分科会概要
第１分科会 「ポートフォリオ」や「学生カルテ」などの学生情報を活用するためのＩＣＴマネジメント
「学士力」を学生に確実に身につけさせるためには、教職員それぞれが専門性、組織的対応力を発揮し、連携・協働する中で学生の学びを支援し、指導や助言の質を保証する戦略が問われている。電子的な「ポートフォリオ」や「学生カルテ」などのシステムは、目的ではなく手段である。重要なことは、学生情報の活用を通じて現状の問題を整理・分析、共有し、学びの支援を組織的に整備・充実することである。
本分科会では、学生の個人情報を組織として統合的に活用する事例を踏まえ、ＩＣＴを用いた学習支援の在り方を考察する中で、学生一人々の質を保証する支援の仕組みづくりを探究する。
討議テーマ
・「学習ポートフォリオ」活用の可能性と課題
授業の到達目標に対する真の学びの成果を厳正に点検・評価し、自信がない点・できない点を明らかにするポートフォリオ構築の意義を確認する。その上で、学生に不足する能力を卒業までに補完するための組織的な学習支援の体制について探求する。
・「学生カルテ」情報の具体化と組織的な活用戦略の策定
一人々の学生を支援するため、学生の基本情報、成績・進路情報、相談・指導記録情報などの個人情報を教職員が総合的に共有する「学生カルテ」の内容について整理し、学生情報の一元管理のあり方、組織的な活用戦略について探求する。
獲得目標
- 「ポートフォリオ」や「学生カルテ」を構築する教育的意義について理解を深め、組織 的課題と職員の役割を認識する。
- 自大学での対応について振り返りを行い、改善点を整理することができる。
想定される事例
- 学生自らの「Plan-Do-Check-Action」を促す「ポートフォリオ」の構築と運用
- きめ細かな個別支援を展開するための「学生カルテ」の構築と運用
全体進行
【1日目】
15:45〜17:30 事前準備（分科会の趣旨理解と参加者の意識合わせ）
1.事前研修の成果を踏まえての分科会の趣旨説明
2. 少人数グループによる自己紹介と役割分担（進行・書記・発表等）（１グループ７名前後。事前のメーリングリストに投稿された内容によってグルーピング）
3.全体会の事例研究に関する討議と発表
4.グループ討議（目的の明確化）
【2日目】
9:00〜17:00 創造的ディスカッション
1.グループ討議（目的の明確化とグループ化）
2.グループ討議の中間的なまとめを行い、ミニ発表を行う。
3.グループ討議（実現案の検討）
・運用面での人的・組織的課題の検討
【3日目】
9:00〜12:00 討議内容発表と相互評価
1.グループ討議の内容をまとめ、分科会内で発表を行う。
2.グループ間で発表内容に対する相互評価を行う。
3.アンケート記入。
事例紹介
参加者から2名のサンプル事例の紹介(事前研修で募集)。
なお，応募者なしの場合，運営委員から依頼する場合がある。
事前研修
次の項目について簡潔にまとめたレポートとニーズカードを作成し、第1分科会のメーリングリストに提出する。各参加者は事前に他の参加者のレポートを読むとともに、相互にコメントする。レポートは、プリントアウトして研修会に持参する。なお、参加者には、ニーズカードの様式（Excelファイル）と記入方法をメールで送る。
１．レポート。所定の項目に従って記述する。
(1) ご自身のプロフィールを書き込んでください。
氏名、大学名、所属（役職を含む）、業務用メールアドレス、大学HPアドレス、担当業務の内容、
在職年数および現所属在職年数など。
(2) 自大学の「ポートフォリオ」の取り組みの現状。
(3) 自大学の「学生カルテ」の取り組みの現状。
(4) 自大学が抱えている課題。
例えば、自分の大学が抱える学習支援の課題。
なければ、自分の大学のICT活用の状況。
(5) 自己紹介を兼ね、参加動機と研修に期待する事。
(6) 討議希望のテーマとその理由、背景などを書き込んで下さい。
２．ニーズカードを作成する。
・「ポートフォリオ」や「学生カルテ」などで学生情報を活用している理想の姿、あるべき姿をイメージし、ニーズ（アイディアや施策）とその目的及び制約事項を考える。
事後研修
メーリングリストを利用して下記の取組を行う。なお、このメーリングリストは、自由な情報交換の場としても利用していただく。
・グループで作成した発表用資料をメーリングリストへ投稿（11月末まで）。
・グループの討議内容と最終結論を“報告書掲載用バージョン”としてＡ４判１〜２枚程度にまとめる作業を行い、メーリングリストへ投稿（11月末まで）。
・研修の成果が実践での具体的な取組に結びついた場合には、その報告を行う。
参考：昨年度の討議の様子
事例研究、グループ討議、成果発表という一連の流れを通じて「ポートフォリオ」と「学生カルテ」の特性が徐々に明らかになり、研修会終了時点で参加者全員がそれぞれの教育的意義を識別的に認識することができた。あわせて、これらのツールを活用して学生の学びを支援するには、個々の教職員が専門性を発揮するとともに、組織的に連携・協働することが重要であるという認識を深めることができた。
６つのグループが導き出した結論には、次のような本質的な観点が盛り込まれていた。例えば、建学の精神や教育目標との関係、学生の学びや成長を評価する規準の確立、取組の活性化を図るための組織的体制、教職員の意識変革と協働の促進、費用対効果の追求、個人情報の保護などである。参加者は、戦略的な学生支援モデルを創出するプロセスを通じて、課題解決に必要な視点を獲得するとともに人材育成支援、教育支援に果たすべき職員の役割について自覚を高めることができた。
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g1.html
第２分科会 教職協働で進める教育改善支援
教育改善の実現には、教員の努力に負うところが大であるが、組織的に進めていくためには教員と職員が協働して組織的に取り組むことが求められている。例えば、ICTを活用した初年次教育、キャリア形成支援教育、双方向型授業、大学間・産学連携授業などへの対応、また、教育改善に向けた提案・実施・評価・改善への対応に、教員と職員が一体となった取り組みが必要である。
本分科会では、「教職協働で進める教育改善支援」とは何かについて、上記の取組を題材にその具体像を議論し、ICTを活用した教育改善戦略とその期待される効果、推進する際の課題について検討する。
討議テーマ
・教育改善の課題認識
教育の実態を把握し、課題を明らかにして解決の方向性や職員に求められる役割について考える。
・教育改善に役立つ情報の創出
教育改善の課題を解決するために、様々な教育関連情報の組合せを可能にするデータベース等の仕組みを探求する。
・実践的な教育改善モデルの構想
組織体制や職員の役割等を視野に入れ、課題解決に向けたICT活用の方略を探究し、実践的な教育改善モデルを構想する。
獲得目標
- 教育改善モデルの構想を通じて、教職協働で進める教育支援の具体的なイメージや意義を理解する。
- 自大学において教育改善支援を展開する際の課題を明らかにする。
- 教育改善の視点からＩＣＴ活用の有効性と課題を認識する。
想定される事例
- 教育の質向上を図るために機関レベルで情報を分析・調査する事例
全体進行
【１日目】
事前準備（分科会の趣旨理解と参加者の意識合わせ）
１．事前研修の成果を踏まえての分科会の趣旨説明
２．全体会の講義・情勢研究に関する意見交換
事例紹介（予定）
１．事例紹介と意見交換
【２日目】
グループ討議
１．分科会の趣旨、討議テーマを意識しながらの問題、課題の洗い出し
２．解決すべき課題の絞り込み
３．ICTを活用した実践的な教育改善モデルの創出
【３日目】
グループ討議
１．グループ討議のまとめと発表準備
グループ発表と相互評価
１．グループ討議で創出した教育改善モデルの発表
２．発表された教育改善モデルのグループ間による相互評価
事例紹介
・教育の質向上を図るために機関レベルで情報を分析・調査する（予定）
事前研修
＜事前レポート＞
次の項目についてＡ４判１枚以内に簡潔にまとめたレポートをメーリングリストに投稿する。各参加者は、事前に他の参加者のレポートを読むとともに、プリントアウトして研修会に持参する。
・参加者及び所属大学の基礎的な情報を所定の項目に従って記述する。
・氏名、大学名、所属（役職を含む）、業務用メールアドレス。
・担当業務の内容、在職年数および現所属在職年数。
・自大学における教育改善支援の事例とＩＣＴ活用状況。
＜メーリングリスト＞
メーリングリストによる「事前ディスカッション」を実施する。その目的は、参加者が自身の問題意識を明確化し、研修会に能動的、積極的に取り組もうとする意欲を引き出すことにある。具体的には以下の話題について投稿を求め、事前レポートも参照しながら相互コメント（少なくとも1回以上）を課す。なお、必要に応じて運営委員が適宜ファシリテートする。
・自己紹介を兼ね、参加の動機や目的、自大学が直面する課題などを書き込む。
・職員による教育改善支援の理想像を挙げ、その効果や課題などを書き込む。
事後研修
メーリングリストを利用して下記の取組を行う。なお、メーリングリストは自由な情報交換の場としても活用する。
・グループの最終結論を“報告書掲載用バージョン”としてＡ４判１〜２枚程度にまとめる作業を行う（１２月末までに事務局に提出）。
・研修最終日に各自のアクションプランを２つ作成し（ａ．職場に帰ってすぐに実施したいこと、ｂ．じっくり作戦を練って長期的に実施すること）、そのうち職場に帰ってすぐに取り組んだことについての経過報告を投稿し、意見交換を行う（１２月末まで）。
参考：昨年度の討議の様子
事前研修での意見交換や、職員による教育支援の取組みの事例紹介を受け、教職協働という視点から職員として何ができるかを考える動機付けができた。職員が教育現場に踏み込むことの難しさ、職員力の底上げといった職員教育、学生への学びの促しなど活発な討議の結果、「授業評価のＰＤＣＡを中心にした授業支援モデル」や「学生サービス向上にむけた教職協働の組織改革モデル」が仕上がり、教職協働における職員が果たすべき役割についての意欲的なモデルが完成した。
参加者の自己評価では、「教職協働における職員としての気づきや新たな発見があった」など、多くの参加者が分科会の目標を達成できたとの回答があり、提示されたアクションプランには、「自大学での教育支援体制の改善や構築など様々な取組みを行っていく」との意欲的な姿勢が認められた。
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g2.html
第３分科会 大学の情報公表とＩＣＴの戦略的活用
本年４月より大学設置基準において大学の教育情報の公表が義務化・努力義務化された。その意味するところは、大学が負託されている人材育成について、大学での取り組みを外から見えるようにする、分かるようにすることを通じて志願者、在学生、父兄、国・社会に対して大学としての役割と責任を明らかにすることにある。
それには、義務として捉えるのではなく、自ら社会的責任をどのように果たそうとしているのか、教育の質的向上に努めている取り組みや健全な経営の財務情報を主体的に発信していくことが求められている。
本分科会では、教育の情報公表の意義について理解を共有した上で、公表の範囲・内容・方法及び教育情報の点検・分析を組織的に行うための体制づくりなどについて、ＩＣＴを用いた情報戦略を探究する。
討議テーマ
・情報公表の意義を確認する。
大学は誰のためのものかという視点から、多様なステークホルダーに向けた最適な教育情報の公表及び財務情報の公開について真の狙いを確認する。
・公表すべき教育情報の内容を探る。
社会的な責任を果たすために、定型的な情報ではなく、教育活動の方針・実態・今後の課題が見えるようにするための情報内容について意識合わせする。
・情報を収集・分析・統合管理するための組織的な取り組みを理解する。
大学の特色化・個性化を高める教育活動とは何か、教育活動での弱みは何かを組織的に点検・分析する体制を米国大学の事例を参考に学習する。
・ICTを用いた情報戦略を探る。
高校生向け、在学生向け、父兄向け、社会に向けた情報公表の戦略や、留学生獲得に向けた取り組みなどについても議論する。
獲得目標
- 討議を通じて得られた情報公表の意義やあり方を明らかにし、自大学における情報公表 の考え方、方法・内容についての再確認を行う。
- 学内外に散在する多様なデータを「情報」として戦略的に利用する学内組織を整備する必要性を認識させる。
想定される事例
- 大学の社会的責任（ＵＳＲ）を含む多様な教育研究活動、広報活動についての多様なス キームや先進的なＩＣＴを活用した情報公表の取り組み。
全体進行
以下の流れを想定する。
1.全体会に関するディスカッションを行う。
2.参加者による“ミニ事例紹介”とディスカッションを行う。
3.少人数グループによる創造的ディスカッションを行う。
4.グループ・ディスカッションの内容をまとめ、分科会内で発表を行う。
5.グループ間で相互評価を行う。
事例紹介
・事前レポートにもとづき参加者の中からミニ事例紹介を１〜２件選抜する。
事前研修
次の項目についてＡ４判１枚以内に簡潔にまとめたレポートを提出する。各参加者は事前に他の参加者のレポートを読むとともに、プリントアウトして研修会に持参する。
・参加者及び所属大学の基礎的な情報を所定の項目に従って記述する。
・プロフィール（レポートの右上に記載）
大学名、所属・役職、氏名、担当業務の内容、在職年数および現所属在職年数、
業務用メールアドレス、自大学ホームページアドレス
・ 題名「大学の情報公表とICTの戦略的活用」事前レポート
自大学における情報公表の現状とＩＣＴを活用した情報戦略の事例、参加の目的、自大学が抱える課題、討議希望テーマ
事後研修
メーリングリストを利用して下記の取組を行う。なお、メーリングリストは自由な情報交換の場としても活用いただく。
・ グループの最終結論を“報告書掲載用バージョン”としてＡ４判１〜２枚程度にまとめる作業を行う（１２月中旬までに事務局に提出予定）。
・ 研修の成果を振り返り、今後これをどのように活かそうと考えているかといった「アクションプラン」を投稿し、相互コメントを行う。
参考：昨年度の討議の様子
分科会の討議では、『各大学の情報公表への対応、進捗状況を共有』、『情報公表の背景と目的、公表の対象となる項目や公表の対象となるステークホルダーの確認』、『各大学における情報公表の現状の整理と課題の発見、公表にあたっての留意点の検討』、『重点課題の抽出』、『ICTを活用した情報公表の課題解決方法の検討』を探ることを目指して終日討議が進められた。
最終日は、「討議テーマ」「獲得目標」に沿った内容での成果発表を行い、研修成果を参加者全員で共有した。研修後のアンケートでは、「多角的な視点から問題解決の糸口を検討できた」、「ステークホルダーのニーズにあった参加型の情報発信が必要である」、「この研修成果を学内へフィードバックしたい」、「大学情報化の次の一手が必要である」など、短期間ではあるが今回の研修を機に積極的な業務改善に活かそうという意欲的な姿勢を伺うことができた。
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g3.html
第４分科会 大学図書館が取り組むべき学習支援・教育支援の探究
学生に主体的、自立的な学びを身に付けることが喫緊の課題となっており、その解決に向けて専門性を有する図書館に多くの役割が期待される。図書館職員が教員や他部局と連携しながら学生に基礎的な学習技法を身に付けさせるなど、学習支援活動の一翼を担うことが期待されている。また、教員のニーズを把握し、教育コンテンツのアーカイブ化やデータベース化、情報提供元との交渉による電子教材の整備や共同開発を行うなど、ICTの観点から教育支援活動に関与することが不可避となってくる。これまでの図書館業務について管理重視の業務から、自立学習を支援する業務と教材整備を支援する業務に転換していくことが期待されている。
本分科会では、図書館が教員及び他部局と連携して行う学習支援、教育支援の可能性を考察する中で、自大学における問題抽出と課題解決にあたって備えるべき視点を獲得することを目指す。
討議テーマ
・図書館が担うべき学習支援を確認する。
初年次教育の課題である学習技法の取り組みに向け、図書館としてどの様な役割を担うべきか省察し、具体的な学習支援の範囲・内容について意識合わせする。
・電子書籍を活用した新たな教育支援の在り方を考える。
電子書籍の適用範囲が広がってきた。これを利用した共同学習モデルの構想なども提案され新たな可能性も見えてきた。大学が保有する教材の電子書籍化について、実現に向けた課題と可能性を検討する。
・他部局や教員と連携した組織的な学習支援体制を考える。
教育支援・学習支援の発展的な提案を行うために、教員や他部局との連携の在り方を考える。
獲得目標
- 学習支援に立脚した図書館サービスを具体的にイメージすることができる。
- 教育支援として電子教材を整備・充実することの重要性を認識し、図書館として果たすべき役割を考えることができる。
- 自大学における問題抽出と、課題解決に向けた図書館の役割と責任について認識できる。
想定する事例
- 既存の図書館システムにICT技術を装備することによって学生参加型の学習支援を実現した大学の事例
- 教育コンテンツのデータベース化や電子教材の整備によって教員と協働で授業づくりに参画している図書館員の事例
全体進行
【1日目】 ※自己紹介は懇親会にて行う
15:45〜17:30 分科会討議1
・分科会の趣旨説明
・事例紹介 明治大学・中林雅士氏
・ディスカッション（全体会の講義、情勢研究、および事例紹介に関連して）
【2日目】
9:00〜10:00 グループ討議1
・所属大学での取り組みと研修参加目的の発表（事前レポート利用）
・役割分担（リーダー、記録、発表）
10:00〜12:00 グループ討議2
・目的の明確化（ニーズのグループ化、目的関連図の作成）
13:00〜14:50 グループ討議3
・実現案の検討� 兵存衆謄�ードの作成、人的・組織的課題の検討）
15:00〜17:00 グループ討議4
・実現案の検討�◆別槁犬慮‘ぁ⊆存衆動賤�の作成）
・戦略モデルの具体化、発表準備
【3日目】 ※終了後、アンケート提出
9:00〜10:00 グループ討議5
・発表準備（リハーサル）
10:10〜11:30 分科会討議2
・グループ発表
・グループ間相互評価と運営委員による講評
事例紹介
・「ICTを活用した学生ニーズへの対応について」（明治大学・中林雅士氏）
事前研修
＜事前レポートの作成＞
次の項目について、A4判1枚にまとめたレポートをメーリングリストに提出する。
各参加者は事前に他の参加者のレポートを読み、プリントアウトして研修会に持参する。
1．プロフィール（レポートの右上に記載）
大学、所属、役職、氏名、業務用メールアドレス
2．担当業務の内容、在職年数、現所属在職年数
3．討議テーマに即した自大学の現状と課題
4．分科会での討議希望テーマ
5．情報交換希望項目
提出先 oyo2011g4@juce.jp （参加者全員と研修運営委員のメーリングリスト）
＜ニーズカードの作成＞
下記の資料「創造技法を利用した討議の進め方」および書式「ニーズカード」をダウンロードする。資料にしたがって、以下のテーマにしたがい「ニーズカード」を作成のうえ、運営委員メーリングリストに提出する。事前レポートと宛先が違うので注意すること。
テーマ 大学図書館が取り組む学習支援・教育支援のあり方
資料「創造技法を利用した討議の進め方」（ダウンロードして利用して下さい）
書式「ニーズカード」（ダウンロードして利用して下さい）
提出先 oyo2011g4t@juce.jp（研修運営委員のメーリングリスト）
事後研修
メーリングリストを利用して、以下の取組みを行う。なお、メーリングリストは研修終了後も参加者同士の情報交換の場として活用することができる。
＜発表資料最終版の作成＞
グループ発表で使用した作成資料の最終確認版を11月末日までに提出する。提出された資料はホームページに掲載されるので、記述内容や表現などに留意する。
参考：昨年度の討議の様子
学生を主体的、自立的な学び手へと転換させるために、図書館がどのようにして学生の学びを支援すべきか、一方で、人や予算の厳しい業務環境で図書館はいかなる工夫で従来の枠を越えた新しい発想を採り入れ改革を進めるべきか、参加者全員で徹底した議論を進めた。具体的には次のような提案が行われた。
- 大学における出口を見据えた学習支援〜学生が自ら学ぶ力を育てるために図書館ができること
- すべての学生が利用したくなる魅力的な学習支援プログラムの在り方〜新たな学習支援の場をめざして
- 問題解決できる学生を育成する図書館のあり方
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g4.html
第５分科会 情報活用の重要性と情報システム部門の役割
情報システムの最適な環境なくして、大学の教育・研究・管理運営の活動は機能しない。情報システム部門は、大学の使命・課題、取り巻く環境の変化を的確に把握し、その整備により、大学の使命遂行や課題解決に貢献することが求められている。その課題として、例えば、経済的・人的負担の軽減に効果的と言われるクラウドコンピューティングの導入問題、災害に備えた情報システムの再構築、情報資産を守るためのセキュリティ対策、高機能携帯端末等の利用に対応した情報システム、情報投資に対する費用対効果の検証、投資効果を踏まえた情報システムの基準作り等があげられる。
本分科会では、以上のような課題を確認する中で情報システム部門としての役割と責任について省察し、真に大学の使命に応えられる情報環境の在り方について人的・物的・財政的な観点から経営戦略について探究する。
討議テーマ
グループ編成し、「情報システム部門に今求められること」を想定したテーマを設定し、下記の検討項目を必須とした情報戦略の構想・提案をする。
・情報システム部門の役割の変化
大学を取り巻く外部環境の変化と学内から情報システム部門に求められる内容について分析を行い、役割の変化を認識する。
・新しい情報技術の導入による効果とリスクの評価
クラウド・コンピューティングや仮想サーバの利用、外部データセンターの活用、ソーシャルメディアツール等についての評価を行う。
・情報資産管理運用のあり方
大学における情報資産の認識および洗い出し及び守るべき情報と活用すべき情報について点検評価を行う。
・非常時における情報システム部門の心がけやその対応
ICTの特性を活かした平常時・非常時の心がけと対応策を検討する。
獲得目標
- 大学の使命、大学を取り巻く環境変化を踏まえて、自大学の情報システム部門の役割の変化を認識する。
- 新しい情報技術の導入による効果とリスクを認識する。
- マネジメントの視点から、情報システムやその投資について構想をまとめ、説明責任を果たせるようにする。
想定される事例
- 情報セキュリティの自己点検事例
- 新しい情報技術を利用した事例
- 情報システムの対災害リスク管理への取り組み事例
全体進行
1日目
15:40〜16:10 事前準備
１．分科会趣旨説明（全体）
２．情報システム部門の任務、課題についての討議
16:10〜17:30 グループ討議（１）
１．自己紹介および事前レポートに関する説明（以下、グループ毎）
２．役割分担（進行・記録・発表等）
３．テーマの選定
４．課題の洗い出し
2日目
09:00〜10:00 事例紹介（全体）
１．事例発表（２件を予定）
２．意見交換（1日目の事例研究も含めて全体で意見交換）
10:15〜17:00 グループ討議（２）
１．テーマの掘り下げ、課題の洗い出し （午前）
２．課題の整理、解決策の検討、まとめと発表準備 （午後）
※コーヒーブレーク後に、進捗状況の確認
※夕食後、必要に応じてグループ討議継続
3日目
9:00〜12:00 グループ討議（３）
１．討議のまとめ、成果発表（1チーム質疑応答含め20分程度）、相互評価
２．アンケート記入
事例紹介
・運営委員より2件程度予定
事前研修
(1) 事前レポートの提出
以下の内容について、A4で1枚以内に簡潔にまとめたレポートを提出する。
・氏名，大学名，所属（役職含む），業務用メールアドレス
・所属の主たる業務及び担当業務内容
・情報システム部門の職責に関する考え
・自大学が抱えるICT的な課題
・事例発表の有無
※レポートはメーリングリストで、参加者間のみで閲覧可能とする。
※事前に他の参加者のレポートを読み、印刷して研修会に持参する。
(2)メーリングリスト（参加者の情報交換用） による事前ディスカッション
事前に自己紹介を兼ねて参加動機など記載し、事前にコミュニケーションを図り、研修当日円滑な討議を目指す。
(3) 創造技法に関する自己学習
グループ討議を円滑に進めるために、創造技法（ブレーンストーミング、KJ法）について自己学習をしておく。
※参考URL http://css.jaist.ac.jp/jcs/gihou.html
事後研修
メーリングリストを利用し、下記の取り組みを行う。なお，メーリングリストは自由な情報交換の場としても利用していただく。
・グループとして、最終結論を「報告書掲載用」としてA4版２枚程度にまとめ事務局へ提出する。締切りを11月30日までとする。
・参加者個々については、研修成果を振り返り，今後どのように業務に活かすか考えた「アクションプラン」を11月30日までにメーリングリストへ投稿する。相互にコメントやディスカッション等を行う。
参考：昨年度の討議の様子
「情報資産管理運用のあり方」、「高度化する教育研究をいかに支援するか」、「安定した利用環境の提供」の検討テーマで３グループに分け、討議を行った（参加者22名）。
事前研修として、参加者には「情報システム部門の職責に関する考え」や「自大学が抱えるICT的な課題」を事前レポートを課し、自己及び自学の紹介にこれらを交えることにより、課題の共有を図った。
本研修のグループ討議においては、上記の３グループともテーマの掘り下げ、課題の洗い出しや整理を行い、最終的に「情報資産管理運用のあり方 〜学内のデータバンクを目指して〜」、「ユーザ目線に立ったサービス提供のための理想的な教育支援のあり方〜コミュニケーションの観点から〜」、「“安定した利用環境の提供”とは？」といったテーマでの検討成果を発表していただいた。
成果として、創造的技法等を意識した結果、時間内にある程度意見の集約ができており、本分科会の目標である大学情報部門としての従来の視点・軸足から、これからの大学情報部門としての視点・軸足について、十分検討し、参加者への気づきやモチベーション向上を図られたかと考える。
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g5.html
第６分科会 教職員･学生間のコミュニケーションを活性化するICT活用戦略
授業についていけない、自ら学びに入れない、誰にも相談できない、友達をつくれないなど、キャンパス内で孤立し、不安を抱える学生が増加してきている。その結果として、中途退学者が顕著になってきており、経営面でも深刻な問題となっている。
大学は入学した学生一人々に対する責任を持った人材育成を使命とすることから、学生とのコミュニケーションの機会を多面的かつ重層的に設け、親身になって不安を取り除く努力が求められてきている。
本分科会では、教育・学習支援、キャリア形成支援、学生生活支援に不可欠な学生・教職員相互のコミュニケーション機能を高めるために、ICT活用の可能性を確認し、取り組むべき課題及び実践的な戦略を探究する。
討議テーマ
例えば、次のような観点からコミュニケーションツールを活用した学習支援、キャリア形成支援、学生生活支援の戦略的モデルを構想する。
- ともだちづくり、メンタルケア、学習障害への支援
- 学生の不安や悩みの把握と解消
- 中途退学者を抑止するSNSやポータル
- オフィスアワーやピアサポート（学生相互の教え合いや学生による学び支援）の活性化
- 入学前や卒業後のコミュニティ形成
- 多様な映像情報を活用した学習支援や学生生活支援
- 大規模震災等、緊急時のコミュニケーションを保障する体制
獲得目標
- コミュニケーションツール活用の基本的な考え方､可能性とその限界について理解する。
- 学生支援体制を強化するための組織的な｢教職員の役割・関わり方｣を認識する。
- 実践的な学生支援モデルの要件を具体化することができる。
- 自大学における課題認識と課題解決の方策を検討するための視点を獲得する。
想定される事例
- 学生同士のつながりを強化するコミュニケーションツール
- 自ら学びに入れない学生を支援し、中途退学者を抑止・支援するSNS活用
- 授業中の理解度確認に活用できるコミュニケーションツール
全体進行
【1日目】
15:45〜17:30 分科会の趣旨理解と参加者の意識合わせ
・事前研修の成果を踏まえての分科会の趣旨説明
研修の参加目的・達成目標の明確化を図る
・全体会の事例紹介に関するフリーディスカッション
・事例紹介（参加大学の先駆的な取り組みがあれば）
【２日目】
9:00〜12:00 グループ討議��
・目的の明確化
13:00〜14:50 グループ討議��
・実現案の検討��
・中間発表
15:10〜17:00 グループ討議��
・実現案の検討��
・戦略モデルの具体化
【３日目】
9:00〜10:00 グループ討議��
・グループ討議まとめ、発表準備
10:15〜11:45
・グループ発表、相互評価と振り返り
事例紹介
参加者からミニ事例報告（例えば、次のような観点で先駆的な取り組みがあれば）
・学生同士のつながりを強化するコミュニケーションツール
・自ら学びに入れない学生を支援し、中途退学者を抑止・支援するSNS活用
・授業中の理解度確認に活用できるコミュニケーションツール
事前研修
次の項目について簡潔にまとめたレポートとニーズカードを作成し、第6分科会のメーリングリストに提出する。各参加者は事前に他の参加者のレポートを読むとともに、相互にコメントする。レポートは、プリントアウトして研修会に持参する。なお、参加者には、事前学習の進め方とニーズカードの様式（Excelファイル）をメールで送る。
(1) 参加者及び所属大学の基礎的な情報を所定の項目に従って記述する。
・ 氏名、大学名、所属（役職を含む）
・ 担当業務の内容、在職年数および現所属在職年数。
・ 自大学におけるコミュニケーション活性化のためのＩＣＴ活用事例。
(2) 分科会に対する期待や要望などを自由に記述する。
・ 討議希望テーマを２〜３選択する。
・ 自己紹介を兼ね、参加の動機や自大学が直面する課題などを書き込む。
(3) ニーズカードを作成する。
・ 討議希望テーマについて、その理想の姿、あるべき姿をイメージする。
・ ニーズ（アイディアや施策）とその目的及び制約事項を考える。
事後研修
メーリングリストを利用して下記の取組を行う。
(1) グループの最終結論を“報告書掲載用バージョン”としてＡ４判１〜２枚程度にまとめる作業を行う（１２月中旬までに事務局に提出）。
(2) 研修の成果を振り返り、今後これをどのように活かそうと考えているかといった「アクションプラン」を投稿し、相互コメントを行う。
参考：昨年度の討議の様子
３つのグループに分かれ、教職員・学生相互のコミュニケーションを活発化して学生支援の豊かな展開を目指すICT活用戦略を構想した。
例えば、「向き合える、支え合える、あったかキャンパスへ向けて」をビジョンに掲げ、「困っている学生をいかに救い上げるか？」を検討するグループ、あるいは「学生のコミュニケーション能力を向上するプログラム」や「離脱防止のために、問題を抱える学生を早期に発見するプログラム」を検討するグループがあった。
いずれも、情報ツールをどのように適用するかという方法論にとどまることなく、学生自身に自己解決を促しながら大学として組織的にフォローする仕組みを提案するなど、目的達成のための組織的、実践的な情報活用モデルを追求した。また、モデルの有効性を検証する評価システムの検討を経て、学生を多面的にサポートする体制づくりについて理解を深め、より実践に役立つ成果を得ることができた。
★ 昨年度の報告書･･･ http://www.juce.jp/kenshu/oyo2010reports/g6.html