社団法人私立大学情報教育協会
平成18年度第3回化学教育IT活用研究委員会

T.日時:平成18年8月28日(月)午後1時から午後4時まで

U.場所:園田学園大学1号館2階第3会議室

V.出席者:小中原委員長、高野、及川副委員長、堀合、伊藤、幅田、庄野各委員

W.議事進行

1.コア・カリキュラムを意識した教育の到達目標
2.教育現場での課題
3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性

 伊藤委員より資料に基づき説明がなされた。その後事務局より、分量や内容に関する説明がなされた。要旨は以下の通り。


  
○ 1と2であわせて1ページにする。
○ 1では化学教育として学生に身につけるべき能力を端的にまとめる。
○ 2では1の目標を到達するための課題をまとめる。
○ 3では、2の課題を克服するための授業運営の方向性(ITに特化しなくてもよい)を記述する。
○ 化学教育個別の内容にする。


 
  その後、原稿の内容について自由討議したところ、以下の旨の意見があった。

1.コアカリを意識した教育の到達目標について


 
○ 化学教育の一番の目標は、化学は社会を構成するにあたり不可欠な要素である(つまり、化学はクローズドな学問ではなく、他の学問領域とも広範囲に応用されている基礎科学である)こと認識させることにある。
→ 化学に対する正しい認識(chemical literacy)を具体的に記述するば良いのではないか。
→ 基礎化学と応用化学では目標も異なるし、さらに化学を専門としないものを対象とした場合でも目標が異なる。その区別をどうするか。
→ それぞれの目標・到達能力をまとめてはどうか。
○ サイエンスとしての化学の目標を考えると数学物理と重複する部分があり特色が出ない。むしろ安全教育という側面から考えるとこれまで委員会で議論した内容ともマッチするし、社会との連携を強調することができるのではないか。
→ 「化学を日常生活でうまく使う」ことをキャッチフレーズに(作る側、使う側、物質循環)として使った方が良い。
→ 安全安心教育という側面を考えると、例えば関連法規やMSDS情報に関する知識を習得することなどの具体的能力が挙げられる。
 

2.教育現場での課題について


○ リメディアル教育の必要性について記述する。
○ 化学教育に対する誤解について触れる(入試対策的な暗記型学習ではなく体系的学習の必要性)
○ 実験教育の充実(高校時に実験実習を経ない学生が多いことから)

3.教育改善のための授業設計・開発・運営の方向性


○ 動機付け、モチベーションの持続のための授業運営方法を記述する。
→ 具体的には、対面による授業形態が最も効果の高い方法であることを前提として、予習復習環境としてITを活用することの有効性を説く。また、卒業研究発表の時に社会人や他大学の学生・教員も交えてオープンに行うことなども記す。
○ 安全教育と関連した社会との連携についても強調する。

4.ITを活用した授業モデルの紹介

(1)産学官連携遠隔授業
  高野副委員長より、原稿について報告いただいた後に意見交換したところ、以下の通りに加筆修正いただくこととした。

○ 授業のねらいを短くする。
○ シナリオ:総合討論の内容を詳細化する。
○ IT活用の詳細:図、画像、ネットワーク図を貼り付ける。またPCの標準的なスペック(メモリ、CPU)なども記載する。
○ 授業効果:アンケート結果の表は文章化する。
○ 問題点:オンデマンド配信の方が安定している旨を書く。