社団法人私立大学情報教育協会
平成16年度第2回被服学教育IT活用研究委員会議事概要

T.日時:平成16年9月27日(月)午後5時から午後7時まで

U.場所:私情協事務局会議室

V.出席者:高部委員長、猪又、小原、雲田、小倉、山口、伊佐治、高橋各委員、井端事務局長、木田

議事に先立ち、事務局より、理事長学長等会議で提案のなされた「教育の社会支援についての提案」(以後「提案」と略す)中教審大学分科会「わが国の高等教育の将来像(審議の概要)」(以後「将来像」と略す)について説明された。

学生の学力・学習意欲の低下のため、大学における人材育成の充実、教育内容の通用性を保証することが、大学の教育プログラム・学習環境だけでは困難になりつつある。「提案」は、学生に対して現実感覚を身に付ける教育を施すとともに、社会から教育内容に対する評価・助言を求めることを目的として、教育における産官学連携の積極化を提言している。
具体的な連携方法としては、社会からの大学教育に対する支援内容として、@社会での現場情報・体験情報の紹介・説明、A知的情報の電子化と教育への利用実現、B実務経験者による授業の実現、C学習成果に対する専門家の助言・評価、Dインターンシップ、ワークショップ、調査実習の受け入れ、Ee-ラーニング等教育プログラムの共同開発が挙げられている。また、大学からの社会貢献としては、企業の問題解決に対する助言や企業研修のための授業の実施が考えられる。
実現に向けては、関係機関に対する理解を得る必要があるが、私情協としては以後政策課題として文部科学省に提言するとともに、事業の一環として検討していく。

「将来像」は、中教審大学分科会が2015年〜2020年頃までを想定した日本の高等教育の将来像とそこに至る施策の方向性を提示したものである。この中では、高等教育の発展を支える各方面の取組として、産業界等の取組、特に人材の流動化に関する提言がなされているが、教育面については「研究面にとどまらず人材養成面でも十分な産官学連携が求められる」との記述がなされている。
「将来像」のポイントをなす5つの方向性としては、@誰もがいつでも学べる高等教育(ユニバーサル・アクセスの実現)、A誰もが信頼して学べる高等教育(高等教育の質の保証)、B世界最高水準の高等教育、C「21世紀型市民」の学習需要に応える質の高い高等教育、D競争的環境の中での国公私それぞれの特色ある発展が挙げられている。特にCにおいては、教育の充実のため、分野ごとにコア・カリキュラムが作成されることが望ましいことが提言されている。
本委員会では18年後に報告書の上梓を予定しているが、その中では被服学教育のコア・カリキュラムを想定しながら、個々の学習項目の具体的な教育目標(ex.「〜ができる」)と目標達成に向けたIT活用事例を提案いただきたい。

T.被服授業情報データベースについて

 被服系短期大学のシラバスを各委員に分担で分類いただき、その正誤を確認した。対象短期大学は、大妻女子大学短期大学部、比治山大学短期大学部、聖徳大学短期大学部、昭和女子大学短期大学部、青山学院女子短期大学、杉野服飾大学短期大学部、筑紫女学園短期大学、江戸川短期大学、東京家政大学短期大学部、東京家政学院短期大学、相模女子大学短期大学部、京都女子大学短期大学部、名古屋女子大学短期大学部、千里金蘭大学短期大学部、戸板女子短期大学、夙川学院短期大学、大谷女子短期大学、四天王寺国際仏教大学短期大学部、神戸松蔭女子学院短期大学、大阪成蹊短期大学 神戸女子短期大学、武庫川女子大学短期大学部、神戸山手女子短期大学、園田学園女子大学短期大学部である。

[被服整理学]

千里金蘭大学短期大学部の「生活学演習・衣生活論」及び園田学園女子大学短期大学部の「衣生活論」は[その他]へ移行する。また、武庫川女子大学の「衣環境学」は[被服衛生学]に移行する。

[染色加工学]
神戸松蔭女子学院短期大学の「染色意匠学実習」、園田学園女子大学短期大学部の「染色実習」、比治山大学短期大学部の「染色実習」は[染め織り・工芸]に移行する。

[被服材料学]
東京家政学院短期大学の「被服機能論」、相模女子大学短期大学部の「計画論機器」、神戸松蔭女子学院短期大学の「基礎科学実験」、「繊維学実験」、「生活造形基礎演習」は科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。

[被服構成学]
相模女子大学短期大学部の「現代モード論」は[服飾史・服飾美学]、大阪成蹊短期大学の「アパレル企画論」は[ファッションビジネス]、四天王寺国際仏教大学短期大学部の「被服学」は[その他]に移行する。また、相模女子大学短期大学部の「形態論」、「計画論人体」、「計画論動作」、「作品研究T、U」、「基礎製図」、「設計製図」、「平面構成」、「立体構成」は科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。

[被服衛生学]
四天王寺国際仏教大学短期大学部の「被服生理学」をカットする。

[被服心理学]
四天王寺国際仏教大学短期大学部の「社会心理学」及び神戸松蔭女子学院短期大学の「心理学概論」はカットする。

[服飾史・服飾美学]
千里金蘭大学短期大学部の「生活学演習・衣生活論演習」は卒業演習のため削除する。

[色彩]
京都女子大学短期大学部の「造形芸術論」は[服飾史・服飾美学]に移行する。

[デザイン]
相模女子大学短期大学部の「デザイン文化史U服飾」は、[服飾史・服飾美学]に移行し、「デザイン計画演習V金工」及び「デザイン計画演習Wプロダクト」は削除する。

[ファッションビジネス]
昭和女子大学短期大学部の「消費者心理」は[消費科学]に移行する。また、名古屋女子大学短期大学部の「ファッションコーディネート」、夙川学院短期大学の「ファッションコーディネート論」、「ファッションコーディネート実習」、「スタイリスト演習」は[デザイン]に移行する。また、神戸山手短期大学の「ファッション概論A、B」は科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。

[消費科学]
戸板女子短期大学の「衣生活論」及び「装いの科学」は[その他]に移行することとし、大阪成蹊短期大学の「販売論」は「ファッションビジネス」に移行することとした。また、武庫川女子大学短期大学部の「テキスタイルアドバイザー実習」は削除することとした。

[CG]
武庫川女子大学短期大学部の「アパレルコンピュータ実習」及び「アパレルCAD実習」は[被服構成学]に移行することとした。また、相模女子大学短期大学部の「コンピューター(CG)」、「コンピューター(CAD)」、「コンピューター(3D)」、名古屋女子大学短期大学部の「アパレル企画演習」は、科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。

[プレゼンテーション]
戸板女子短期大学の「顔学とメイクアップ」は[その他]へ移行することとした。また、夙川学院短期大学の「ファッション総合制作(ショー&企画マップによるプレゼンテーション)」、武庫川女子大学短期大学部の「アパレル企画演習」は科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。

[染め織り・工芸]
昭和女子大学短期大学部の「染色学」、「染色実験」、大阪成蹊短期大学の「染色加工学」、「テキスタイル基礎実験」は[染色加工学]に移行し、相模女子大学短期大学部の「デザイン文化史V工芸」、京都女子大学短期大学部の「伝統工芸史」、比治山大学短期大学部の「伝統文化史」は[服飾史・服飾美学]に移行することとした。また、相模女子大学短期大学部の「クラフト工芸」は削除することとした。

[その他]
昭和女子大学短期大学部の「デッサン」は[デザイン]へ、「消費者調査法」は[消費科学]へ移行し、戸板女子短期大学の「インターンシップ」は[ファッションビジネス]、「ファッションと表現」及び「服飾コーディネート論実習」は[デザイン]へ移行し、名古屋女子大学短期大学部の「服飾文化論」は「服飾史・服飾美学」に移行することとした。また、相模女子大学短期大学部の「人間工学」、「計画論メディア」、「計画論材料」、武庫川女子大学短期大学部の「生活マナー論」及び「生活学概論」は科目名だけでは判別することが困難であるため、授業内容を調査して以後再度分類することとした。更に、東京家政学院短期大学の「特別演習」、「卒業研究」、千里金蘭大学短期大学部の「造形実習U‐1、2」、神戸山手短期大学の「環境科学」、「生活経済学」、「異文化と生活」、「現代企業論」、園田学園女子大学短期大学部の「生活文化概論」は削除することとした。

以上、次回委員会までに、要調査対象の科目については、担当委員に授業内容を確認いただくこととした。