私情協ニュース1

第16回臨時総会開かれる



 第16回総会は、平成9年11月26日(水)午後1時半より、明治大学100周年記念大学会館にて開催された。当日は、文部省概算要求の決定経過、民間プロバイダ利用に伴う補助の拡大、SINETに対する要望、情報環境基本調査の結果などについて報告・協議した。以下に、主な点について紹介する。


1.平成10年度文部省概算要求の決定経過

 まず、文部省概算要求に先立ち、国の概算要求に対する方針が6月3日の閣議で決定。1998年度から2000年度までの3年間を財政改革の集中改革期間とし、経常費補助金を対前年度同額以下に思い切って抑制、また装置関係の公共投資予算は、対前年度比7%マイナスの額を上回らないという予算の上限が決められたキャップ制が打ち出された。そのような中で、8月下旬概算要求が決定した。まず、私立大学ジョイント・サテライト事業は、総額4億7,500万円と9年度の約倍程度の増額要求となった。内訳としては、衛星通信活用プログラムが約2倍増額の3億5千万円で4施設から7施設の要求、また、移動体情報通信活用プログラムは、2,500万円増額の1億2,500万円で1施設から2施設に。
 学内LAN整備費補助は、9年度と同額の15億円、4千万円未満の情報処理関係設備も9年度と同額の10億円として要求されることになった。
 経常費補助金特別補助の情報化推進特別経費については、9年度の123億900万円に対し、138億7,600万円と12.7%の増額要求となった。その内訳は、借入補助が82億4,300万円で10.8%の増、教育学術情報ネットワークで28億3,500万円で11%の増、教育研究用ソフトウエアで16億円の20%の増、教育学術情報データベース等の開発で11億9,800万円19%の増として要求された。


2.教育学術情報ネットワーク補助の改善

 学内LANの普及に伴い、大学は民間企業や団体・研究所、地域社会、海外の大学等あらゆる機関とインターネットを通じて情報交流することが日常的になり、その範囲も地球的な規模まで拡大した。インターネットへの接続には、文部省のSINETを介して接続する方法が選択されてきたが、すぐに接続できない状況が多くなってきているため、国のネットワークの他に民間のネットワーク接続事業者の商用ネットワークを教育研究目的に利用できるよう文部省に働きかけ、現行の教育学術情報ネットワーク補助の中で、インターネットに接続するための通信回線使用料を9年度より新たに補助対象に加え、補助されることになった。NTT等の通信事業者に支払う料金に加えて民間のプロバイダに支払う利用料も対象にすることになり、民間プロバイダへの接続に補助の道が開けた。


3.学術情報ネットワークに対する要望

 文部省の学術情報ネットワーク(SINET)利用に伴う問題として、米国と日本との接続にかなりの頻度でパケットロスが生じていることと、民間プロバイダとの接続に遅滞が多く、インターネットへの接続が極めて不便となっていることから、7月5日に文部省学術情報課に改善方の要望を行った。その後、9月の私情協大会に同課の担当者を交えて文部省の対応を確認し、平成10年度中には大手町にあるインターネット接続拠点(NSPIXP2)にSINETを接続することを確認した。


4.「平成8年度情報環境基本調査」結果

 本調査は、加盟大学の9割、全私立大学では5割、短期大学では2割5分が回答し、隔年調査を実施しているもので、今回は、情報環境の整備目標を大学自らが模索できるよう、その指標となり得る参考データを意識して、調査結果をとりまとめた。初めての試みとして、大学の規模・種別による「教育の情報化ランキング」を実施。項目の内容、調査方法については精緻さに欠けている面もあるが、最小限度、配慮すべき点検・評価項目を設定した。今後、大学の意見を踏まえ、より充実した評価となるよう改善していく予定。なお、分析のアイテムは、以下の通り。
 1)情報環境整備への取り組み状況、2)コンピュータの整備状況、3)コンピュータ教室の整備、4)情報教育の実施状況、5)教員組織、6)教育の情報化ランキング、7)学内LANの整備状況、8)ネットワークの利用状況、9)コンピュータ・ネットワークの運用・保守体制、10)事務部門の情報化、11)事務情報の活用状況など。


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