で、各自が自分の場所で実験や実習をすることになります。本物の実験材料や機材が手元にない場合は、シミュレーションという形で行うことになります。オンライン上で実験できるものがあれば(心理学実験のような)それを使うことになります。それをやった証拠としてレポートなどを書いてもらうことになります。

(3)グループワークのある授業のオンライン化

 グループワークが必要な場合は、Zoomではブレイクアウトルーム(Collaborateではブレークアウトグループ)という機能を使います。これは参加者全員を少人数のグループに分割するものです。グループ内の参加者と議論やワークを行ったあとで、ホストの教員は全体のミーティングに戻すことができます。これを繰り返してグループワークを行うといいでしょう。
 ブレイクアウトする前に、タスクを明確に教示しておくことが大切です。最終的に何をアウトプットするのか、グループ内の役割分担、時間制限などを明確に伝えます。グループワークが終わったら必ずプレゼンテーションをしてもらいます。全部のグループにプレゼンしてもらう時間がない場合は、ランダムに指名して発表してもらいます。その場合でも、全員にショートレポートを課すなどのタスクを与えます。こうすることでグループワークに真剣に取組んでもらえます。

(4)ゼミ形式の授業のオンライン化

 ゼミ形式の授業もまた事前学習をしてもらうことで、同期型のオンラインの時間を圧縮することができます。そこでは基本的に個別指導を行い、それを他のゼミ生が聞いているという形になります。もちろん聞いているゼミ生も議論に参加することができます。しかし基本形は個別指導ということがオンラインでは明確化されることになるでしょう。

5.おわりに

 CTLTが進めてきた学部や大学院での説明会ならびに先に述べたCTLTセミナーを踏まえ、オンライン授業を推進する上での課題が明らかになりました。以下に、本学の事例における課題と解決方法を述べます。
 第1の課題は、教員のICT活用に関する知識やスキル、情報リテラシー、情報機器の整備状況の格差が大きいことです。教員の質問の多くは、2020年4月から新規に導入したLMS(Waseda Moodle)の操作方法に関するものでした。Teach Anywhereに解説を掲載することによって解決を行ってきましたが、それでも「解説を読んでもわからない」、「もっと基本的なことがわからない」という質問が寄せられました。また、コンピュータ等の機器を有していない教員や、印刷物の配布と板書で授業を実施している教員が少なからずいることが明らかになりました。一方で、内容が初歩的すぎるという指摘もありました。今後は、教員のICT活用に関する知識やスキルの格差を是正するFD(ファカルティデベロップメント)を実施する予定です。
 第2の課題は、教員の授業の多様性への対応です。今回のセミナーでは、資料を提示して説明をする大人数の講義型授業と少人数のゼミ型授業を中心に、本学の典型的な授業を想定して実施しました。しかしながら、語学系科目や実技系科目(実験・実習を含む)などの特定の科目のオンライン授業化に関する質問が少なくありませんでした。本学は、専任教員約2,000名、非常勤講師等が約4,000名在籍しており、授業の内容に合わせたセミナーは、各学部や学科、コース単位で実施するほうが効果的である場合もあります。今後は、各箇所の代表者を集めたリーダー研修なども視野に入れていく予定です。
 第3の課題は、著作権に関する指針についてです。先に述べたCTLTセミナーでは、改正著作権法第35条の運用に関する質問も多数寄せられました。ご承知のように、2018年1月に改正された著作権法は、オンライン授業の実施に関わる重要なもので、2020年4月28日から施行されています。CTLTセミナー開催時点では、「改正著作権法第35条運用指針(令和2(2020)年度版)」は公開されておりませんでしたので、質問に対して明確な回答ができませんでした。この課題については、学内の著作権法の専門家の支援を経て、2020年4月21日に「オンライン授業実施における著作物の取り扱いについて」と題し、2020年度の限定として本学の指針を示すこととなりました。なお、2021年度以降の指針については、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)が示す補償金の金額や、支払いに伴うライセンスなどが明確になってから、改訂をしていく予定です。
 以上、本稿では、本学におけるオンライン授業への移行について、情報システムの整備と授業支援について述べるとともに、その課題を考察しました。冒頭で述べた通り、オンライン授業と従来の対面授業は、比較するものではなく、相互に補完し合う異なる教授法でもあります。オンライン授業への移行に伴う様々な取組みは、従来型の授業よりも効果が高いブレンディッドラーニング(反転授業を含む)のノウハウとして、教材として、教員や職員の経験値として蓄積されていきます。また、AI自動字幕や翻訳の多言語対応などの技術を融合することによって、次世代型の学びへの進化が期待できます。
 一方で、オンライン授業の普及により、日本国内のネットワークトラフィックが増大しています。国立情報学研究所からは、「データダイエットへの協力のお願い」と題し、データの通信量をできるだけ減らすよう呼びかけがなされました[8]。また、多くの大学でLMS等への接続障害も発生しました。これから普及が進んでいく第5世代移動通信システム(5G)やキャンパスネットワークのWi-Fi6への進化を踏まえますと、日本の教育情報基盤の強化は喫緊の課題であると言えます。ポストコロナの政策課題の一つとして提言がなされることを期待しています。

参考文献および関連URL
[1] 早稲田大学創立150周年(2032年)へ向けたビジョン。詳細は、https://www.waseda.jp/inst/vision150/
[2] 「ブレンディッドラーニングによる学修時間の増大」大学時報, No.376, pp.54-59(2017)
[3] http://www.waseda.jp/navi/wsdmoodle/index.html
[4] http://www.wnpspt.waseda.jp/teacher/teachanywhere/
[5] http://www.waseda.jp/navi/services/system/ccs.html
[6] https://millvi.jp/
[7] 2002年度〜2013年度にオンデマンド授業の知見を集約し、学内に提供していたセンター。2014年2月に大学総合研究センターに統合。
[8] https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/tips.html

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