賛助会員だより

株式会社NTT ExCパートナー

近畿大学様の情報リテラシー基礎教育における
eラーニングを活用した反転学習授業

 近畿大学は、西日本エリアで6キャンパス15学部49学科と短期大学部を擁し、少子化を背景に大学間の競争が激しくなる中、入学希望者全国一を誇る大規模総合大学です。
 実社会で即通用する「実学教育」に取り組まれていることも人気の理由です。
 その「実学教育」の一環として、PC活用、情報処理関連の基礎スキルを効果的に習得させるために導入している手法が、対面授業での実習とeラーニングシステム「KUDOS Knowledge」を組み合わせた反転学習形式の教育プログラムです。

■実施の背景・ねらい

 学生のPCスキル差を埋め、習得度・満足度を向上させる

 小中高で情報の授業が必須科目となって以後も、実際は、学校によって取組み方が様々で、大学入学時点での情報リテラシーの個人差が大きいのが実情です。スタート時点にはスキル差があっても、「実学」としてのPC活用等の必要レベルは譲れません。ある程度使える学生にも、ほぼ初心者に近い学生にも有意義な授業を提供するために、eラーニングを積極的に活用しようと考えました。
 実は、近畿大学とExCパートナー(旧社名NTTラーニングシステムズ)との協力関係は20年以上にわたります。
 2000年に、近畿大学が当時の最新設備を備えた情報教育棟(愛称:KUDOS よみ:キューダス)を立ち上げて以降、それまで学部や担当教員毎にレベルや内容が異なっていた情報リテラシーの授業を、統一シラバスで実施できるよう、教材開発・講師派遣を含め、協力関係を続けてきました。
 2007年に情報リテラシー授業の自学習支援のためのeラーニングシステム導入の際、複数の他社システムと比較検討された結果、当時のNTTラーニングシステムズ(現NTTExCパートナー)が開発したASP型eラーニングシステム(サービス名ELNO)を採用され、大学の情報教育の中核施設である「KUDOS」の名前を冠した「KUDOS Knowledge」が誕生しました。
 それ以降、毎年7,000名近い学生が、「KUDOS Knowledge」で学習してくれています。

KUDOS Knowledgeのトップ画面   KUDOS Knowledgeのコース一覧画面
 
学生は、大学のアカウントからシングルサインオンでKUDOS Knowledgeの各自の学習画面にログインして学習を進められる。   学生が履修している情報リテラシー授業にあわせた学習項目が表示される。進捗状況も数値で表示されるので、学生はどこまで進んだかがひと目で理解可能だ。

 導入当初は、主に「復習用」に活用していた本システムですが、コロナ禍を経て、学生の入学時のスキル差が更に広がったことや、オンデマンド授業などの「自学自習」の風土が確立されてきたことも踏まえ、「予習」教材を提供する形に運用を変更、授業内では小テスト・演習・質疑を中心に行う「反転学習」形式の教育プログラムのためのシステムと位置づけを変更することといたしました。

KUDOS Knowledgeの学習画面
事前学習動画はパソコンの操作画面に指示コメントが挿入されたシンプルな構成で、自学習がスムーズに行える。

■実施の効果

学生の満足度・習熟度の向上

 狙い通り、学生からの「授業が早すぎる」または「遅すぎる」という授業スピードに関する不満の声は激減し、「予習の大切さがわかりました」「定着するまで何回も自分で学習できる事前学習動画はとても役立ちました」といった意見が多く聞かれるようになりました。
 また、本授業のステップアップ授業としてAdvanceクラスを実施している学部でのレベル別クラス分けにおいて、優秀層の比率が高くなったことは、サービス提供者として、とてもうれしいことでした。

■今後の展望

情報リテラシー教育のオンデマンド授業化も視野に

 現在、近畿大学では、情報系科目「データリテラシー入門」(文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の認定プログラムの構成科目)は、全キャンパス全学科の学生が履修できる「オンデマンド授業」として開講されています。
 その前段階にも位置付けられる「情報リテラシー」科目についても、今後は、それぞれのスキルレベルにあわせて自分のペースで学習できるオンデマンド形態の授業に移行することを検討されている段階です。
 反転学習の試みによって、「自学自習でPCスキルは十分習得できる」という感触が得られたことが、実習授業のオンデマンド化に踏み切ろうと考える土台にもなったと感じます。
 これからも、KUDOS Knowledgeをさらに進化させて活用いただけるよう、コンテンツ、システムのブラッシュアップに努めたいと考えています。

■情報基盤センター長 井口信和先生の声

 教学マネジメント指針でも言及されている通り、学修成果の可視化と教育成果の見える化は、今後の高等教育を考える上で重要な要件となります。NTTExCパートナーが提供されているASP型eラーニングシステムを活用した近畿大学のKUDOS Knowledgeは、自学自習用のメディア教材を提供するだけでなく、学習の進捗を教員はもちろん学習者自身が細かく確認できます。これによって学修成果の可視化が可能となりました。

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 “実学の精神”を理念に、先進的な教育プログラムで優秀な人材を次々に社会に送り出している近畿大学。NTTExCパートナーはこの考え方に賛同し、今後も同大学の人材育成に協力し続けます。

問い合わせ先
株式会社NTT ExCパートナー
(よみ:エヌティティエクシーパートナー)
ラーニングソリューション事業部西日本営業部門
TEL: 06-6358-2817
E-mail: daigakuーls@nttls.co.jp
(アドレスは全角文字で表示しています)
URL: https://www.nttexc.co.jp/

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